一般質問2016(平成28)年の議事録

【星野和彦 2016年度の一般質問】
・3月:今後の大型事業に対する抜本的な市税増収策
・6月:①大地震の防災対策と行政財産の耐震補強
②バイオマス発電の現況と可能性
・9月:①宮津市のメディア戦略と戦術
②由良オリーブ事業の現況と将来
・12月:由良オリーブ事業の成功と地域おこし協力隊の充実

【2016年3月 定例会】
※動画:https://www.youtube.com/edit?o=U&video_id=F9gNz_fvM74

 

 

 

〇今後の大型事業に対する抜本的な市税増収策
現状、市債残高約128億円に対する市税歳入は、約25億円で、今後の広域ゴミ処理施設建設等、大型事業に伴う収入増加と財政悪化が懸念されるが、抜本的な市税増収策を問う。

【星野和彦 議員】
蒼風会の星野和彦です。
通告に従い、一問一答方式で「今後の大型事業に対する抜本的な市税増収策」について質問致します。
平成28年度予算において計上されている宮津小学校の校舎改築費用733百万円、これは2年間で総額1,386百万円等、建設事業に係る経費は約21億円を要します。
財源を賄うため約18億円の市債を発行しますが、市債残高は現状128億円に対し、来年3月末には約131億円となる見込みです。
今後更なる大型事業を控え、現状の市税による歳入が約25億円の宮津市の財政悪化が懸念されます。
各事業の徹底した経費節減と、選択と集中による市税等の抜本的な増収策を伺うべく、これより質問致します。
昨年12月の本会議における全員協議会で「平成28年から32年度の今後の財政見通しについて」と題して、まず平成23年から27年の5年間にわたる財政健全化計画2011の成果と計画策定前の見通しと実績をご説明頂きました。
過去5年間において基金残高は1,371百万円から約3億円増加し、地方債残高は15,312百万円から約26億円縮減されました。
地方債残高のピークである12年前の平成16年度198億円から比較すると約3分の2となる67億円縮減され、財政健全化が顕著に推移したことが伺えます。
殊に財政規模に対する借入金残高等の割合を示す将来負担比率は、250%から167%と、83%の大幅な改善が進んでいます。
私たちの暮らしに例えるなら、住宅ローンを組むにしても年収の3倍程度が限界と言われるように、平成19年度の将来負担比率は297%で、政府が定める市町村の早期健全化基準350%を脱したことは、宮津市の大躍進と評価され、目に見える箱物とは異なり、今後も深く記憶に留めるべき歴史であると思料されます。
また、財政規模に対する借入金返済額の割合を示す実質公債費比率は、この5年間で17%から15%と2%改善しています。
しかし、実質公債費比率が18%以上になると、新たな借金をするには京都府の許可が必要となり、早期健全化基準25%、財政再生基準35%を勘案すると、今後の宮津市の大型設備投資計画による財政悪化が懸念されます。
上述の平成28年から32年度の今後の財政見通しについての説明後半では、今後5年間の財政見通しとして、平成28年度より実質公債費比率は18.4%となり、平成30年度には地方債残高が14,648百万円、将来負担比率が200%を超え、更に逓増する見通しとなっています。
その要因は、平成35年まで続く大型建設事業が7件あることで、総額6,050百万円に上り、平成28年度予算に計上された放課後児童クラブを含めた宮津小学校の校舎改築費用増加分436百万円を加えると、総額6,486百万円となっています。
更に、図書館、市役所庁舎等、今後の公共施設マネジメントによる見直しで数10億円規模の大型建設事業が見込まれます。
先ず、7大建設事業の金額内訳と時期を、昨年12月末時点から変更があれば、これを加味してご回答願います。

【小西肇 財務室長】
今、議員のほうから、去年の12月に全協で報告を致しました大型事業、これについて、直近のといいますか、変更点も含めてということでございましたが、あれからまだ3カ月も経っておりませんので、大きく動いたものは今のところありません。
ちょっと改めて、本会議ですので、ちょっと申し上げておきますと、この5年間、今後5年間になりますが、その投資の大きな事業、議員が触れられた7つの事業に今現在は財政見通しで計上しておるということになっております。
当然、午前中にもありましたが、国の経済対策、これによりまして事業年度の変更なんかはあり得ると思っておりますけれども、大きな枠組みでちょっと申し上げたいと思います。
それと、この財政見通しに計上しておるそのハード事業につきましては、超概算といいますか、財政計画を立てる上での金額を大方各室のほうから掴んでおるということでございまして、宮津小学校の例でもありましたが、当初950百万円と見込んでおりました事業が、実施設計によりまして、議員も今少し触れられましたが、放課後児童クラブなんかも福祉のほうから教育のほうに所管がえもあったといったこともありまして、現在のところ2カ年で1,386百万円ということで大きく数字が動いております。
こういったことが多分今後も少しあるのかなという含みでお聞きを願いたいと思います。
先ず、ここの浜町の関係です。これが、先程も、昨日でしたか、ご質問がありました、会議所のまちづくり会議のほうから報告が出まして、今後上物の整備になってくるんだろうと思っておりますが、現在、財政計画では31年度、32年度、この2カ年で160百万円という投資を見込んでおります。
それから、新しいごみ処理施設、これも今回少し予算が出ておりますけれども、30年度まで約25億というレベルの投資を今予定をいたしております。
それから、昨日の德本議員の御質問にもお答えしました、し尿の投入施設の関係です。
これも現在は、30年度750百万円と見込んでおります。
それから、宮津小学校はただいま申し上げました、28年度と29年度でトータル1,386百万円という規模の事業という具合に見込んでおります。
それから、先程も出ておりました子育て関係のその窓口拠点といいますか、一括サービスというところで31年度にその拠点となるものを2億円で整備をしていきたいという具合に思っております。
それから、今年から少し顔を出しておりますが、夕ヶ丘団地の更新といいますか、建てかえということで、これも大きく2ブロックになっておりまして、トータルでは平成35年度まで1,190百万円という具合に見込んでおります。
あと1点、7番目が、由良地区の内水対策ということで、今少しお金を頂きまして基本プランを作っておりますが、実際のハードと致しましては31年度、32年度に2億円という具合に見込んでおりますが、これももう少し年度がかかるんだろうということで、財政のほうでは約3億円を見込んでおります。
こういった7つの事業をテーブルに置きまして、財政の見通しを今立てまして、去年の全協でお示しをさせて頂いたということで、ちょっと繰り返しになりますが、色々な要因によりまして変動はあり得るということでご理解をお願いを致します。

【星野和彦 議員】
丁寧な御説明を頂きまして、ありがとうございます。
次に、財政指標の内、今後10年間における地方債残高、実質公債費比率、将来負担比率各々のピーク時期をご回答願います。

【小西肇 財務室長】
これにつきましても、ちょっと繰り返しになって申しわけないんですが、今申し上げました大きな事業の財源になりますけれども、一つは、やっぱり国庫の補助金というのを計算しております。
ただ、国庫の補助金、なかなか全国的な補助基準になっておりまして、当地域での建設単価と国の補助基準単価が合わないというところもありまして、事業費に比べて国庫金が少ないといったようなことになっておりますけれども、その残りは原則やっぱり市債と、地方債ということになるという具合に思っております。
財政当局といたしましては、可能な限り有利な地方債、過疎対策事業債ですとか、いわゆる普通交付税への算入率の高い地方債を、現在、京都府を通じて国のほうにお願いをしておるという段階です。
有利な地方債といいましても、その地方債の中身が交付税バックが変わるだけでございまして、額そのものは非常に沢山のものを発行するということになります。
建設事業費に連動して市債の額も上がってくるというものでございます。
先ほど申し上げましたレベルの事業費に対して計算をいたしますと、来年度、29年度になりますが、29年度では約20億の地方債を発行することになるんじゃないかという具合に見込んでおりまして、その翌年度、平成30年度には29億円というオーダーで市債を発行することになるものと見込んでおります。
今、議員のほうからも触れられましたが、この市債の残高でございますが、これももう十分ご承知の通り、単年度に借り入れを致しますが、単年度の公債費で元金を返しますので、この差し引き分が上積みされて地方債残高のほうに影響してくるということになりますけれども、現時点での残高ピークというのは、平成30年度、これが146億という具合に今計算を致しております。
こういう負のストックが反映するのが、議員おっしゃいました将来負担比率になってきます。
この将来負担比率のほうなんですが、少し議員からも触れていただきました。
あるいは昨日もありましたけれども、これまで第3セクターの損失補償ですとか、過去に発行致しました地方債の残高、これはどんどん返す以外にないということなんですが、その発行額をキャップで抑えてきましたいう関係で、26年度決算では、先ほど議員が触れられた166%というところまで低減をさせることができました。
ただ、ただいま申し上げました多額の市債を発行する関係から、今後はこの残高の増加によりまして将来負担のほうも上がってくるという具合に見込まれます。
財政見通しでもお示しをしておりますが、平成30年度には200%を超えてくるという具合に見込んでおります。
以後増えまして、ピークは平成33年度、まだ議員さんのほうにお示しをしておりませんが、手元の資料では平成33年度で218%と。
これが恐らく将来負担のピークじゃないかなというように思っております。
それから、実質公債費比率のほうです。
これは、単年度実質的な公債費が標準財政規模の割合で幾らを占めておるかというものですが、これも改善はしてきたんですけれども、やはり公債費が今後増えてくるということから、平成30年度19%、これがピークになるんではないかなという具合に思っております。
ただ、この2つの指標は、分母が標準財政規模でございますので、これによりまして変動はあるという具合に思っております。
あと1点は、公債費のほうにつきましては、昨日申し上げました平成34年度、これが17億円台に上るということで、以後少しずつ減ってくるという具合に見込んでおります。

【星野和彦 議員】
ありがとうございました。
この7件の大型建設事業の建設費の削減策を伺いたいと思います。
3点ございまして、まず1点目が、2020年に開催される東京オリンピックまでは建設資材や人件費の高騰が続くと予想されていますが、この工事の時期を遅らせられるものがありますか。

【小西肇 財務室長】
今、議員が触れられたこの東京五輪の関係で、確かに人手不足ですとか、工事単価、これが上がってきておるように思われます。
我々と致しましても、これは市長も含めてなんですが、東京五輪の後まで遅らせるものがないかということで一定検討は致しました。
ただ、冒頭申し上げました事業、特に今回提案をしております事業、新しいごみ処理ですとか宮津小学校の耐震化、あと、市の防災拠点、いつも応接室でやっておる防災の会議なんかを消防署の、宮津与謝消防署の合築をしていくということで施行のタイミングもあるということから、何れも喫緊の課題という具合に考えておりまして、多少建設単価等が上がっておるのは承知をしておるんですが、やはり待てないなと、後送りできない事業だという具合に思っておりまして、今回提案をさせてもらっております。
あと、その残りの事業につきましても、内水対策ですとか住宅ですとか、一定国庫の補助金のルートに乗った事業もありますので、なるべく予定どおり施行させて頂く中で、何らかの削減策というのを考えていかんなんという具合に思っております。

【星野和彦 議員】
了解致しました。
2点目ですけども、経費節減策です。この建設現場では、ここ数年、金属資源を中心にプラスチックに至るまで既存施設の解体工事における中古業者やスクラップ業者への販売が定着しています。
現時点、スクラップの価格は、中国の景気後退の影響で低迷していますが、1kg当たりの鉄が約5円、電気配線等に使用される銅が約2から300円で買い取って貰えます。
今後の各施設建て替え時における中古業者やスクラップ業者への販売等を加味したシビアな採算を計画されていらっしゃれば伺いたいと思います。

【坂根雅人 建設室長】
経費節減策ということで、解体工事にかかわるものということでのお尋ねです。
今申されましたように、解体工事、本当に高額な形になっておる思います。
建物のその除却だけではなしに、地中に何かおりましたらそれも除却しなければなりません。
また、養生、足場を組んだりとか、一番大きなのはやっぱりその産廃の処分、運搬という部分だというふうに思っております。
そんな中で、その有価材というんですか、議員さんはどうとか、その辺言われましたですけれども、鉄くず、骨材とか鉄筋あたりを要は金もうけをするという部分です。
これは、その解体工事、私ども積算を当然致します。
国のほうから、また京都府も同じなんですけれども、その積算基準が示されております。
結論的には、その積算基準に基づいて私どもも積算をしておるんですけれども、その中に、要は鉄骨とか、それから鉄筋とかいう有価材がその建物にどんだけ含まれておるんだという数量を想定しまして、スクラップの買い取り金額に応じてそのスクラップ控除という歩掛かり、項目があります。
要は、そのスクラップ控除という中でマイナスの積算をするということです。
要は積算の工事費に加算するのではなく、マイナスの積算をするということで、そんな積算をやっておるということです。
具体的にちょっと分かりにくいので申し上げますと、ただいま宮小の校舎をやろうとしております。
その前段で、21年の時に体育館の耐震化ということで改築をいたしました。
旧のその体育館が2千㎡程あったと思っております。
それを解体する折に、設計ベースなんですけれども、373百万円ほどで解体して新築を致しました。
373百万円の内21百万円程が解体工事ということでした、設計上は。
その中で見てみますと、あの構造、御案内かもわかりませんけれども、H鋼だけではなしに、トラスみたいな形でようけ骨材がおりまして、要は177トンの骨材があったと。鉄くずがあったということです。
それをトン8,800円という形で、その時の歩掛かりいうんですか、時価やったと思います、積算を致しまして、156万円、要はマイナスの積算をしておるということで、156万円スクラップ控除という形でもうけておるという形です。
そんな形でやった例もあります。
常に解体の中で骨材とか鉄筋とかある場合は、そういう積算をやっております。
議員が今お触れになられました、要はスクラップ業者へ直接販売せえと、そんな手法もあるんじゃないかということなんですけれども、確かにその設計書にこの骨材とか鉄骨は市の有価材であると、市の財産であるということで書かせてもらって、私どもが直接売るいう方法はある思います。
ただ、その鉄くず、鉄骨を保管する場所、宮小の例でしたら177トンいうことで、10トントラックに18台分、これあたりを保管しとかなければなりません。
また、その鉄筋コンクリートでしたら、そのコンクリートが鉄筋を巻いておりますんで、RCやったらその分離をせんなん、そんな作業も要る。
また、工事現場の中でその小運搬とか小さく切り刻むいう手間もかかるというようなことがあります。
こんな手間を考えますと、なかなか儲からん。
プラス、実際私どもがそれを売っていくと、市が売っていくということになりますので、そのスクラップ業者の選定、入札行為もしなければならないということです。
そんな手間を考えますと、要は販売価格である鉄くずの価格からいろんな経費あれしますと、そんなに儲からんのではないかなというようなことで、こんな課題があるということで、私どもは、今ご提案の部分もあるんですけれども、国、府のその解体時の積算基準であるスクラップ控除、この形で今後も進めていきたいというふうに思っております。

