無所属クラブの視察202302

2月1~2日に以下の通り5か所を視察しました。
1.NPO法人Cambio(カンビオ)[兵庫県多可町]
「24時間持ち込み可能な"鹿ポスト"~ジビエでペットフード~」
2.兵庫県西脇市
「スイーツファクトリー支援事業」
3.株式会社日向屋[和歌山県田辺市]
「若手企業による鳥獣対策の6次産業化」
4.和歌山県有田川町 THE LIVING ROOM
「廃園保育所リノベーション利活用事業」
5.和歌山県有田川町 地域交流センター ALEC
「絵本によるまちづくり」

視察の概要を以下の通りお知らせします。

1.NPO法人Cambio(カンビオ)[兵庫県多可町]
  「24時間持ち込み可能な"鹿ポスト"~ジビエでペットフード~」

【NPO法人Cambio(カンビオ)の概要】
・住所:兵庫県多可郡多可町森本809-15
[視察先は多可町加美区豊部483(加美給食センター跡)]
・設立:2011(平成23)年3月
・事業:兵庫県指定障碍者福祉サービス事業(利用者数;A型20名・B型40名)、金属加工、無添加鹿肉ドッグフード製造販売、鳥獣害指定の鹿肉加工施設運営等

【視察目的・内容】
兵庫県多可町で7年前からシカ肉を使ったペットフード製造場を営むNPO法人cambioが「24時間、自由に搬入できる無人シカポスト」を作ったニュースが最近、各新聞やテレビで取り上げられている。
多可町のシカ捕獲数は年間およそ400頭で、そのうち約300頭を埋めたり焼却したりして処分していたが、「シカポスト」の利用者が増え、多可町の焼却処分費用は5分の1以下に減った。
今後、NPO法人cambioは「シカポスト」を増やし、まとめて搬入してもらうことで運送のコストなどを軽減し、特殊技術で解凍して良い状態のシカ肉として使おうと実験中だ。
因みに、「cambio」とはスペイン語で「変化」という意味を持ち、同社のシカ肉のペットフードは完全無添加の確かな品質という意味を込めて「TASHIKA」というブランド名で年間7千個販売している。
宮津市の深刻な鳥獣被害対策の参考にしたく訪問したもの。
【参考】
会社概要 – 特定非営利活動支援 cambio<カンビオ> (npo-cambio.org)
TASHIKA / 多可町の地域課題解決型ドッグフード (npo-cambio.org)
24時間無人“鹿ポスト” 兵庫・多可町にNPOが肉解体施設 / 日本農業新聞 (agrinews.co.jp)

2.兵庫県西脇市
  「スイーツファクトリー支援事業」

【西脇市の概要】
・2005(平成17)年10月、旧西脇市と黒田庄町が合併して誕生。
・人口:38,700人(2023年2月1日時点・合併当初は約46千人)
・面積:132.44㎢。
【西脇市の農業の特徴】
耕作面積は約1千haで、水稲が約700ha、酒米となる「山田錦」が約5割。
但馬牛の肥育が約1,400頭(肥育農家は約13軒)あり、約9割が「神戸牛」として格付けされている。
【視察目的・内容】
イチゴは高付加価値があり、イチゴ狩りなどを通じた町に活気を呼ぶ交流人口の増大が期待できることから、農家が減少する中で本事業が始まった。
宮津市に活かすことを目的に訪問したもの。
本事業は、1年目から担当のハウスが割り当てられ、就農を想定した環境で「章姫」などの品種の栽培研修を受ける。
苗の育て方から育てた苗を植え替える作業・収穫に至るまで、イチゴの高設栽培に必要なすべての技術を学ぶ。
また、栽培したイチゴの出荷やイチゴ狩りの受入れなどを通じて、研修期間中にしっかりとした経営技術を習得し、研修終了後のスムーズな就農と経営の安定を図こととなる。
さらに、関係機関と連携し就農に向けた経営相談やハウス整備に対する支援、住居や農地借入のあっせんなど、全面的なバックアップ体制ができている。
【参考】
スイーツファクトリー/西脇市 (nishiwaki.lg.jp)
スイーツファクトリー支援事業 | 支援情報 | 農業をはじめる.JP (全国新規就農相談センター) (be-farmer.jp)
自治体別・視察の多い事業一覧 2019(西日本編)|新・公民連携最前線|PPPまちづくり (nikkeibp.co.jp)