【星野和彦 議員】
了解致しました。
3点目の経費節減策としてご質問します。
公民連携による建設ということになります。
自治体と民間が連携して公共サービスの提供を行うスキームに、PPP、これはパブリック・プライベート・パートナーシップ、日本語で言いますと公民連携というものがあります。
公民連携の中には、宮津市でも導入している指定管理者制度、市場化テスト、公設民営、これはDBO、デザイン・ビルド・オペレート方式というふうに言いますけども、更に包括的民間委託、自治体業務のアウトソーシング等も含まれます。
中でもこのPFI、プライベート・ファイナンス・イニシアチブは、公共施工等の設計、建設、維持管理及び運営に民間の資金とノウハウを活用し、公共サービスの提供を民間主導で行うことから、効率的かつ効果的な公共サービスの提供を図るやり方です。
この補助金に頼らない公民連携で地域活性化を進め、全国から注目を集める成功事例として、オガールプロジェクトがあります。
私たちも昨年7月に行政視察をいたしましたが、10年以上放置されていた町の所有地約11ヘクタールを整備し、人口約34千人の岩手県紫波町に年間80万人以上が訪れるようになったオガールは、JR紫波中央駅前に図書館、ホテル、バレーボール専用体育館、サッカー場、カフェ、産直マルシェ等が入居する施設で、約100人が働いています。
因みに、オガールとは、駅を意味するフランス語、ガールと、成長を意味する紫波町の方言、おがるがネーミングの由来です。
殊に外に広がる図書館がコンセプトで、当初のプロジェクトの推進を図った手法は今の宮津市にとって参考になると思料されます。
このやり方は、まずテナントを固めてから建物の規模や建設費用を算出したこと、さらに建設費用削減のため、特別目的会社が建設し、公共施設部分を紫波町に売却したこと、売却した費用以外は地元銀行の融資や紫波町と政府系金融機関の出資で賄い、キャッシュフローを重視した採算性の追求を徹底したことです。
また、紫波町だけではなく、周辺の盛岡市、花巻市、北上市を合わせた人口約60万人を対象とした広域連携プロジェクトであることも、京都北部に位置する宮津市にとっては見逃せないことだと思料されます。
今後の宮津市の大型建設事業に関し、公民連携を検討する可能性があれば、ご回答ください。

【小西肇 財務室長】
今、議員のほうからPPPを例題に成功事例の紹介も頂きました。
PPP、今、議員のほうから色々種類があるということで、私も実は財務に来る前にこのPFIについて大分研究もさせて頂きました。
当時は新しいごみ処理場の関係で、自立循環のほうでどういう方法がいいのかなということで調査をしておった事業の時のことなんですが、このPFI、今、議員が触れられました特定目的会社、SPCと言われる、これを置いて、当時議論していましたのはその市の公共事業、先ほど給食の話もありましたけれども、ここ10年、20年にかかわって市の事業を議員が言われたアウトソーシングするということで、受け手にすると、その10年、20年の公共事業がいわゆる委託で市のほうから来るというような事業について、公共団体がやる場合のPFIはそういうんがいいんじゃないかということで当時勉強もさせて頂きました。
資金フローも、当然物を民間が建てて、その建てたもので市の行政目的を遂行して貰うということになりますので、イニシャル経費、いわゆるハードの建設経費と、それから10年、20年にわたるサービスの提供経費、これはランニング経費になりますけれども、これを足し算をしまして契約期間で割るということになります。
これでいくと市の財政出動が一度にどかっと来ずに、まるで公債費のように20年、10年をかけて、その業者さんとのグロスの金額を分割払いをするんだというようなシステムになっておるということで、非常に、私が財務室に来る前でしたが、その財政のフローとしては非常にきいてくるいい手法だという具合に当時勉強致しました。
これは当時の勉強の話なんですけれども、そういう関係で、ちょっとゴミはPFIの中でも少し形を変えましたけれども、今後その物によっては民設民営という形のPFIをやっぱり検討していくべきだということで、ここ数年大きな事業がありませんでしたけれども、今後そういうイニシャルとソフトを合わせわざで民設民営に持っていけれるようなものがあれば、やっぱりPFIは十分検討に値するという方法だと思っておりまして、今日のご答弁と致しましては、具体の活用に向けて前向きに検討していきたいということで思っておりますので、ご理解を頂ければありがたいと思います。

【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
実は私もPFIについては、10数年前にこのPFIが日本でイギリスから持ち込まれた時に、刑務所をある地域で作ろうという事業がございまして、そこに携わったことがございます。
なかなかこの仕組みというものが横文字で分かりづらい部分もあるんですけども、さっき小西室長がご説明された通り、非常に財政を鑑みますと有効な手段の一つだというふうに思われます。
従って、ぜひ今後検討頂きたいというふうに思います。
次に、抜本的なこの市税増収策について2点伺います。
この市税については、近年の宮津市の市税約25億円の内訳は、主に固定資産税が約14億円、個人市民税が約7億円、法人市民税が約2億円、たばこ税が約1億円弱となっています。
本年2月29日に観光庁が発表した宿泊旅行統計調査における2015年宿泊施設の客室稼働率は、首位の大阪府が85%、3位の京都府は71%です。
何れも中心部の予約が難しくなり、周辺地域へ宿泊客の流入が顕著となっていて、兵庫県と滋賀県の客室稼働率は前年比26%アップして各々59%と61%となっています。
「選択と集中」の観点から観光業に注力する宮津市においては、宿泊施設のお風呂の入湯税が41百万円に達し、好調となっていますが、その他にも宿泊者増加に向けた取り組みは如何でしょうか。

【松崎正樹 観光まちづくり推進室長】
入湯税の増加策にかかわって、観光業のほうの宿泊の増の取り組みについてということでご質問を頂きました。
まず、現在の宿泊の宮津市の状況でございますけども、平成27年の宿泊客数は、京都縦貫自動車道の全線開通や、また海の京都博の開催等の取り組み効果もありまして、宿泊数は594千人と対前年に対しまして4.4%増ということでございます。
議員がお触れになった大阪とか兵庫のほうとの増加とはちょっと違いますけども、一応増加をしたということでございます。
これに伴って27年度の入湯税も少し増加する見込みであるというふうに思っております。
本市のほうでは、こうした好循環の流れを大事にして、議員お触れのとおり、更に宿泊客数を増やしまして、入湯税の増加、それから事業者等の売り上げ増を通じまして各種の税収アップに繋げていく必要があるというふうに思っております。
こうした中では、今後の宿泊増の取り組みとしまして、今、着地型旅行商品なんかを造成しておりますけども、これをしっかり宿泊プランつきの商品としてしっかり売っていくようなこと、あるいは今年度の夏も実施されますけども、47日間ロングランでやられます天橋立砂浜ライトアップなどのこういった夜の賑わいの創出の充実、こういうのを図ってしっかり宿泊に繋げていきたいというふうに考えております。
それからまた、課題と思っておりますのは、やはり平日の宿泊増が、これが課題だと思っておりまして、これに関しましては12月に議員からも一般質問で頂きましたけれども、インバウンドの推進、これに係る各取り組みをやっていく必要があると思っておりますし、また入湯税ということでいけば、宿泊される方は夜とか入られるわけですけど、お昼のほうの、例えば入浴とちょっとお食事クーポンをセットにするような商品とか、こういったことも取り組んでいかなければならないというふうに思っております。

【星野和彦 議員】
ありがとうございます。市税増加策として2点目の質問をさせて頂きます。
地方税法で定められている税目とは別に、自治体が独自に条例を定めて課する法定外税があります。
税金の使い道を特定しない法定外普通税と、特定する法定外目的税があり、昨年4月1日時点で前者を19自治体、後者を36自治体が実施しています。
主な事例を各々挙げますと、法定外普通税として、静岡県熱海市の別荘等所有税では、延べ床面積1㎡当たりにつき650円の割合で課税し、約6億円の税収を確保して、ごみ処理、し尿処理、上下水道、消防はしご車、救急車の整備に使用しています。
法定外目的税としては、東京都の宿泊税で宿泊料金10千円~15千円で100円、15千円以上が200円で課税し、10億円以上の税収を確保して観光振興に要する施策に使用しています。
この宿泊税に関しては、宿泊料金が10千円以上を課税対象としていますが、宮津市でもし検討する場合、旅館組合との綿密な意思疎通が前提で、例えば風呂場の改修費用の補助金制度や京都と大阪との高速バス増便による平日の宿泊者増加に向けた活用方法等の幅広い議論がなされてもよいのではないかと思料します。
今後の宮津市の法定外目的税に関する前広な検討方針があれば御回答願います。

【小西肇 財務室長】
この法定外の税ということです。
今、議員のほうからも少し触れられました税の原則というのがやっぱりありまして、法律あるいは条例といったことで適正な課税をしまして確実に徴収をしていくというのが税の課税と徴収の原則だと思っております。
そういう上で、今、議員のほうから、法定外の目的税というものについての市の見解ということでした。
多分これ議員ももうご承知かとは思うんですが、地方税法のほうにその旨の規定がありまして、少し紹介を致しますと、地方税法の731条、こちらのほうに法定外目的税というのを市町村、あるいは道府県ですか、いわゆる地方公共団体のほうは法定外目的税を課することができるということになっております。
ただ、議員も触れられた、課しました目的税というのを条例で定める特定の費用に充てなければならないと。
従って、目的税ということになります。
その目的税について、例えば今日この議会で丸々税提案をして議決を頂いてもダメだということで、ハードルがありまして、733条のほうで総務大臣の同意というのが要ります。
市町村のほうで法定外目的税というものを新しく設ける場合は、総務大臣に協議をして同意を得た上で、なおかつ条例制定ということになろうかと思っております。
その同意の基準なんですが、一つは、国税、あるいは他の、今、議員の触れられた例えば個人市民税ですとか、入湯税ですとか、他の地方税と課税標準を同じくする。
例えば、私の所得に対して今私、市民税の所得割を払っておりますけれども、私の所得についてまた違う税を取るといったようなことについて、住民の負担が著しく重たくなるというものについてはだめですよということになっております。
それから地方団体間、近隣の市町村も含めて地方団体間の流通、物流ですとか、そういったものに障害を与えるような、どっちかというと関税のような感じがするんですけども、そういったもの、ダメだということになっております。
それから3点目が、国の経済施策、これに照らして相反するような税は取れませんよということで、この3点ほどのハードルをクリアをして、総務大臣に協議をして同意が得られればいけるという規定になっております。
こういう規定を勘案致しまして、恐らく議員さんもこんなことは思ってないと思いますが、現在の経済状況ですとか、税法の規定に基づいて、先ずは市民の方に新たな課税をするというのは、まず困難だという具合に思っておりまして、今、議員のほうから提案がありました例えば観光客さんあたりに、その種のこういう事業に使いたいので法定外目的税というのを取っていこうというのが妥当だと判断されれば、法律的には取れるということになります。
今、議員のほうから何点か紹介を頂きました。
私もこのご質問を頂きまして何点か調べますと、今、議員のほうから別荘税とかいろいろ触れられたんですが、多分議員も見られた多くは、核燃料税とか産業廃棄物税とかちょっと迷惑税的なところも多いんかないう気もしまして、この観光のまちづくりの面で、きっちり税を頂いて、なおかつ観光客へのサービスが上がるというようなものが、そのロジックが立てれば、また検討していく材料になるんだろうなということで、これちょっと前向きな答弁できませんが、慎重に検討していく税ではあるという具合に思っております。

【星野和彦 議員】
なかなかこの問題というのはちょっと悲喜こもごもなところがあって、慎重にちょっと、さはさりなん可能性があるのであれば、こういうことも議論していくことから、市民の皆さんと、そこから始まることがあるかと思いますので、ぜひ慎重な検討をお願いしたいというふうに思います。
次に、ふるさと納税について、4点御質問させて頂きます。
このふるさと納税が導入された経緯は三位一体改革による地方交付税の削減等で都市と地方の税収格差が広がったことから、平成21年度に始まり、導入から6年経過しました。
今や、ふるさと納税は寄附者に対する特産品のカタログ販売競争の様相を呈し、数億円の寄附を集める自治体もあれば、ふるさと納税により本来入ってくる税収が赤字になった自治体や、豪華な特典ゆえに自治体や特産品を提供する業者が赤字になる例も出てきました。
宮津市でも一昨年、10百万円以上の寄附をしてくれた人に750万円相当の宅地をプレゼントする高価な特産品が問題にもなりました。
これは特にインターネットなんかを引くと必ず日本三景の天橋立の宮津市というふうに出てくるのでちょっと困っておるところもあります。
しかし、このふるさと納税には本来3つの意義があり、使い方を誤らなければ自治体にとって大きなメリットがあります。
第1に納税者が寄附先を選択する制度であり、選択するからこそ、その使われ方を考えるきっかけとなる制度で、税に対する意識が高まり納税の大切さを捉える貴重な機会になります。
第2に、生まれ故郷はもちろん、お世話になった地域に、これから応援したい地域へも力になれる制度で、人を育て、自然を守り、地方の環境を育む支援になります。
第3に、自治体が国民に取り組みをアピールすることで自治体間の競争が進み、選んでいただくにふさわしい地域のあり方を考えるきっかけへとつながることです。
この3つの意義をベースにふるさと納税について、ご質問します。
まず1点目です。
現時点の取り組み状況、マーケティング、今後の見通しについて、お尋ねします。

【河嶋学 総務室長】
ふるさと納税に関しての御質問ですので、私のほうからご答弁をさせて頂ききます。
平成27年度、現時点の取引状況ということでございますが、27年度の実績としましては、昨年の10月からプロモーション事業者へ委託を致しております。
また、ふるさと産品の強化を行っております。
そういったこともありまして、今年度の見込みといたしましては約18百万円ぐらい頂けるんかなと。
目標は20百万円でした。
若干届いていかないということですけども、18百万円ほどの寄附が見込まれております。
ただ、この18百万円入ってきますけども、産品で出ていくことになります。
1万円で約3千円程度の産品をお返ししておるということもありますので、それを除きますと約9百万円ぐらいの純益になるのかなというふうには思っております。
それと寄附者は増加しておりますけども、大半は本市に縁のないといいますか、ふるさと産品の魅力によるものでございまして、今後こうした層が拡大の主力になるんではないかなというふうに思ってございます。新年度、28年度におきましては、今、予算審議をお願いするということになりますけども、産品を強化を致しまして、寄附の目標額を30百万円ということで、今掲げておるところでございます。
今後の見通しということで、そのふるさと産品、強化したいというふうに思っております。
例えば品数ですけども、27年度では30品目ですけども、28年度には61ぐらいに増やしたいなと、今のところ募集をしまして整理をした数字ですけども、今のところ60ぐらいに増やしたいなというふうに思っておりますし、また、産品の今1万円で3千円相当ですけども、そして、2万円ですとその3千円の2品、で3品、4品というようなことにしておりますけども、例えば3万円でしたら1万円程度、また5万円でしたら17千円程度、そういった産品を準備したいなというふうに思っております。
例えば宿泊クーポンやなんかも今検討しておるところの予定で上がっておるところでございます。

【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
2点目のご質問をします。
寄附額が上位にある自治体の分析について、お伺いします。
昨年末時点のふるさと納税上位10自治体は、1位の長崎県平戸市で1,020百万円、2位の佐賀県玄海町で874百万円、3位の北海道上士幌町で829百万円、以下、宮崎県綾町710百万円、島根県浜田市542百万円、山形県天童市420百万円、鳥取県米子市413百万円、鳥取県境港市364百万円、宮崎県都城市が359百万円、10位の佐賀県小城市が356百万円の順となっています。
上位10自治体にほぼ共通しているのは、ネットを活用し、海産物を中心に肉を加えた商品レパートリーが豊富であることだと思います。
こうやって見ると宮津市も条件は同じ条件で、今、品目を増やされるというふうにお伺いしましたですけども、30百万円どころか3億円ぐらい本気になればできるんじゃないかというふうに思うところでございますが、この宮津市のふるさと納税をアップさせる上で、寄附額上位自治体に関して分析されていることがあれば、ご回答ください。

【河嶋学 総務室長】
上位の自治体、今おっしゃったとおりでございますが、これらの自治体は、宮津市も昨年10月から委託をしておりますけども、そのプロモーション事業者との連携によるというものでございます。
そして、産品が非常に多彩であるということでございまして、そういったこともありますし、またそのほかにも、経費をかけてPRをされておるというふうに伺っております。
また、マスコミに繰り返し取り上げられるというようなことも効果も大きいというふうに見てございまして、そういったことで宮津市におきましても参考とさせて頂いて真剣に取り組んでいく必要があるんだろうなというふうに思っております。
ただ、産品がいいものがあるかどうかということだというふうに思っております。
むやみに数を増やすだけというんではなしに、人の気を引くようなものを検討してラインナップを上げていく必要があるんだろうなというふうに思っております。

【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
3点目です。
3点目として宮津出身者の納税拡大策として顧客獲得の観点から、リピーターの発掘と維持が競争原理の基本で、これから苦戦が予想される宮津市の財政状況を把握頂き、粘り強く支援頂ける宮津出身者のふるさと納税拡大策が、今後重要になってくると思料されます。
従来の文化事業といった資金使途から、宮津小学校の校舎改築等、目的の細分化、年次ごとの同窓会キーマンの把握等、具体的な戦術があれば、ご回答願います。

【河嶋学 総務室長】
この件につきましては、今まで一般質問で星野議員から再三ご質問受けておるところでございます。
宮津市出身者ということで、例えば夏の帰省者、帰省して来られる方が同窓会をされるというようなこともありますので、そういったところで呼びかけはさせてもらったりしております。
ただ、そういった方からの返りといいますか、それについては今のところちょっと具体、目に見えた結果がちょっと出ていないのかなというようにちょっと分析をしておるところでございますが、引き続き、具体の策というのは今までの策で続けていくということで今思っておるところでございます。
ただ、先程も申し上げましたように、増加の主力といいますのは東京都です、一番多いのは東京です。
2番目が京都というようなところで今、数字が出ておりますけども、そういった縁のない方についてもホームページやなんかでどんどんこちらのほうから出していって、引きつけることが大切ではないかなというふうに思っております。

【星野和彦 議員】
考え方というのはあるんですけども、成果が上がらないというのはやっぱりやり方に問題があるということが言えるかと思います。
これが2年同じことであればまだ変化のあれがあるんですけども、3年同じ状況ですと、だったらやり方を変えるのが普通かと思うんですけども、粘り強くもっと発信して、フェイスブックを始めたとかというんであれば、そういうところでも発信したり、それから日頃の色んな年代ごとの同窓会なんかがやられてますので、そういう所へどんどん入り込んでいくということも大切じゃないかというふうに思います。
4点目の質問をさせて頂きます。
本年4月からスタートが予定されている企業版ふるさと納税の見込みと対策についてです。
本年2月10日付の日本経済新聞の記事によると、本年4月から企業版ふるさと納税の規定を盛り込んだ地方税法の改正案が2月9日に国会へ提出されたと報じています。
現行制度では寄附金額に法人税率の約30%、イコールこの約3割を控除することになっていますが、それにプラス3割が加わることで、寄附金額の約6割が控除されるということです。
実際に導入されるかはまだわかりませんが、導入されれば企業の節税対策としては非常に魅力的なものになりますが、企業版ふるさと納税に関する宮津市の対策が決まっていれば、ご回答ください。

【河嶋学 総務室長】
企業版ふるさと納税につきましては、全国的にもう注目をされておる制度でございます。
この制度につきましては、現在その根拠となります地方税法等の改正が今国会で審議をされておるところでございまして、自治体は国の認定を受けますまち・ひと・しごと創生寄附活用事業、この寄附活用事業に国の認定を受けた上で、その事業に対して企業が寄附をするということになります。
その事業に寄附があった場合に今おっしゃったように6割程度が税控除される仕組みということでございまして、ただ、留意点としましては地元企業ですとか、寄附の企業に便益等があってはならないというようなことを聞いてございます。
尚、詳細につきましては、その法改正後の国の通知において明らかになるものでございますので、本市の総合戦略の内、企業にとって魅力的だと思ってもらえる事業、そういった事業を寄附対象として、国の認定などの調整を経て、今のところでは夏ごろのスタートになるのかなというふうに思っておりますけども、国の動向を注視したいというふうに思っております。

【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
この企業版ふるさと納税については今後の動向でっていうことになるかと思うんですけども、次にちょっとご質問したい行政財産の有効活用法、これにもこの企業版ふるさと納税というのが効果を出すことにつながる可能性もあります。
この宮津市の行政財産には主に宮津市民球場、市民体育館等の運動施設、浜町、文珠、宮津駅の駐車場、丹鉄の各駅舎、城東タウンや京都縦貫道の宮津天橋立インターチェンジ前の集合住宅、みやづ歴史の館、宮津会館等の文化施設があります。
これらの行政財産におけるネーミングライツ、日本語に訳すと施設命名権、及び電光掲示板や看板の設置等による広告収入増加策と、その相乗効果について、宮津市の検討状況を伺います。

【小西肇 財務室長】
ネーミングライツなり、行政財産の有効活用ということでの御質問です。
まず一つは、どちらも行政財産の有効活用と、普通財産も入ってくるとは思うんですが、いずれにしても市の保有財産の有効活用ということで、議員からは今触れられた、前回もこのネーミングライツの導入ということで提案も受けました。
その当時も、今議員おっしゃった企業のニーズなんかも動向に注意をしながら積極的に取り組んでいきたいというようなことを申し上げております。
今回も、これ今からの議案審議になりますが、公共施設の壁面利用ということで、行政財産の使用料条例、この一部改正を提案もさせてもらっております。
当然、我々としては議決をいただきたいと思っておるんですが、特にこういう受け皿が整備できますと、これ議員も触れられた電子掲示板、これにつきまして、交通情報あたりをタイムリーにドライバーに流せるというような効果もあるということから、市の行政情報、観光情報の発信手段として非常に有効だというぐあいに思っております。
あれ以来、企業のニーズなんかも、また議員もいろいろ教えてももらったりして動き始めております。
今回、この条例の一部改正をしていただきまして、今度は市のほうからあいておるスペースを掘り出しまして、それをネットあたりでPRしていくということが可能になりますので、今までは、あちらから掲げさせてほしいという待ちの姿勢でしたけども、要らない壁面を私のほうでピックアップしてそれを流していって反応をいただくというようなことが可能になってくるということから、この条例改正、是非ともお願いをいたしまして、2つ合わせわざでやっていきたいという具合に思っております。

【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
なかなか、税収を増やそうというのは難しい問題でございまして、最後にというかあと一つあるんですけども、その他税外収入策について、お尋ねをします。
近年、「起業」ですね、起こす業種、を目指す人々や社会活動の担い手になる活動資金の獲得を目的とした資金を確保する新たな手法として、クラウドファンディングが注目を集めています。
殊に、産業振興を中心とした地域活性化の為の活動資金の調達手法として、地方自治体での利用が拡大しています。
今日は横文字がたくさん出てくるんですけども、このクラウドファンディングとは、群衆を意味するクラウドと、資金調達を意味するファンディングからできた造語でございます。
これがインターネットを利用して、事業に賛同した不特定多数の人から小口のお金を集めることが特徴となります。
平成25年11月から始まった神奈川県鎌倉市は、観光スポットの案内掲示板を新設する際、クラウドファンディングを活用しています。
当初、市内8カ所10基分の案内掲示板の設置費用1百万円に対し、寄附者の名前を新設する観光案内板に刻むことを条件に1口1万円として寄附を募り、100人の寄附者を22日間で集めました。
自治体のクラウドファンディング方式の問題点としては、目標金額が大きいものは達成に時間がかかり、目標に達しない可能性も大きくなることから、各自治会のクラウドファンディングの平均調達額は、現在約80万円となっております。
宮津市においても、今後検討されるものがあれば、お答えください。

【小西肇 財務室長】
今の質問は、先ほどの行政財産の目的外使用とか先ほどありました企業版のふるさと納税、この関係でもちょっと調べておるとやっぱりこの言葉は出てきまして、今議員が言われたように、ある一つの事業についてネットを活用して資金を調達するということで新たな業を起こしたい方が不特定多数の方からそれに賛同するお金をいただくという新しい手法だというようなのがどうもはやりのようでして、ただ、今議員が言われた、一定の期間を区切ってその資金を募るということになるものだということで、余りロングスパンのその期間設定はなじまないんじゃないかと。
いわゆる業をすぐにでも起こしたい方がやる手法だということで、特に期間中のその資金が目標額に達しないという場合は、その業を起こす方は事業を中止して、賛同した方におわびを申し上げるというようなことのようでございます。
こうした中で今議員触れられたとおり、平成23年に自治法の施行令のほうも改正をされまして、地方公共団体のほうでもこれができるということになりました。
いわゆる第3者による指定代理納付というのが可能になったというところで、各地方公共団体のほうで少額のものについて利用が進んでいるというぐあいに私も認識を致しております。
今、ちょっときょうまでが大きなハード事業できていましたので、ちょっと申し訳ないんですけれども、地方公共団体のほうでこの方法を使うといった場合に、先程の企業版のふるさと納税とも若干かぶるとは思うんですが、今までのふるさと納税は広く今の市のほうであれば教育とか、福祉とか、環境とかそういう大きなジャンルに対してふるさと納税をいただいて、今、基金積みをしておるということなんですが、このクラウドファンディングの場合は、より具体の事業を示すというのが1点必要だということと、その意味でいくと、何か企業版ふるさと納税とよく似ているなというところもあろうかと思います。
それから、その上で資金を募るんですが、ふるさと納税は今議員も触れられたお願いをしますというのができるんですが、やっぱり強制はできないものでございますし、このファンディングのほうもその辺がちょっとハードルだなという具合に思っております。
そういう意味で、小口のものについては今後も検討していかんなんという具合に思うんですが、特に大口の場合ですとか、それから今日ここまで議論を進めてきたような事業についてはやはりちょっと難しいところがあるなという具合に思っております。
ちょっと我々躊躇をしておるのが、仮に宮津市がこの方法を取り入れて、ある事業にその資金を募るといった時に、その予定の資金に行かなかったという場合にどうするかといったところが、やっぱり公共団体が資金を募る以上、何か要るなということで資金の調達目標に行かなくても一般財源を補填してその事業をやりこなすということになるのか、その辺もちょっと研究せなあかんなという具合に思っております。
それと、逆に議員さんのほうから見れば、そういう行為をすると事業を議決というか認める前にそういう動きを市のほうがしておるということになりますので、この辺はちょっと議会と十分協議をしていかなあかんという具合に思っております。
何れにいたしましても、このクラウドファンディングの導入、ふるさと納税の関係もありますので、まずは両方の事業について十分な研究をしてまいりたいと思っております。

【星野和彦 議員】
クラウドファンディングは調達できなかった時に、市が補填するというふうに物の本には書いてございまして、ですから、大口のものなんかは非常な危険を伴います。
従って、この鎌倉市が始めまして、今いろんな市町村がやりますけども、歴史の立て看板なんかを立てますけども、1個あれ10万円とやっぱり鎌倉も同じ10万円だったんですね、これ。
こういうところに名前が入るということになると、みんな、お金を出そうというようなことになるので、そういうところをまず模倣から始められたら如何というふうに思います。
色々と今日も、あーだこうだと申し上げましたですけども、こうやって議論すること、これが私は大切だと思っております。
公民連携で経費削減と増収策を模索する体制づくりについて、お尋ねします。
今後の大型建設事業による財政悪化が懸念される宮津市にとって、公民が連携して経費節減と増収策を模索する体制が必要になってきます。
かつて財政再建に苦戦していた宮津市では、平成22年度に、市民協働3大事業の推進として、市内外から沢山の寄附を集め、150百万円の基金を積み、「天国はまだ遠く」という宮津を舞台にした映画制作、観世親子に来て頂き、「丹後物狂」という世阿弥が作った能を復活したこと、更に大手川に宮津城の城壁風の護岸を整備することができたと、井上市長から伺いました。
横浜市では、平成20年に公民が連携して「共に創る」意味で、共創推進室という専任部署を設けています。
当時としては先駆的な取り組みであったこと、また民間人材、これは特定任期つき職員になりますけども、これを公募したことなどから話題になりました。
これからの難局を乗り切る方策として、公民が連携する組織の組成を検討される可能性があれば、ご回答ください。

【河嶋学 総務室長】
体制づくりということでございますので、私のほうからご答弁させて頂きます。
横浜市の共創推進室、これちょっとネットのほうで調べさせていただきました。
大変ユニークな取り組みが行われております。
ただ、事例を見てみますのに、先ほど事例を紹介していただきましたですけど、宮津市のほうでもその部署、その部署でそういった連携がしているところがあるのかなというふうにも思っております。
例えばKTR、これ市町村が補助して、施設整備に対しては市町村が果たしておりますけども、そのKTRとアニメ映画のPRやなんかで、列車に乗って頂ききましたら戦艦ヤマトのシールが張ってありますけども、ああいったところで連携をされておるとか、またちょっと自動販売機の設置、島崎公園に自動販売機を設置しております、あの自動販売機のその売り上げをまちづくり基金のほうに寄附するというような、民間と市との連携でもっての事例もございます。
そういったことでそれぞれの部署でほかにもあると思いますけども、やっているんではないかなと思っておりまして、先ほどの横浜市は政令市でございますので、本市の組織規模とは全く違うというようなこともあります。
したがいまして、現在のところその専門部署を置くというようなところまでは考えていないということでございます。
それぞれのセクションで、各施策を取り組んでいくということで現在、考えております。

【星野和彦 議員】
政令指定都市とは違いますので、その予算の関係もあって、ここで私は言いたいのは、組織と言っておりますけども、これは日頃の会話、昨日も坂根議員なんかが質問していましたですけども、色んな情報のツールはたくさんあります。
こういうものを通じて発信すること、それから受けること、そこから始まること、これが今後の難局を乗り切る方策ではないかと思いますので、ぜひ組織も必要なところはありますけども、その意思の疎通をますます深めて頂きたいというふうに思います。
そして、最後に質問をさせていただきます。
質問というか、約10年前の宮津市の存亡の危機を、債務上のですね、乗り切るこの財務室長を務められ、今月末定年退職される坂根建設室長と小西財務室長に謹んで敬意をお伝えするとともに、今後起こる得るであろうこの難局を乗り切るアドバイスを頂きたく、お願い申し上げます。