3.株式会社日向屋[和歌山県田辺市]
  「若手企業による鳥獣対策の6次産業化」

【株式会社日向屋の概要】
・住所:和歌山県田辺市上芳養755-2
・設立:2018(平成30)年3月
・事業:柑橘類・果樹加工品販売、ジビエ(鹿肉、いのしし)狩猟体験、農業体験
・社員:8名(パート含む)
【視察目的・内容】
同社は、若手の農家らが2016(平成28)年に狩猟チームを結成したことを機に、2018(平成30)年に会社を設立し、鳥獣害対策や耕作放棄地解消に向けた地域活性化の事業を展開している。
地域内のジビエ解体処理施設やジビエ料理店との連携で、イノシシやシカの捕獲から処理・加工、調理、販売の連続した体制を構築。
捕獲した個体をジビエとして地域資源に、施設を観光や体験資源にと、地域を巻き込んだ取り組みに発展させた。
特にジビエの安定供給を図るため、地域内の農家によるわな捕獲を支援し、地域外の捕獲協力農家との橋渡しもしている。(2021年度にジビエなどとして活用したのは約600頭)
また、衛生管理ガイドラインの遵守などに取り組む施設に与えられる「わかやまジビエ処理施設衛生管理認証」を取得し、個体の引き取りに関するガイドラインを作成してジビエの品質維持に努めている。
尚、同社は農林水産省の2022(令和4)年度の鳥獣対策優良活動表彰で、「農林水産大臣賞」を受賞した。
宮津市の深刻な鳥獣被害対策の参考にしたく訪問したもの。
【参考】
私たちの畑は私たちで守る!株式会社日向屋のwebサイト (team-hinata.com)
鳥獣対策で大臣賞受賞 和歌山県田辺市の農業会社「日向屋」(紀伊民報) – Yahoo!ニュース
ジビエ活用で地域に光 鳥獣害が深刻化、ある集落での取り組み | 毎日新聞 (mainichi.jp)

 4.和歌山県有田川町 THE LIVING ROOM
  「廃園保育所リノベーション利活用事業」

【和歌山県有田川町の概要】
・2006(平成18)年1月に旧吉備町・金屋町・清水町が合併して誕生。
・人口:25,592人(2023年1月31日時点)
・面積:351.89㎢

【視察目的・内容】
地方では人口減少に伴い、公共施設が閉鎖を余儀なくされている。
宮津市においても公共施設の再編は各地域での大きな課題になっている。
和歌山有田川市では田殿地区の廃園保育所をリノベーションし、まちのリビングルームを作ろうというコンセプトのもと、施設全体を「 THE LIVING ROOM 」と名付けて以下の通り作った。
住民同士の団欒やお客様をもてなす場を作る「ゴールデンリバー」というカフェ&バーを中心にクラフトビール醸造所やパン屋など若者達が地域でチャレンジしたいことをできるテナントスペースを作って、貸し出している。
廃園した施設を利活用し、若者や女性が率先して取り組んだ住民主体のまちづくりを参考にする為、訪問した。
尚、2018年に同町は日本経営協会主催の「第10回協働まちづくり表彰」で優秀賞を受賞している。

【参考】
GOLDEN RIVER – クラフトビールを楽しめる和歌山県有田川町のカフェ&ビアバー (golden-river.jp)
有田川町流!住民主体のまちづくり/有田川町 (aridagawa.lg.jp)
第6回 和歌山県有田川町――民間・若者が中心となり“日本のポートランド”を目指す|新・公民連携最前線|PPPまちづくり (nikkeibp.co.jp)
自治体別・視察の多い事業一覧 2019(西日本編)|新・公民連携最前線|PPPまちづくり (nikkeibp.co.jp)

 5.和歌山県有田川町 地域交流センター ALEC
  「絵本によるまちづくり」

【地域交流センター ALECの概要】
有田川町には4つの図書施設があり、各施設特徴があり総称「有田川ライブラリー」と呼んでいる。
当施設は、有田川町の中心的な図書施設として、2009(平成21)年にオープンした。
本のあるカフェ」をコンセプトに、コーヒーやドリンクを飲みながら本を読める、館内で話をしてもよい、漫画を4万冊も置いている、書架スペースよりラウンジスペースの方が広いといった公共図書館では珍しいことをやっている。
2021(令和3)年度の来館者は83,258人、貸出数は158,738冊(うち漫画95,610冊)だ。

尚、2019(平成31)年度には、47百万円をかけ日本で初めてウォークスルー型の図書自動貸出システムを導入した。
【視察目的・内容】
「本を貸し出す場所、ものを調べる場所」というイメージが強い図書館に、近年地域活性化の核拠点施設としての可能性を見出す動きが見られるようになってきた。
地域交流センターALECは、まさに先進的な取り組みとして、カフェのある図書館として、地域住民の交流拠点として来館者を大幅に増やしている。
どのような経過を経て住民の交流拠点として変化してきたのか、現在の課題を調査することにより、宮津市の図書館行政に活かすため訪問した。
【参考】
有田川ライブラリー/有田川町 (aridagawa.lg.jp)
自治体別・視察の多い事業一覧 2019(西日本編)|新・公民連携最前線|PPPまちづくり (nikkeibp.co.jp)
スマート図書館実現に向け、ウォークスルー型の図書自動貸出システムを構築 : 富士通マーケティング (fujitsu.com)