【坂根雅人 建設室長】
現在は建設室長でございます。
お答えを申し上げる立場ではございませんので答弁はできません。
お願いは、私ども本当の今、予算、要は市民の暮らしを安心・安全はもとより、長く地域に住み続けている予算10億円、一般会計、そして水道、下水で30億あります、都合40億、この予算を十分ご審議を頂きまして、議決の程をよろしくお願い致します。

【小西肇 財務室長】
今回、議員からは市税の収入がなかなか伸びてこないんじゃないかということと、あと、大きな公共事業、やっぱり認めていかんなんと、認めていく上で多額の借入金も仕方がないんだろうなというところで、そういう見通しの中で、何とか財源確保を考えていかないとこの先どうなるんだという大きな心配があるということで、逆に私のほうはエールをもらっておると、昨日の德本議員もそうでございました。
そういう議会としてのご心配を頂いてのご質問だったんだなというように思っております。
昨日も德本議員のご質問でもお答えを致しましたが、大きなのはやっぱり大型事業、単年度は国庫と地方債で財源が組めるんですけれども、地方債のやっぱり償還についてジャブできいてきますので、それも10年、15年、20年ときいてきますいう関係で、やっぱりこの新しい市債と公債費、借金返しとのバランス、こういったものが今後の財政運営の大きな課題、乗り越えんなんハードルという具合に思っておりまして、昨日もそのようなことを申し上げました。
簡単に言うと、市債の償還に今後の財政運営がどれだけ耐えれるかという段階まで今来ておるんだという具合に思います。
今回も非常に多額の繰入金を入れての予算提案をさせて頂きました。
私、個人的には少し反省もしておるんですが、そういう状態だというところでございます。
こうしたことから、当然先ほど申し上げました交付税バックの高い地方債を何とか市のほうに、特にごみの関係ですけれども、過疎債をたくさんくれるように府のほうにお願いもしております。
そういったところで一定の努力をするんですけれども、これも議員ご承知の通り、幾ら有利といいましても、過疎債100%発行いたしましても、交付税で返ってくるのは7割です。
それから今回そこの消防の関係でも減災の事業債を入れてますが、これも交付税バックは7割です。
それから、この後別途議案を提案しております辺地につきましても地方債100%浮きますけれども、バックは8割ということになっておりまして、逆に言うと、残り3割ですとか、2割のところは税金等の一般財源で対応ということになりますので、やっぱり私、借金太りはないという具合に思ってまして、この辺が大きな課題だと。
唯一交付税バックが100%のは臨時財政対策債ということで、これは普通交付税で現金をいただくものを借金をして、後で国が全額補填をするということでございますので、100%バックというのは多分これしかないと思っております。
こうした地方財政制度の仕組みの中で、市民の福祉なり教育を守っていくということになります。
議員からは、今回も含めて、財産の有効活用で何とか市税が苦しいんであればというようなご提案を頂いたという具合に思っております。
先程もほんまに、昨日もちょっと御答弁させてもらいましたが、なかなか歳出の計上事業についてこの10年間やらせてもらいまして、切りしろが余りないんじゃないかなと具合に思っておりまして、しからば、今後展開する事業についてその手法をいろいろ検討する中で、必要な事業費を抑制をしていくということから、先程もPFI、これにつきましては本当にいい手法だと思っておりまして、何とかこの事業がこの手法でやれる事業を見出していけれたらいいんじゃないかという具合に思っております。
引き続き、歳出の見直しはやりますけれども、きょう提案頂いた税外収入というところも十分に念頭に置いて、あるいは、その民間活用による事業手法というところも十分頭に置いて財政運営をされたいという具合に思っております。
私、何れに致しましてもこの大型事業の実施によりまして、再びその平成18年のような、あの当時のような状態になってはならないという具合に思っております。
昨日も申し上げました地方財政制度、どう変わっていくわかりませんけれども、住民福祉の向上に寄与する財政運営と、これが我々の使命だという具合に思っております。
今後とも議会におかれましてもまたご理解と御協力をお願いを申し上げて、ご答弁とさせて頂ききます。
どうぞよろしくお願いを致します。

【2016年6月 定例会】
※動画:https://www.youtube.com/watch?v=b6enite4qDw

 

 

 

1.大地震の防災対策と行政財産の耐震補強
2016年4月に発生した熊本地震で、老朽化した公共施設が損壊する事故が複数発生した。大地震発生時の防災対策と行政財産の耐震補強に関する現状・今後の方向性を問う。
2.バイオマス発電の現況と可能性
2016年3月に作成された「地域産業連関表」によると、「再生エネルギー」が今後の宮津市の「選択と集中」する産業の一つと導いている。「バイオマス発電」の現況と可能性について問う。

【星野和彦 議員】
蒼風会の星野和彦です。
通告に従い、一問一答方式で以下2点をご質問いたします。
1点目が大地震の防災対策と行政財産の耐震補強について、2点目がバイオマス発電の現況と可能性についてです。
本題に入る前に、このたびの熊本地震において被災された皆様に謹んでお見舞いを申し上げます。
熊本県とその周辺地域の皆さんの安全と一日も早い復興をお祈り致します。
本題に入ります。
まず、1点目の大地震の防災対策と行政財産の耐震補強についてです。
この丹後地域の大地震に関する歴史を古文書から概略を申し上げますと、白鳳4年、これは西暦675年が最も古く、飛鳥時代1件、平安時代2件、室町時代3件、江戸時代3件、明治・大正・昭和に各1件で、約13百年間で合計13件の大地震が発生しています。
中でも丹後地域に甚大な被害をもたらした大地震は2件で、今から遡ること1,315年前、大宝元年3月26日、これはグレゴリオ暦で701年5月12日に発生した大地震においては大きな津波があったという言い伝えがあり、89年前の昭和2年、西暦1927年3月7日に発生した北丹後地震では、夕食時間と重なったため、現在の京丹後市の網野町、峰山町、野田川町が大火に遭い、2,925人が亡くなり、負傷者7,806人、全壊12,584棟、半壊9,443戸、焼失8,287戸、全焼6,459戸、半焼96戸にも上りました。
北丹後地震では約150km離れた大阪市内でも液状化現象が発生する大地震で、梅田の阪急百貨店の食堂は、この地震による食い逃げが莫大な額に達したため、昭和5年、1930年より日本初の食券制を取り入れたとも言われております。
上述の701年の大宝地震は3日間にわたって大地が揺れたと「続日本紀」に記述があります。
また、「丹後風土記残欠」の記述から、この地震により若狭湾内の凡海郷、東西約2.4km、南北6.4kmが一夜にして山頂を残して没し、これが現在の舞鶴市の沖にある冠島及び沓島であると考えられていました。
しかし、この「丹後風土記残欠」は、江戸時代に作成されたにせ書きであるという可能性も指摘され、60m以上の地殻変動を必要とする冠島の沈降は、地学的にも疑問視されています。
更に「縁城寺年代記」の記述から判断して、丹後国加佐郡の由良川河口付近の神崎村及び由良村などに相当するとされ、また、大浦半島も含めた加佐郡の沿岸部の集落を指していたものと推定される説もあります。
何分、飛鳥時代のため震源地が特定できず、諸説ある地震ですが、各地に大津波の言い伝えがあり、主な痕跡をあえて申し上げます。
宮津市内では3つあります。
まず、波せき地蔵堂です。
これは元伊勢籠神社の奥の院の眞名井神社の参道にあり、ここで標高が約40mあります。
2点目が、栗田半島にある元田井です。
こちらは今は砂浜と鬱蒼とした樹木に覆われていますが、大津波で村が全て流され、現在の田井に移り住んだとも伝わります。
3点目が、新宮から由良ケ岳の南西を抜ける板戸峠です。
こちらは、津波を恐れた男が大騒ぎするため、皆で家の板戸で堤を作り、安心させたため、この地名がついたとも伝わります。
その他、日本海から内陸へ約13km離れ、標高が40m以上ある京丹後市大宮町では、津波の水が引いた後に鯨が横たわっていたと伝わる丹鉄の鯨踏切、それから、現在のセントラーレ・ホテル京丹後の丘の麓で止まったと伝わる干塩稲荷神社、更に、津波で流れてきた木の鳥居が止まった所に新たな鳥居を建てて神社を祭ったと伝わる荒塩神社、最後に、竹野川を津波が遡ったことからこの地名がついたと伝わる塩境といった、こういう痕跡があります。
少々前段が長くなりましたが、「災害は忘れたころにやってくる」と戦前の物理学者で随筆家兼俳人でもあった寺田寅彦が言ったと伝わります。
また、「備えあれば憂いなし」と、古代中国・殷の宰相、傅説の言葉があります。
この故事にのっとり、大地震の防災対策と行政財産の耐震補強について、ご質問致します。
まず、宮津市における大地震発生時の防災対策全般について、簡潔に教えてください。

【森口英一 総務部長】
大地震発生時の宮津市全体の防災対策、これの概要ということでございます。
本市に大地震が発生した場合の防災対策、これ具体に大地震といいましても、震度4以上ということでございますが、この震度4以上の地震がこの地域に発生した場合に、全国瞬時警報システム、いわゆるJ-ALERTシステムというものでございますが、これで緊急地震速報が本市の防災行政無線を通じて伝達をされます。
同時に、みやづ情報メール、緊急速報メール、これらも通じまして、この地域におられる皆さんにお伝えができるということになってございます。
震度4以上の大地震が起こった場合に市の対策ということでございますが、これについては、直ちに市長を本部長といたしまして災害対策本部を設置するということになってございます。
加えて、震度に応じて職員も自動参集するということになってございますけれども、その自動参集した職員が被害状況、これらの情報収集を行うということに加えて、避難所の開設など住民の避難誘導にも当たっていくということになってます。
議員がお触れの大地震ということなんですけれども、地震の程度によって地域の被災の状況も変わってこようかというふうに思っております。
大地震によって大きな被災を受けたということでありましたならば、消防、警察、自衛隊、こういった実動部隊の応援もお願いをせなあかん事態も想定をしております。
加えてライフライン、電気でありますとか電話でありますとか、そういったことの復旧にも当たっていくということになろうかというふうに思っております。
これが大地震が起こった際の全体の概要というようなことでございます。

【星野和彦 議員】
御答弁ありがとうございます。
それでは、津波被害発生時の緊急救援物資集積場所と補充避難所等の各地の対策は如何でしょうか。

【森口英一 総務部長】
これも被災の状況にもよろうかと思っておるんですけれども、いわゆる甚大な被害を受けた際の生活必需品等の緊急救援物資、これの集積場所ということでございますが、まずは被災地、ここの宮津市の状況でありますかと、あるいは道路の寸断の状況、こういったこともいろいろ勘案しながら、その時に決めていかなければならないのかなというふうに思っております。
そして、どこかに集積場所を決めた後に、それこそ避難場所にも物資を届けなければなりません。
その時に最も注意しなければならないのが、今回の地震の報道でもありましたけれども、いわゆるミスマッチ、その避難所で必要としているものと送れるもの、これのミスマッチを起こさないようにするということが肝要だというふうに思っておりますのと、先ほど答弁させてもらいましたけれども、そこへの道路の通行確保、こういったところにも注意をしていかなければならないというふうに思っております。
何れに致しましても、被災の状況によって、臨機応変という言い方が適切かどうか分からないですけれども、状況の判断次第ということになろうかというふうに思っております。

【星野和彦 議員】
わかりました。
では、次の質問をさせてもらいます。
宮津市の行政財産全般に関する耐震補強の概況をお尋ねします。簡潔にお答えください。

【森口英一 総務部長】
済みません、今現在、公共施設マネジメントシステム、これに取り組んでおるということです。
本市の公共施設の建築物は全体で293施設ございます。
延べ床面積にいたしまして145千㎡ということでございます。
この内の約36%、延べ床面積で52千㎡なんですけれども、これが昭和56年以前の旧耐震基準の建物だということでございます。

【星野和彦 議員】
熊本地震では、宇土市、八代市、人吉市、大津町の庁舎が損壊し、使用停止になりました。
中でも築50年の宇土市役所庁舎は、5階建ての4階部分が完全に押し潰されました。
同庁舎は、過去の耐震診断で震度6強程度の地震で大きな被害を受ける可能性が高いという判定を受け、建てかえを検討していたと伺います。
この宮津市庁舎の耐震状況と移転を含めた今後の方針、現時点で発生を想定する大地震の対策、この2点を教えてください。

【森口英一 総務部長】
この庁舎の耐震診断の状況です。
平成25年度に耐震診断を実施いたしました。
その結果なんですが、済みません、その前に本来あるべき耐震の基準です。
構造耐震判定指標というものがありますが、これが0.6ということになってます。
今申しました市のこの庁舎の耐震指標なんですが、そのIS値というものは、本館が0.13、そして別館が0.10ということで、耐震基準を大きく下回っておるということでございます。
しからば今後の方針でありますとか現時点で発生を想定する地震の対策というようなことでございますが、この宮津市の公共施設総合管理計画の施設類型ごとの管理に関する基本的な方針というものを定めておるわけなんですけれども、こういった市役所庁舎等の行政運営上必要不可欠な施設でハード面の課題から建てかえ等が必要な場合には、基本的には複合化を基本に計画的な対応をしていくということにしてございます。
こうした中で、現時点で大災害が発生しまして仮にこの庁舎の機能が果たせないというようなことになった場合には、代替施設でそういった機能を補完していくということにしてございます。
また、これも議員ご承知の通り、今後、平成28年、今年度、来年度に宮津与謝消防組合の宮津分署を建てかえということも考えてございます。
こういったところにも防災拠点施設を構築していくということにしております。
こういった対応で大災害に対しては対応してまいりたいというふうに思っております。

【星野和彦 議員】
熊本地震では、熊本市内の24校の体育館が損壊し、そして事前に耐震工事が完了していた帯山小学校では、避難住民が校舎への移動を余儀なくされました。
宮津市内の各校体育館と校舎、避難所に指定されている施設の耐震状況は如何でしょうか。

【森口英一 総務部長】
今現在、市内の小・中学校9校の校舎、体育館31棟あります。
この内の28棟が耐震化済みということでございます。
率にいたしまして90%ということでございます。
今、小学校の校舎の建て替えというものも進めておりますが、これが完了しましたら100%ということになります。
その他、避難所ということでございました。
小・中学校を除く避難所も17ほどございます。
その内の1つを除いて耐震基準を満たしておるということでございます。

【星野和彦 議員】
了解しました。
大きな地震が来ても体制のほうは整っているんだということで安心を致しました。
結語とさせて頂きますけども、冒頭に述べた戦前の物理学者、寺田寅彦は、関東大震災に際して友人に宛てた手紙の中で、以下の通り記しています。
「調査の必要から昔の徳川時代の大震火災の記録を調べているが、今度我々がなめたのと同じような経験を昔の人がとうになめ尽くしている。これを忘却してしまって勝手な真似をしていたために、こんなことになったと思う。」
これは江戸時代のほうが町火消しの体制等機能し、自然を畏怖していたことを言っています。
この言葉を私はかみしめたいと思います。
そして、前回の一般質問でも触れましたが、宮津小学校の校舎改築等、今後大規模な行政財産の更新を控える宮津市にとって、財政事情の悪化が懸念されます。
官民が協働する手法と資金調達の手段を真摯に模索しながら、自からの生命と財産を守る行政であり、市民であることを祈念致します。
最後に、熊本県等における地震災害に対する義援金設置箱は、市役所等全13カ所に設置され、宮津市の募金額は現在539,689円です。
市民の皆さんに一層の御支援と御協力を頂くことを願って、1問目の一般質問を終わらせて頂きます。

続きまして、2問目の質問に入ります。
バイオマス発電の現況と可能性についてお伺いします。
まず、本年3月に宮津市の地域産業連関表が作成されました。
この地域産業連関表とは、ある地域における1年間の各産業部門間の取引を一覧表にして地域の経済構造を読み取る統計表で、経済活性化につながる施策決定に活用されます。
産業連関表の歴史は、今から80年前の1936年に米国の経済学者ワシリー・レオンチェフが初めて作成し、その後、各国が採用しています。
日本でも1951年に採用され、現在、総務省が各省庁と共同して5年ごとに作成しています。
地域の産業連関表については都道府県と政令指定都市で作成され、市町村では北海道旭川市、釧路市、隣の舞鶴市が作成しています。
市民の皆さんには余り聞きなれないとは思いますが、産業連関表を使用した分析例としては、例えばある年商10億円のお寿司屋さんが米、魚、酢等の原材料を5億円で購入したとすると、このお寿司屋さんが新たに作り出した付加価値は5億円となります。
更に、売上高の内、町の人が直接買っていく分が6億円、近くにあるスーパーに卸してる分が4億円とすると、スーパーにとってはその4億円が原材料となります。
このように、他の産業に生産が波及していく経済効果を産業連関表と呼ばれる統計表によって分析する手法が産業連関分析で、市内各産業部門の自給率や他の産業部門に与える影響力を把握し、様々な事業の経済波及効果や投資効果等を測定することができます。
尚、GDP、グロス・ドメスティック・プロダクト、国内総生産は、一国に存在する全企業の付加価値を合計したもので、この産業連関表のうちの一部という捉え方ができます。
今般、宮津市で初めて作成された地域産業連関表の2014年度のデータから判断すると、宮津市が「選択と集中する産業」は概して宿泊業、2点目が漁業、水産業、3点目が娯楽サービス業、4点目が再生エネルギーであると位置づけています。
地域産業連関表作成に至る経緯と概況をまず簡潔に教えてください。

【安東直紀 理事兼企画部長】
ただいま宮津市地域産業連関表の作成に至る経緯と概況を簡潔に教えてくださいということですので、お答えいたします。
平成27年度に地方版総合戦略、宮津市まち・ひと・しごと創生総合戦略の策定に当たり、地域の経済力及び地域内外との経済的な関係性を分析するため、市内751の事業所を選定いたしまして中間投入や生産物の地域別販路等についてアンケート調査を実施し、235の事業所から得た回答をもとに宮津市地域産業連関表を作成いたしました。
宮津市地域産業連関表から見る平成26年1年間の宮津市の総需要、市内企業が販売した最終的に消費される財、サービスの総額ですけども、これが1,528億円。その特徴といたしまして、市外に販売し、外貨を稼いでいる額、これが370億円ございましたが、これよりも市外から生産物を購入している金額560億円のほうが190億円多くなっており、資金が市外へ流出超過となっている状況であったことがわかりました。
地域の基盤産業について、市外からの資金獲得の大きさ、所得の創出という2つの視点で分析いたしますと、先ほど議員が触れられましたとおり、宿泊業、漁業・水産業、娯楽サービス業が市外資金の獲得に貢献している産業でありました。
また、農林水産業全般につきましても、飲食サービス業や宿泊業での市内調達化の推進や6次産業化を積極的に進めていくことにより、市内の基盤産業になり得ることが確認できました。
このことは、これまで本市が取り組んできた自立循環型経済社会構造への転換戦略の有効性が改めて示されたものと考えており、今後もより一層強力に推し進めていかなければならないと考えております。

【星野和彦 議員】
この宮津市の地域産業連関表が導く選択と集中する産業の一つとして再生エネルギーを上げていますが、宮津市のバイオマス発電に関する取り組みを調べてみました。
時系列で概略を申し上げます。
1999年度に地球温暖化対策地域協議会と位置づけられるパートナーシップ組織、宮津市エコネットワークを設立、2000年度に宮津市地球温暖化防止計画及び地域省エネルギービジョンを策定、2003年度には、2002年度比で2008年度までに温室効果ガス排出量を25%削減する目標を掲げ、初年度で一気に22.6%削減しました。
これはごみの量に合わせた清掃工場の稼働、ごみの量自体の削減、浄水施設における比較的電力消費量が少ない施設の優先使用等、大きな設備投資ではなく運用改善によって実現したもので、経費節減にも繋がりました。
その後、2004年から2005年度には宮津市エコネットワークとの連携で由良小学校の子供たちが森林保全活動を行い、搬出木材をペレット化して教室の暖房を使うなど、実践的な環境教育プログラムを実施し、2006年に環境大臣の表彰を受けました。
そして、2010年3月に宮津市バイオマスタウン構想が提出され、2011年に自立循環型経済社会推進室が設立されましたが、本年4月の組織改編で部署がなくなりました。
この宮津市バイオマスタウン構想は既に6年経過していますが、その概要と現況をお尋ねします。

【安東直紀 理事兼企画部長】
宮津市バイオマスタウン構想は、地域に賦存するバイオマスを有効に活用し、自立循環型経済社会の構築と低炭素型のまちづくりを進めていくための指針として策定したもので、市内に賦存し利活用の可能性のある廃棄物系バイオマス、未利用バイオマス、具体的には木質、竹、廃食用油、生ごみ・食品廃棄物、し尿、浄化槽汚泥、海洋資源の7つを対象に、その利活用方法を取りまとめたものであります。
本市の構想に基づく現在の取り組み状況といたしまして、主な3項目について御説明いたします。
1つ目は、竹資源等木質バイオマス事業です。計画以降、木質については、市内公共施設で木質ペレットストーブを順次導入し、実証と普及啓発を行ってまいりました。
また、竹資源については、里波見の竹資源管理センターを拠点に、民間企業等と連携し、カスケード利用する事業を進めているところです。
2つ目の廃食用油の利活用については、京都府地球温暖化防止センター等の支援を受け、現在、市役所、地区連絡所での回収が定着し、年間800リットルを回収し、与謝野町のNPO法人によりバイオディーゼル燃料に精製されリサイクルされております。
3つ目の海のバイオマスについては、阿蘇海で堆積しているカキ殻を市内の農業法人が土壌改良剤として使用されているほか、京都府立海洋高等学校でヒトデを堆肥にする取り組みが実践されるなど、マテリアル利用が行われています。
いずれにしましても、本構想は計画期間を終えておりますが、市内に賦存する地域資源であるバイオマスを有効活用していく方向性に変わりはなく、現在も継続した取り組みを行っております。

【星野和彦 議員】
今、最初に御指摘された木質バイオマスの原材料というのは、地元で100%ですか。

【安東直紀 理事兼企画部長】
先ほどの答弁で御紹介いたしました公共施設に導入した木質ペレットストーブについてでございますが、このストーブで使用する木質ペレット、燃料でございます。
こちらについては、市内でこれを製造する業者はございませんで、京丹波町の事業者から購入しているという状況でございます。

【星野和彦 議員】
了解しました。
次の質問をします。
地球温暖化の防止に向けた、この市民、事業者、行政の行動指針として、2013年3月に第2期宮津市地球温暖化防止計画、みやづ環の地域づくり行動計画が策定されました。
宮津らしさを生かし、できるだけ化石資源に頼らない魅力的なまちづくりを目指し、2032年に低酸素型で心の豊かさを実感できるまち、住んでよしのまち宮津を実現することを目標としています。
そして、4つの視点、これは「省く」、これは省エネですね、「回す」、これは循環になります、「創る」、創エネ、創業にエネルギーですね、ともに生きる自然との共生、この4点から取り組みを推進しています。
その目標を実現するために、2013年8月に、市民、事業者、関係団体の皆さんがボランティアで構成する市民団体、みやづ環の地域づくり推進ネットワークが設立されました。
現在、個人23名と組織、事業者16団体が所属しており、全39会員は3つの部会、環境学習・環境情報発信部会、循環型エネルギー社会研究部会、Eライフスタイル推進部会に分かれて活動しています。
この本年3月に発行された「みやづわ通信」に掲載されている循環型エネルギー社会研究部会において、小水力と木質バイオマス発電の調査研究の状況に触れていますが、その現況と今後の方針をお尋ねします。

【安東直紀 理事兼企画部長】
先ほどの答弁の中で、木質ペレットの燃料の原材料をどこから調達しているかという御質問に対して、京丹波町というふうに申し上げましたが、それに加えまして、京都市内の事業者からも調達しているということでしたので、つけ加えさせていただきます。
続きまして、先ほどの現況と今後の方針ということについてお答えさせていただきます。
議員お触れのとおり、みやづ環の地域づくり推進ネットワークでは3つの部会に分かれて取り組みが進められております。
このうち循環型エネルギー社会研究部会において、太陽光や小水力、まきなど、循環型エネルギーの導入に向けた取り組みが進められています。
平成27年度は小水力での発電の可能性、及びエネルギー資源としての木質バイオマスの有効活用の可能性について、施設規模、維持管理手法、流通ルート等について調査研究が行われました。
こうした太陽光以外の循環型エネルギーの導入については、発電規模や採算性など多くの課題もありますが、こうした市民レベルでの活動が盛り上がり、それぞれの地域特性に応じたエネルギーの創出やエネルギーの地域内循環につながっていくことが重要なことだと考えております。
今後もこうしたエネルギーの地産地消に係る取り組みについて積極的に応援してまいりたいと考えております。

【星野和彦 議員】
是非ともこの地産地消の事業を推進して頂きたいというふうに思います。
先日ですけども、私は国内で木質バイオマス活用の最先端を行く岡山県真庭市の日帰り見学ツアーに参加しました。
真庭市は岡山県北西部に位置し、JR岡山駅から自動車道で約80km北上します。
宮津からは舞鶴自動車道と中国自動車道で約200kmのところにあり、人口約46千人、面積829㎢で、宮津市の約5倍あります。
暖簾が揺れる城下町として町並み保存地区で有名な勝山町と5町4村が2005年に合併し市制施行となり、森林地帯が約8割を占める、林業、木材産業の盛んな地域です。
真庭市が木質バイオマスタウンとして一躍注目を集めるきっかけとなったのは、主力の林業、木材産業の衰退化を危惧した地元の若手経営者や各方面のリーダーが民間主導で集まり、1993年に21世紀の真庭塾を立ち上げたことから始まります。
その後、徐々に各分野の専門家を招聘し、2002年にNPO法人格を取得、昨年4月に地元の集成木材最大手の企業が筆頭株主となり、真庭市木材事業協同組合、森林組合等9団体で真庭バイオマス発電株式会社を設立、稼働しました。
その概要は、資本金250百万円、総事業費用41億円、うち林野庁の補助金が14億円、年間に330日24時間稼働で、雇用は15名です。
発電電力は木質バイオマスで国内最大級となる1万kw、これは10メガワットになります。
これを誇り、一般家庭の約22千世帯を賄うことができます。
事業初年度の本年3月期決算における売上高は約21億円と見込まれています。
同事業の成功の秘訣は、再生エネルギーの固定価格買い取り制度を利用していることと、廉価な海外の木材を多数輸入して製造原価を抑制していること、そして何より民間企業が主体になって経営していることです。
真庭市にかかわらず全国の他の市町村や企業の取り組みでの成功事例を勘案し、今後の宮津市のバイオマス発電に対する取り組み方針をお尋ねします。

【松崎正樹 産業経済部長】
議員のほうからは、企業等が行うバイオマス発電、また、産業と連携したバイオマス発電事業ということで、私のほうからお答えをさせていただきます。
このバイオマス発電につきましては、太陽光や風力、小水力、バイオマスといった再生可能エネルギーを用いた発電の中で、天候や環境に左右されず、原料が確保できれば24時間安定した電力を生み出すことができる、そういった可能な発電であるというふうに考えております。
また、安定した材を供給する体制が整い、川下のエネルギー製造部分が整えば、雇用を生む新たな産業興しにつながる分野でもあると考えております。
現在成功している、議員もお触れになりましたけれども、そうした先進的な事例では、既存産業として林業が活発に行われている地区で、豊富な原料を安価に入手できる環境であったり、発電所周辺で居住街区がある程度集積していたり、農業などで熱源として利用も可能であることなど、各地区でそれぞれ固有の要因を備えている点があると考えております。
こうした中で、本市におきましては、充実した送電線の敷設状況、さらには燃料輸送において舞鶴港が比較的近いことなどの優位性があると考えているところでございます。
一方、現在の技術では一定以上の発電規模がないと採算が合わないというようなことがありまして、原料も広範囲から集める必要があるといったことから、全国では事業継続が厳しい事例も見受けられるところであります。
また、この発電事業の整備には燃料の確保、それから資金調達、立地に向けた各種法令等の規制や必要な手続が求められるなど、専門的な知識が必要となります。
以上を勘案しますと、ノウハウや技術力、経営力等を兼ね備えた民間事業者において、このバイオマス発電事業を進めていくことが望ましいと考えておりまして、エネルギーの地産地消を目指して、そういった民間事業者を積極的に誘致してまいりたいというふうに考えております。

【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
民間企業が中心でという、その方針だということだと思うんですけども、これは原材料を考えて、株式会社で運営していく上で、今、国内の全般に工場というのはどんどん海外に出て行っておりますね。
これは、大きなところでは人件費が高騰したこと、アジアの地域でも中国も今、人件費が上がって、それがどんどん南のほうに、ベトナムでありインドであり、そちらに生産設備というのがシフトしています。
じゃあ何故こういうことが起こるか、人件費だけかというと、そうじゃないんですね。
ですから、真庭市で見てて、この人達ってやっぱり鋭いなって思ったことがあります。
それは、原材料、自分とこの確かに木が8割、森林が8割のまちです。
でも森林8割の全部使っても、原材料でっていうと、なかなか利益が出せないんですね。
従って、相当な量です。
これ何割までとはちょっと申し上げられませんけれども、かなりの量で海外から木材を輸入しています。
これで、じゃあ地元の産業に貢献してないかというと、またこれは違うんですね。
やっぱりその辺の柔軟性です。
企業というのは利益で生き残らないといけないんで、その時に応じてやっぱり輸入材を使うということもやるんですね。
従って、よくあるんですけども、全国の、逆に言うと、失敗している事例というのは、大体行政がつくった第3セクター、こういうことが失敗を招いているんじゃないかと。
ですから、企業のやりやすい状況ということを勘案していくんであれば、地元の当然、木材であり、地産地消も生かしながら、その時の経済状況に応じて柔軟に対応する体制というのも観点に置いて企業誘致というものを考えられたら如何かと思うんですが、如何でしょうか。

【松崎正樹 産業経済部長】
このバイオマス発電事業につきましては、先程も答弁で申し上げましたとおり、成功している事例もあれば、全国的には少し、非常に事業継続が困難な状況もあるという中で、ポイントはやはりそういった資源の確保がしっかりできて、それをさらに安価に、そして売電価格、そしてそれらを経営するノウハウや技術力、こういったものを兼ね備えた民間事業者ということになろうと思いますけども、こういうことが必要だというふうに思っておりまして、今言いました一つの資源調達を安価にというところでは、できれば地産地消というのがベストではありますけれども、海外にも目をやる必要はあるんだろうなと。
こういうのは今後、誘致を考えていく企業さんとは十分調整や検討をしていかなければならないなというふうに思っております。

【星野和彦 議員】
3月議会でも出ておりましたけども、国内のメーカーと組んで、由良のほうでちょっと事業を考えたりしていらっしゃるかと思うんですけども、そのあたりの概況は如何ですか。

【松崎正樹 産業経済部長】
FS調査ということで、木質のバイオマス系と、それから太陽光、大きくはこの2つでの事業の可能性調査をなされたというふうに思っておりますが、その収益性を考えると、やはり太陽光のほうが望ましいということで、今、企業さんのほうでは太陽光発電の事業化に向けて検討をされておると、バイオマスではなくて太陽光のほうで事業化を検討されておるという状況でございます。
それに市のほうもいろいろと今、協議とか検討とかを一緒にさせていただいておるということでございます。

【星野和彦 議員】
色々な可能性があると思いますので、またその辺を温めながら進めて頂きたいと思います。
冒頭で申し上げました、この地域産業連関表が今般初めて宮津市で作成され、再生エネルギーが宮津市の選択と集中する分野の1つであることを示しました。
私は、バイオマス発電事業の成功のポイントが3つあると思います。
1点目は、効率と利益を徹底的に追求する民間主導の株式会社であること。
2点目は、安定した売電価格の設定が図れること。
3点目は、海外からの原料調達も加味した柔軟性です。
宮津市には既存の高圧電線があり、市外への送電も可能で、有利な立地条件を有しています。
パートナーとなっていただける企業の模索と、その企業がやりやすい環境整備を行政として積極果敢に試みられることを願います。
また、ボランティアで構成する市民団体、みやづ環の地域づくり推進ネットワークでは、小水力や木質バイオマス発電等、宮津の特色を生かして事業に取り組まれています。
行政として、その可能性を育てるサポートを惜しみなく尽力頂くことをお願い致します。
最後に、地域産業連関表に関しては、今後、精度を上げることにも注力し、宮津市が選択と集中する分野を示す羅針盤として効力を発揮することを祈念し、私の質問を終わらせて頂きます。

【2016年9月 定例会】
※動画:https://www.youtube.com/watch?v=J2p724JBTms

 

 

 

1.宮津市のメディア戦略と戦術
近隣市町でも行政による映画やテレビ撮影の誘致、地域ラジオ局等のメディアを通じた地域活性化、文化振興、観光振興等を図るフィルム・コミッションに注力しているが、他市町との連携を含めた戦略と戦術を伺う。
2.由良オリーブ事業の現況と将来
2013年度から始まったオリーブ事業は約30百万円を投じ、現在、お茶と新漬の商品化に成功し、苗木は1千本で、2019年度迄に10千本を計画している。事業実現に向けた施策を伺う。

【星野和彦 議員】
星野和彦です。
一問一答方式で2点ご質問致します。
1点目が宮津市のメディア戦略と戦術について、それから2点目が由良のオリーブ事業の現況と将来について、この2点を行います。
まず、1点目の宮津市のメディア戦略と戦術についてお伺いをいたします。
メディア戦略とは、広告を行う際に、テレビ、ラジオ、雑誌、インターネットなどの媒体をいかに組み合わせて使うかを考えることです。
自治体にとってメディア戦略が必要な理由は、観光客や企業の誘致など地域間競争に勝つこと、地域社会に与える影響に責任を持つこと、住民からの支持と信頼を得ること等、重要な要素となっていると思料されます。
宮津市の近隣市町でも行政による映画やテレビ撮影の誘致、地域ラジオ局等のメディアを通じた地域活性化、文化や観光の振興を図っています。
これより広報誌、フィルムコミッション、地域ラジオ局、この3点に絞り、他市町との連携を含めた宮津市のメディア戦略と戦術をお尋ね致します。
まず、広報誌について伺います。
地方自治体の広報活動の向上に寄与することを目的に、各種広報作品についてコンクールを行い、優秀作品を表彰する全国広報コンクールが昭和39年から実施されていますが、その概要と宮津市が毎月発行する広報誌みやづの応募状況をお尋ねします。
因みにお隣の京丹後市の「広報きょうたんご」がそのコンクールにおける入選の常連で、山口県の周南市では「広報しゅうなん」が民間ノウハウを活用して入選していると伺いました。
まず、1点目の質問にお答えください。

【森口英一 総務部長】
全国広報コンクールの概要と宮津市の応募状況についてのご質問です。
議員もお触れになられましたけれども、全国広報コンクールは地方自治体の広報活動の充実ということを目的といたしておりまして、毎年各都道府県から出展をされました各種広報作品を審査し、優秀作品を表彰するものです。
大きくは3つの部門があるということで、広報紙の部と広報写真の部、それから映像の部と、こういう3つがあるということでございます。
これに出展といいますか、応募といいますか、できるかどうかいうのは都道府県の代表になれるかどうかということでございます。
宮津市の応募状況についてのお尋ねがございました。
京都府では、市町村が参加する京都府広報協議会というものがありまして、それが主催をいたします京都広報賞、これでの審査が行われ、そしてそこで優秀作品として知事賞というものを受けた場合にそこに出展できるということになります。
本市におきましては、毎年当然ながらこの京都の広報賞のほうには応募をいたしております。
ただ、残念ながらそこで選ばれていないということで、全国のほうの出展には至っていないということでございます。

【星野和彦 議員】
過去に、10年以上前になるのかもしれませんけども、何か宮津市の「広報みやづ」も入選したことがあるというふうにお伺いしましたが、如何でしょうか。

【森口英一 総務部長】
済みません。確かに議員お触れになられたように、お隣の京丹後市さんが常連ということでお聞きしております。
過去には宮津市でも出展したことがあるということでございます。
ちょっと今、手元で何年にということを持ってはいないですけれども、過去にそういった経過があるということで御理解いただきたいと思います。

【星野和彦 議員】
了解致しました。
2点目に入ります。
この広報誌に関して、内容、費用、発行部数、人員構成、それから市民からの要望等、周辺市町の動向と比較して、もし検討されていれば、お答えください。

【森口英一 総務部長】
周辺市町との比較も含めてということなんですが、まず宮津市のほうで内容なり費用なり発行部数なりをちょっと説明をさせていただきたいと思います。
宮津市の発行部数というのは全世帯宛てということで8,100部、月になりますが、いうことでございます。
その印刷代等の予算といいますか必要経費というのはざっと3百万円ということでございます。
それから、その仕様といいますか、ご存じの通り、白黒といいますか、モノクロのもので20ページほどのものを毎月発行させていただいております。
その時々のタイムリーな情報を載せさせていただいておるということでございます。
それから、近隣市町のということでございました。人口にも比例をしてくるのかなというふうにも分析をいたしておりますが、因みに予算経費単位でいきますと、お隣の与謝野町も3百万円弱という状況でございますし、発行部数は8,500というようなことでございます。
京丹後市におかれましては、経費的には8百万円弱程度ということでございますし、発行部数は22千部というような状況でございます。

【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
金額と発行部数の関係から判断しますと、内容として、広報誌みやづの場合は1色刷りの白黒です。
京丹後の場合が4色刷りです。
与謝野町に関しては、表紙が2色刷りで中身は1色刷りになってます。
部数の関係でいくと、与謝野町が8,500で宮津市が8,100で、金額がほとんど変わらないんですね。
やっぱり白黒だというところで、表紙だけはカラーなんだけどという、その差というのが余り出てないのかなと。
逆に言いますと、京丹後市というのが金額が8百万円、宮津市が3百万円ですと、発行部数が22千対8千部という比較をすると、単純にすると宮津市の3倍発行してます。
にもかかわらず、金額のほうは2倍ぐらいで済みます。
これは人数が多いのでスケールメリットが出てると分析されるかと思うんですけども、内容というのが、やはり白黒の場合とカラーの場合と、これだけデジタル化されてる時代で、限られた金額ということは十分理解しておりますけども、少し工夫をして、今後の「広報誌みやづ」をより見やすくしていかれる方針あれば、是非お聞かせください。

【森口英一 総務部長】
今、京丹後市さんとの比較でもって宮津市の広報誌の評価といいますか、今後の方針的なことをお話しされたのかなというふうに思っております。
広報誌で最も大事なことというのは、カラーであるとか1色刷りであるとかということよりも、まずは市民の皆様にお伝えしたいこと、これをタイムリーに的確にお伝えするということが最も重要だろうというふうに思っております。
私ども、ありましたように、1色刷りということでございます。
そして、私どもの職員がみずから各地域に回って取材をしながら今回こういった広報誌を作成をしておるということです。
私ども評価といたしましては、温かみのある人に親しみを持っていただけるような広報誌になっておるんじゃないかなというふうに思っております。
今後においてもそういった形で進めていきたいなと思っておりますし、より研究をして、よくできるところはさらによい広報誌づくりに努めてまいりたいと、このように思っております。

【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
とにかく内容を重視すると、非常にいいことだと思います。
ただし、内容を重視するに当たって、担当者というのの人数を比較しますと、宮津というのは広報関係の担当者が非常に手薄になってるんじゃないかと。
財政危機の関係から職員の数を減らした、この弊害が出てるのもありまして、例えば京丹後市というのは広報関係の担当者が6名います。
それから与謝野町も2名おります。
宮津市も秘書広報係長、それから広報・国際交流担当、各1名となっておりますけども、現状を見ますと、なかなか取材に専任するわけではなく片手間でやっておるという状況の中で、この人事配置に関しても課題があるんじゃないかと思うんですが、如何でしょうか。

【森口英一 総務部長】
今、人事配置のお話がございました。
おっしゃいましたように京丹後市は6名で与謝野町は2人と、私ども宮津市も2人ということです。
先ほども申しましたように、やっぱり広報誌は中身が大事だと思っております。
その中身を充実させるためには一定のマンパワー、人数も必要かというふうに思っております。
今、確かに職員の問題があって2人ということでありますけれども、その2人が少数精鋭で今、本当に毎日頑張っておるということでございます。
多分議員も何度も見ていただけたと思うんですが、いろんな各地域で私どもの職員が取材をし、カメラで撮影をし、そういったことをさせていただいております。
そういったことでよい内容のものができ上がっておるというふうにまず認識をしていただきたいということが一つです。
それから、確かに秘書広報係には係長と担当職員1人、1人ということで、今おっしゃったようなお二人という体制でございますが、そのほか宮津市全体として、これは連携をとっております。
例えば観光イベントの際でありますと観光係の者がそういった写真を撮ったり、まちの人の御意見をお伺いしたり、そういったことを秘書広報係に伝えたり写真提供したりというふうなことでございます。
隣のまちがどういった対応をされてるか、ちょっと存じておりませんが、私どもは組織として、宮津市として、いろんな情報を共有しながら広報誌みやづの作成に努めておるということです。
確かに2人でやってますので多忙な時期もあろうかと思うんですが、そういったところはスクラムを組みながら、連携をしながら対応ができておるというふうに思ってますし、一定のよい広報誌ができておるものと思っております。

【星野和彦 議員】
今回上げる、このメディア戦略3点上げておりますけども、その中で、今後またこの後お話ししますけども、人事戦略というのがかなりかかわってきますね。
ですから、2人で一生懸命頑張られてるというのは十分理解しております。
市民の皆さんもよく知ってらっしゃると思います。
ただし、やっぱりビジネスにしても事業をやるということは、やはり物量を考えて、精神論だけで進んでいくというのは、過去の歴史の中から失敗するケースが多いかというふうに私は思います。
やはり色んなメディアが発達しておりますけども、まだまだ広報誌による伝達の仕方というのは特にこの宮津においては非常に大きなウエートを占めているかと思いますので、そのあたりを今後ご検討頂きたいというふうに思います。
2点目のフィルムコミッションについてお伺いします。
このフィルムコミッションですけども、これは映画等の撮影場所誘致や撮影支援をする機関で、地方公共団体や観光協会など、これが事務局を担当していることが多いです。
映画撮影などを誘致することによって地域活性化、文化振興、観光振興を図ります。
私は先日、広島の呉市に行政視察で行ってまいりました。
この呉市というのは、2003年から映画の「海猿」「男たちの大和」等の映画撮影でフィルムコミッションに注力しております。
そして、現在では専任の職員を1名置いて、今では多数の映画、ドラマ、CM撮影で実績を上げられています。
この宮津市のフィルムコミッションに関する取り組み状況を人員配置と組織の検証を踏まえてお答えください。

【安東直紀 理事兼企画部長】
ご質問いただきました宮津市のフィルムコミッションの取り組みについて御報告いたします。
現在、テレビ、映画などから取材等の協力依頼があった場合、企画部観光交流課観光まちづくり係を窓口として対応しております。
業務の内容といたしましては、依頼元の求めに応じまして、ロケハンへの動向、撮影に係る地元団体や許認可等の調整、エキストラ募集への協力依頼など一般的なものとなっております。
昨年度、市へ直接依頼があった取材協力といたしましては、テレビで4件、映画が1件、ラジオ5件の取材等に対応いたしました。
係での業務体制は、他の業務と兼務をしております都合上、専任でメディア対応を張りつけておるわけではございませんが、協力いたしましてできる範囲で最大限の効果が出るよう対応しておるところでございます。

【星野和彦 議員】
先ほどの人員配置もあるんですけども、やはり私、今回のフィルムコミッションとメディア戦略について、周辺市町のラジオ局であったり市であったり、そういったところを回ってまいりました。
それで、舞鶴と福知山と、それから京丹後、この3市はフィルムコミッションの提携を結んでるんですね。
それで、京都というのは太秦の映画の撮影所があって、そこからロケハンが来るケースなんかも多いですね。
ですから、今までだったら滋賀県なんかで撮ってた撮影場所が、高速の全通によって、京都縦貫道の、これでこのかいわいで随分撮られています。
具体的なドラマでいうと、例えば「水戸黄門」であったら京丹後市のほうを常に使っているとか、ですからそれぞれが年間にそういう映画、あるいはドラマの撮影で100ぐらい呼んでくるそうです。
残念だなということを言われました。
というのは、宮津市さんも入られたら、宮津市さん、風光明媚なのになぜ入られないんでしょうかということを言われます。
これは与謝野町でもケーブルテレビを持ってらっしゃいまして、そういう周辺市町においてはどんどんこちらに注力されてるんですね。
テレビに露出することによって観光客をふやしていこうと。例えば先週新聞にも載りましたですけども、京丹後市で、今度封切りされますけども、「海賊とよばれた男」という映画を撮りました。
それで、ジャニーズの岡田君というのが撮影に来た関係で、その撮影場所を回るツアーを見に行こうという応募をかけたところ、もう即、特に京阪神の方から応募者が殺到したというふうに聞いております。
この周辺市町と比較して、宮津市のフィルムコミッションに関する状況、これをもう一度お伺いします。

【安東直紀 理事兼企画部長】
先ほど議員も触れられましたけども、近隣の市町の状況ですけども、舞鶴市が舞鶴フィルムコミッションを平成14年から立ち上げておられます。
京丹後市が京丹後フィルムコミッションを平成25年に立ち上げておられます。
この両フィルムコミッションと福知山市観光振興課が協働されまして、3市で北京都ロケーションネットワークを平成27年1月23日に設立されたということでございます。
平成27年のデータというのは、最新のものはちょっとないんですけども、この3市の取り組み、支援をされた件数というのを報告されておられます。
平成25年度は3市合わせて32件、平成26年度は46件の支援をなされたということです。
平成27年度の件数というのを見ますと、そのロケーションネットワークが形成されたことの効果というものも見えてくるのかなというふうに考えております。

【星野和彦 議員】
宮津の場合、このフィルムコミッションに関しては宮津メディアセンターとの協調をやってるかというふうに思いますけども、このメディアセンターとの関係、それから映像の保存の重要性、あるいは著作権等について、お尋ねします。

【森口英一 総務部長】
メディアセンターの関係の御質問です。
メディアセンターは平成19年の7月に発足をされたということです。
地元の有志によりまして実行委員会として組織をされたというものです。
この2016年時点では8名のメンバーがいらっしゃるということです。
それぞれ宮津市との関係でありますとか保存の重要性、あるいは著作権のお話がございました。
1点目の宮津市との関係ということでございます。
宮津市においては、平成21年10月から市の映像広報発信事業というものを委託をしておるという関係性でございます。
それから、重要性でございます。
今年度は委託事業でアーカイブ事業、戦争体験談に取り組んでおるということでございます。
これについてはさきの新聞報道でもなされたことで、議員もよく御承知のことというふうに思っております。
それから、著作権の問題です。これは市が委託をしたものについては当然宮津市に帰属をするというものでございます。

【星野和彦 議員】
このメディアセンターへの年間の委託料、番組制作の、この金額は幾らになりますか。

【森口英一 総務部長】
今年の予算でちょっとお話をさせていただきたいと思いますが、映像広報発信事業ということでメディアセンターに委託をいたしておりますのが合計で240万円ということでございます。

【星野和彦 議員】
それぞれ周辺市町でこの番組委託料というところを聞いてまいりました。
大体ラジオであったり、ラジオ局が同じように映像も撮られますと、あるいは与謝野町であれば自分のところで映像を持ってらっしゃるんですけど、単独の会計もやってらっしゃいます。
概していうと、1つ当たりやっぱり5百万円とか、そういう委託料を払ってやられてるケースが多いです。
ですから少しやっぱり宮津の場合というのが、そこの予算というのが低いのかなと。
ですから今回の戦争体験記を収録するに当たっても限られた予算の中でやるんだということで、一人でも多く出したいんですけども、色んな方にお話しして頂きたいけど、なかなかそこが、予算の関係もあって、また彼らの悩みとしては、機材を更新したいけど機材もできないというところで弊害も出ておるというふうに思います。
今後の方針として、このフィルムコミッション、これを進めていくこと、これは宮津にとっても特に観光については大きなメリットがあるかと思うんですけども、現状でなかなか対応し切れないということが出てます。
というのも、この宮津の出身者というのはテレビ、新聞、雑誌等、マスコミ業界に非常に多くの人材を輩出しております。
従って、今回も実は番組を2本やりませんかと宮津のOBの方から頂いております。
そのことを観光のほうに御相談したんですけども、ちょうど今、時期が、議会もありますけども、そういった夏のイベントの主要事業があってなかなか対応できないということを言われます。
人員配置をここの部分を見ますと、この4月の人事改革する前というのが10名いらっしゃったんですかね。
それが今、海の京都DMOへの出向者も出て、7名でやっておると。
ですから選択と集中というところで観光業界を選択して集中していくんだというところで人が減っておって、それでもう一つしんどそうだなと思うのは、京丹後市さん、あるいは周辺の市町の組織を見ると、企画の部分と、それと実働隊と言ったら語弊があるかもしれませんけども、そういう撤収班ですね。
この辺だったら天橋立のライトを片づけるとか、それが一緒になってしまってるんですね、宮津の場合。
ほかの市町を見るとちゃんとそこを使い分けてやられてるんで、ちょっと今、物理的に、先ほどのビジネスとかの話じゃないですけど、無理があるんじゃないかというふうに思いますが、如何でしょうか。

【安東直紀 理事兼企画部長】
先ほど議員のほうから取材の依頼があったが対応できてないんではないかという御質問をされましたが、確認をいたしましたところ、メディアからの協力依頼といいますのは、市へ正式に依頼されたものについてはそれぞれ対応を検討しておるということですが、議員から言われた2件につきましては市への正式依頼はなかったということでございます。
もし正式に依頼があれば、その際は対応については検討したいというふうに思います。
また、今後の課題ということでございます。フィルムコミッションを含めてということだと思うんですけども、過去には先ほど触れられました宮津メディアセンターがロケ地マップなども作成されていたこともあり、今後もロケ地誘致に関しましては協力して進めていきたいというふうに考えておりますけども、選択と集中というふうに言われましたとおり、委託費や市職員の人件費等も含めたトータルコストとそれにより得られる効果を十分比較検討した上で、市全体の業務の中で優先順位も考慮して、今後引き続き取り組んでまいりたいというふうに考えております。

【星野和彦 議員】
3つ目のメディア戦略としてお伺いします。
地域ラジオ局です。
この地域ラジオ局というのは、先ほど若干お触れしましたですけども、この地域、京都北部というのは綾部、舞鶴、京丹後市、福知山、こちらにそれぞれラジオ局がございます。
第三セクターで運営されてるのは綾部市で、あとは皆、民間でやっておって、それに対して各市がいろいろ映像も含めた依頼をかけて、それに対するお金の代価として、先ほど言った通り3百万円から5百万円払われてる。
その行政からラジオ局に頼む一番大きなことというのが今日のような防災の情報を流すことです。
台風が来た時なんかというのは、ピンポイントでこのエリアの何々川の何々橋が危ないですとか、そういう情報を流します。
このシステムというのは、台風が来た時なんかというのは24時間ラジオ局の人間もそこに詰めて、それで対応すると。
そこに対してファクスを行政のほうから送って、それを読み上げると。
今、宮津市の防災のほうに関しますと、サイレンを鳴らして、そこで放送を流しますけども、特に雨が降った時なんかは聞きづらいということをよく言われます。
このラジオを使うということにすると、そのあたりの問題もクリアできて、新たに設備投資をするのではなくて、例えば京丹後のラジオ局のほうにお願いをして年間の委託料ということで進めていけば、お金をかけずに、それとやはり市民の皆さんが停電したときにもラジオがつくんで聞きやすい情報が得られますということを言われます。
この地域ラジオに関して今後の方針等がありましたお答えください。

【森口英一 総務部長】
今、ラジオ放送についての委託をしてはどうかと、特に防災情報を発信するためにというようなお話でございました。
特に議員からは今、ハード的な投資は必要ないということでございましたけれども、ちょっと調べますと、やはり受信をいたそうとしますと中継アンテナというものが必要ということでございます。
これが1基当たり10百万円程度かかるということでございまして、それを何カ所設置せんなんかというようなこともございます。
それから今、議員お触れになられました、ソフト面でも少しコストがかかるということでございます。
こうしたことから考えますと、委託というのはかなり、非常に難しいんではないかなというふうに考えております。

【星野和彦 議員】
これは防災のほうとまたじっくり考えながら、例えば調達方法でクラウドファンディングでインターネットでお金を集めるようなやり方もあります。
何れにしても、ラジオが入ることによって防災無線が聞こえにくいという問題をクリアにして、あくまでここは観点としたら市民の皆さんの命を守るというところに観点を置いて今後検討頂きたいというふうに思います。

2点目の質問に入らせていただきます。
由良オリーブ事業の現況と将来について。
この平成25年から始まった由良のオリーブ栽培は3年経過しますが、よく市民の皆さんから、オリーブは大丈夫やろかと質問を受けます。
昨年10月末に私も初めて由良オリーブを育てる会の皆さんにお会いし、地域おこし協力隊の方を交えた皆さんと接するたびに、オリーブに対する真摯な姿勢と情熱が伝わってきました。
本事業が成功するためには、時間、場所、機会、このTPOと、「人、物、金」を揃える基本的な観点を踏まえて、一体何が不足し、何が必要なのか、改めて検証致したく、これより質問に臨みます。
まず、海外と国内におけるオリーブの市況についてお尋ねします。

【松崎正樹 産業経済部長】
オリーブの市況につきまして御質問いただきました。
まず、海外の状況でございますが、このオリーブの市況で、オリーブオイルで申し上げますと、世界におけるオリーブオイルの生産量は年によりましてばらつきがありますけれども、平均しますと年間300万トン強で、最大の生産国はスペインで約140万トン、次いでイタリアの約50万トン、そしてギリシャの約30万トンの順となっております。
また、国内のほうの関係でございますけども、日本の国内産の、まずオリーブの栽培といいますのが、25年度で果実ベースで生産量259トンでございます。
これからオイルを搾る場合、大体油量が10%ぐらいになりますので、これから推計しますと約26トンのオイルが生産されておると推測されます。
これを国内でのオリーブオイル消費量から見ますと、25年度の国内消費量は54千トンであり、国内産オリーブオイルの占める割合はわずか0.05%に留まっており、ほぼ輸入のオリーブオイルを消費し、その内スペイン産及びイタリア産が9割を超えている状況であります。

【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
このイタリアのオリーブ栽培の状況についてお尋ねしたいと思います。
オリーブ栽培に適してる条件は、一般に温暖で雨が少ないと言われます。
主な数値は、平均気温で15℃、これに対して宮津は凡そ14.6℃、年間降水量は1千mlに対して、宮津の場合は約1,800mlだと。
年間日照時間が2千時間が好ましい。
これに対して、宮津の場合は約1,500時間と。宮津は一般に好ましい条件と比べ、平均気温はほぼ叶いますが、年間降水量は1.8倍、年間日照時間は7575%です。
果たして、このイタリアの地形、平均気温や土壌などと比較して宮津でオリーブ栽培が可能なのか、立証願います。

【松崎正樹 産業経済部長】
日本の文献で、このオリーブ栽培に適してる条件ていうのは、今、議員がお触れになったとおりでございます。
こうした中で、イタリアの状況はということでございますが、この2月にイタリアのほうの現地研修で訪問したトスカーナ州のセッジャーノ市では、年平均気温は12.8℃、冬場の最低気温はマイナス1.2℃で、宮津市よりいずれも約1~2℃低い状況であります。
こういったところでもオリーブ栽培が非常に盛んに栽培されておるということでございます。
また、土壌に関しましてはアルカリ性を好み、土壌の分析結果によっては日本でもイタリアでもどちらにもかかわらず、土壌の改良が必要なケースがあるということでございます。

【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
降水量についても、私が調べますと、長崎県かいわいでも非常にオリーブが栽培されておりますが、こちらは2千mlを大きく超えてまして、水害が出ますけども、あちらの地区ですね、2,200mlとかそういうところもあります。
従って、今の数値の検証からいくと、宮津でもオリーブは栽培が可能だということが私も言えるかというふうに思います。
ただ、宮津っていうのは寒冷地でございまして、冬に根雪が続くとオリーブの枝が凍結して枯れる事象が標高約5百mぐらいの世屋地区で不幸にも発生したという、そういうふうに伺っております。
この由良地区は市内でも比較的温暖な地域で、近年の地球温暖化の影響もあり、宮津でも平地に雪が積もることが珍しくて、前年度の日本国内の米の生産量は、1位が新潟県で、その次の2位は北海道となっております。
この相当長い周期で訪れる大寒波というものがたまにありますけども、こういう寒波が来た時、オリーブが寒冷地で栽培可能であるという検証をなされているか、お尋ねします。

【松崎正樹 産業経済部長】
まず、宮津全体からちょっと申し上げたいと思いますけども、実は3月に連携協定をいたしました日伊文化交流協会、こちらのイタリアのほうで栽培技術等を指導しておる組織でございますけども、こちらのほうに昨年度日本に来ていただいたときに、宮津市の栽培状況、それから少し先進地でやっておられました京丹後市の栽培状況、これらを確認いただく中で、宮津市でも根雪が長く続くような地域を除きまして、十分栽培ができると。
それから、先ほど議員もお触れになりますけど、降水量も水はけのよい土地で栽培すれば問題はなく、土壌に関しましても先ほども触れましたが、土壌分析を行い、堆肥や土壌改良で対応できると分析、評価いただいてるところでございます。
先ほど世屋を例に御質問されましたけども、ここにつきましては、やはり根雪が非常に長い、それからマイナス温度が長く続くというところで、先ほども一部を除くという表現をさせていただきましたが、こういう地域では少しオリーブ栽培には適さないということで、こういった地域を除いたところでは、宮津でも十分栽培ができるという評価をいただいてるところでございます。

【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
この由良地区っていうのは、由良のミカンですね。安寿みかんというふうにいって世にも広まっておりますけども、非常に水はけがよくて日の当たることも多いですということで、数字の意味からいくとオリーブに適してるということが判断できるということを理解しました。
先ほど、私が米の生産量で2位になった北海道っていうのは、今既に7.5%の全国のシェアになってます。
単純にこの北海道で米が伸びてるのは、温暖化だけではなくて、実は札幌医科大学なんかと提携しまして、そういうところと品種改良、これを随分昔から取り組んできました。
私はその部署ではなかったんですけど、そういう担当にした人間なんかに聞くと、やはり日本の技術ってのはすごいんだということを言っております。
ですから、根雪が出るような、18年周期ぐらいで大寒波が来るというデータもありますけども、そういう時に備えた品種改良というのも今後の課題じゃないかなというふうに思います。
次の質問に行きます。
このオリーブの果実は、収穫後傷みが早くて、加工を必要とする農産物であることから、ミカンやリンゴなどの一般的な果実のような卸売市場は存在しません。
そのため、オリーブの出荷は生産者と加工業者との間で毎年取り決められた金額で買い入れをされています。
宮津で採用しているオリーブの品質と商品化するための植栽本数、面積と生産量に関する絶対量を幾らに設定しているか、お尋ねします。

【松崎正樹 産業経済部長】
オリーブの目指している品質とか量の御質問であったというふうに思っております。
オリーブの品質、特にオイルの品質につきましては、エキストラバージンオリーブオイルと言われる、風味、味もよく、酸度が0.8%以下のもの、これが最高級というふうに言われておりまして、宮津市でもこのエキストラバージンオリーブオイルの生産をより多くしていくということで、日伊文化交流協会、技術を持ったとこでございますが、こういったとことしっかり連携して取り組んでいくこととしております。
それから、絶対量というか、量のところでも御質問をいただきました。
宮津市でまち・ひと・しごと総合戦略におきまして、平成31年度の目標、植樹本数1万本を目指していくということにしております。この1万本を平成31年度までに全部植樹した場合のシミュレーションを行っておりまして、全て完了した5年後の平成36年度には、果実として約60トン、それから全てが成木になる12年後、平成43年度に100トンの果実が収穫できると見込んでおります。
ここからできる商品として一定、お土産品等販売ができる数量が確保できるものというふうに思っております。
尚、面積についても御質問いただきました。
この1万本を植える場合の面積でございますが、10アールにつき大体40本~60本が目安でございます。
これを40本で見た場合、大体25ヘクター相当が必要ということでございます。

【星野和彦 議員】
詳細については後で申し上げますけども、先日、行政視察に行きました。
広島県の江田島市っていうのが今13千本で24ヘクタール、それで今3.4トン、これを収穫されてるというふうに伺っております。
因みに小豆島ですけども、こちらが大体6万本植わってると。それで、100ヘクタール前後、それから大体年間250トンということなんで、この250トンにシェアを今とられてる状況ですけども、色んな各市町がオリーブに取り組んで、市場も日本で大きくなっていくのかということが判断されるかというふうに私は思いました。
それで、このオリーブに関する宮津市の取り組みの状況についてお伺いしたいと思います。
まずこのオリーブ事業を始めて今に至る経緯を簡単にご説明願います。

【松崎正樹 産業経済部長】
本市では、平成25年度から総務省から地域力創造のための起業者定住促進モデル事業の採択を受け、総務省が登録してる地域力創造アドバイザーからオリーブ栽培による新産業創出について助言を受けたことをきっかけに、平成26年3月に、由良、府中、世屋、市内の3地区でオリーブ300本の実証実験を開始いたしました。
そして、昨年9月に、日伊文化交流協会の会長に当地にお越しいただいた際にオリーブの生育状況を確認いただいたところ、土壌に合ったオリーブの品種選定と育成を正しく行えば産業化は可能と、先ほども答弁で触れさせていただきましたが、評価をいただき、本格的に栽培を推進していくことといたしました。
本年3月5日には、この日伊文化交流協会と連携協定を締結し、日本一のオリーブ栽培とオリーブオイルの生産について最新技術を誇るまち宮津の実現を目指し、生産者に対する栽培や加工技術の向上等を一緒になって進めることといたしたものであります。

【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
次に、この由良オリーブを育てる会の概況を教えてください。

【松崎正樹 産業経済部長】
由良のオリーブを育てる会は、オリーブによるまちづくりを目指し、平成25年10月に9名の有志で設立され、現在は40代から80代までの16名の会員が約900本のオリーブの栽培、管理に取り組まれています。
現在はオリーブ茶や新漬けの商品化と販売、さらには毎年10月には由良川沿いのオリーブ園を中心に由良オリーブ祭りを開催され、昨年は400名を超える来場者にオリーブを活用した加工品等を提供されるなど積極的に活動をされています。
また、昨年度末には搾油工場を整備され、市が整備、貸与した搾油機により、今年度からは良質のオリーブオイルの生産、販売を目指していくこととされています。
加えまして、若手の参入などの将来を見据え、現在、会の早期法人化を検討されています。

【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
宮津市のこの取り組みについて、3点目の御質問をします。
この宮津市におけるオリーブ産業の拡大を進めるため、イタリアオリーブオイルソムリエ協会を包括する組織ですね、これが日伊文化交流協会というもので、ここと連携協定を本年3月に締結していますが、主な連携事業というのが、この広報宣伝とか、あるいは栽培の強化、苗木の普及等至れり尽くせりの提携を結ばれております。
ふと思うんですけども、この日伊文化交流協会っていうのは、元々お互いの文化を交流しましょうという組織だとは思うんですが、その組織がここまでやってくれますというのも非常に珍しいのかなということを思います。
それと、ここと組んで非常に宮津市にとっては恩恵をこうむっておるわけですけども、日伊文化交流協会にとって宮津と連携するメリットがほかにも何かあるのかなと。
下種の勘ぐりではないんですけども、確かに文化を交流していくという中で、ソムリエを育てようとかそういう一環だというふうに思いますけども、それ以外にそういった、彼らにとってのメリットが何かあれば、教えてください。

【松崎正樹 産業経済部長】
議員もお触れになりましたけど、この日伊文化交流協会、オリーブの知識、技術を有する組織ということで、イタリアではもちろん日本人向けのアカデミー、そういったソムリエを育てる育成の教育機関とかを持ってやっておられますし、日本にも名古屋や東京、大阪には事務所を持って普及を、ソムリエの育成とかをされておられるということでございます。
それ以外の何か目的があるのかという御質問でございますが、基本的にはそういった会ということで、自分たちの文化をより世界に広げていくという大きい視点を持って広げていただいてるものだと思っておりますし、そういう中で、互いにイタリアのオリーブオイル、今回、私どもも輸入のお話なんかもちょっとしておるんですけど、そういったことをしていくとかいうところでは経済的なメリットも少しは視野に入れて取り組まれておるのだろうというふうに思っております。

【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
この由良地区っていうのは「山椒大夫」のお話で有名な地で、昔「山椒大夫」「安寿と厨子王」、これが映画になって、イタリアのベネチア映画祭で金獅子賞を受賞しております。
オリーブもありますけど、これも何かの縁かもしれませんが、文化交流という意味で、そういったベネチア映画祭っていうのは世界的にも知られたものでございまして、そことのもっと連携をしていくということもひとつ視野に入れたら如何かというようなことも思います。
次の質問をさせてください。
このオリーブ事業の実現に向けた事業計画と進捗状況、これについてお伺いします。
オリーブ事業を実現する、その上で苗木購入の補助金を賄う財源をどのようにされているかといったところは、今後どうかということで、事業計画とその進捗状況を教えてください。

【松崎正樹 産業経済部長】
まず、事業計画と進捗状況についてでございますが、先ほども申し上げましたが、本市では、まち・ひと・しごと総合戦略におきまして、平成31年度末にオリーブの植樹本数1万本、果実の収量で2.6トンの目標を立てており、アクションプログラムにおいては各年度の目標も設定をして、その達成に向けて取り組んでおるところでございます。
平成27年度の実績は、新規植樹が385本、果実の収量が0.1トンで、目標には届かなかったという状況がございますが、これを踏まえまして、経営戦略に基づき、これ昨年策定をしましたけども、これに基づきまして官民一体となって事業を推進していくため、事業全体をマネジメントする民間の推進組織を早期に立ち上げ、日伊文化交流協会の協力も得ながら目標の達成に向けて事業を展開していくこととしております。
尚、栽培への支援のところも御質問がございました。
昨年、一応目標は500本にしておったんですけど、これが今申し上げましたように385本という中で、これの財源はいいますと、地方創生の先行型の交付金の財源を求めていったということでございます。
その中で、今後、支援していくための財源はというところでございますが、6月補正に計上させていただいた推進交付金、これ今後3年間のオリーブ事業を進めていくために必要な経費をお認めいただいたんですけど、これにつきましては、特に、栽培技術であるとか加工技術、こういったものの普及等のための経費として上げさせていただいておりまして、この推進交付金そのものは個人給付への支援ができない交付金というところで、3年間、28・29・30と計画上のせておりますが、栽培への支援は少しなじまない交付金になっております。
そういう中で、財源はということでございますが、まずそういった栽培支援について財源確保も含めまして必要な支援を目標に向けても検討しておるということで、今、これという財源というのはちょっと、特に栽培支援とこでございますけども、決まったものがないと。
今後、国がいろいろ地方創生で今回補正もありますけども、いろいろ出てくる中で、何とか確保していきたいというふうに思っております。

【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
その財源確保のところが一番しんどい部分ではあるとは思うんですけども、逆に言うと、そこが仮に途絶えるようなことがあると、この事業が進めにくくなるんじゃないかという不安を抱えてる部分というのが、やはり大きな問題ではないかと、今後の課題じゃないかと思いますので、今後、知恵を絞った中で対応して頂きたいというふうに思います。
次の質問ですけども、この事業計画については、本会議の議案質疑においても、ほかの議員も含めて再三質問をしております。
この事業主が由良オリーブを育てる会で法人格をとっていないため、全体の把握が不明確となっていることが課題だというふうに言われておりますけども、先般、同会の皆さんと面談して、今後の課題として伺ったうちの2点を申し上げます。
まず、市場参入を果たす上でオリーブの苗木を急速な、しかも大量に植えつけが必要であること。
2点目が、資金不足の解消、あるいは就労者の確保等を図るため、法人に、これ株式会社への移行を検討されていることです。
冒頭でも申し上げましたが、この由良オリーブを育てる会の皆さんには熱意があります。
しかし、新規事業の性質上、ノウハウを蓄積しながら事業を推進されています。
また、昨今取り沙汰されている行政の失敗事例の多くは、官が民間企業のようなリスクを負って事業推進することです。
逆に成功する事例は、民間活力を中心に官が民をサポートする体制だと思います。
会の皆さんだけが悩みをとどめるんではなくて、この課題を乗り越えるべく宮津市の姿勢を明確にする意味で、苗木の急速な大量植えつけと法人化に向けたサポートだと思料いたしますが、如何でしょうか。

【松崎正樹 産業経済部長】
先ほどの質問とも関連すると思いますが、この1万本を達成していくために、現在、約1千本ぐらい植わっとるわけですけども、あと9千本、これを急ピッチに進めていかなければならないというふうに思っておりまして、それに必要な支援というのを今検討しておるということでございます。
それはやはり財源を十分確保しながらというところがございますので、そういう財源をしっかり確保して支援を検討して、支援制度を創設していきたいというふうに思っております。
それから、法人化につきましては、これまでから私どもも地元に入らせていただいてそういう体制としてやはり法人格をもって推進すべきではないかということでお話をさせていただいております。
会のほうもその方向をしっかり受けとめて頂きまして、今、早期法人化に向けて取り組まれておるということでございます。

【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
なるべくサポートのほう、いろいろ株式会社つくるのも費用の問題とか、1回やってみないとこれわからないんですけども、大変な作業です。
そういったこともいろいろとサポート頂くという体制を是非つくって頂きたいと思います。
ちょっと次の質問なんですけども、地域おこし協力隊っていうのがありますね。
現在、このオリーブ栽培に関する地域おこし協力隊の隊員は2名で、各々2年半と半年間にわたって今携われていらっしゃいます。
隊員の習熟度、任期3年を残して半年に控えたベテラン隊員1名の満了後の処遇、あるいは本事業の継続性をいかに図られるか、お尋ねしたいと思います。
全国の地域おこし協力隊の方といろんなSNSやら直接お話しする機会があるんですけども、皆さん共通して悩まれてることは給料が低いこと、それから将来が不安になることです。
隣の伊根町では、本年4月に報じられたとおり、募集が振るわなかったことから、待遇面をよくしようと月額報酬を当初より4万円高い207,900円に引き上げて再募集しました。
協力隊の給与体系の概略と、今後改善するすべを検討されるか、お尋ねします。
殊に、このオリーブ事業の設立当初から関与し、ノウハウを蓄積してこられた隊員を現在の事業規模では任期満了の後、関与が困難な状況になっています。
「人こそ財産」と言いますが、来春、貴重な人材を手放すかもしれないという状況に善処をされることを願います。

【松崎正樹 産業経済部長】
現在、オリーブに携わっていただいております地域おこし隊は2名ということでございますが、この内1名が、議員もお触れになりましたように、今度の3月で任期の3年を迎えるということでございます。
特にこの1名に関しましては、これまで小豆島やイタリアでの現地研修のほか、イタリアから講師を招いた場合の栽培研修など受講いただきまして、オリーブに関する知識を習得され、本市におけるオリーブの振興にも必要な人材というふうに考えております。
こうした中で、この任期満了を迎えるという中で、本市での就業、定住に向けて国の、例えば青年就農給付金であるとか、こういった活用はどうとか、こういった色々な御相談を今させていただいておるということでございます。
それから、おこし隊の今の報酬について御質問がございました。
私ども、これ25年度からおこし隊制度を活用しておりまして、月額166千円を謝礼という形で給付いたしております。
これまでから色々この給与面については御相談もさせてきていただいとるんですけど、特段不平もなかったというふうに思っておりますが、今度9月から新しくおこし隊を上宮津の活動で雇用しましたが、この方は扶養の家族を一緒に連れてこられたというようなことが新たに出てきまして、やはりこういった扶養がある場合、こういった金額で本当に生活できるのかというようなことも出てきておりまして、この引き上げについて、こういったことも含めて今後検討していきたいと思っております。
ただ、その場合にいろんな市町の状況なんかも踏まえながら検討していきたいというふうに思っております。

【星野和彦 議員】
ちょっと時間の関係で、あれやこれやと言いたいところもあるんですけども、この江田島市なんかを見てますと、計画的に栽培奨励活動、例えば苗木の購入助成であったり、栽培講習会の実施であり、あるいはモデルオリーブ園の設置っていうようなことをしております。
今の宮津のやり方、もう少し学ぶところがあるかなというふうに思うんです。
広域連携といいますけども、新しい事業が始まったときに自分とこが勝てるっていうの、なかなか珍しいかと思います。
今、このオリーブを育てていこうという市町が全国に広まっております。
実際に成功したところもあります。
ですから、その中で広域連携の中でぜひ情報交換してそれをサポートする体制も築きつつ、ぜひこの事業を成功して頂きたいというふうに思います。

【松浦登美義 議長】
答弁を簡潔にお願いします。松崎産業経済部長。

【松崎正樹 産業経済部長】
現在、この連携協定しております日伊文化交流協会と、まずここと連携を深めまして、品種の高い栽培なりオリーブ生産をしていくということにしておりますけども。
[質問と答弁時間60分終了のブザー吹鳴]

【松浦登美義 議長】
続けてください。

【松崎正樹 産業経済部長】
はい。
しておりますけども、今後、栽培を進める中で、例えば新たな病気が出現した場合等、日本固有の課題というのも色々ろ出てくるんだろうというふうに思っておりまして、議員お触れのとおり、必要な時にはそういった連携をしっかりしていきたいというふうに考えております。

【2016年12月 定例会】
※動画:https://www.youtube.com/watch?v=YrVT4yFeub8

 

 

 

〇由良オリーブ事業の成功と地域おこし協力隊の充実
由良オリーブ事業の成功に向けた戦略と戦術の観点から「広域連携の構築」等の施策と、地域おこし協力隊の「待遇改善策」「定住に向けた施策」「今後の補充計画と求める人材」を問う。

【星野和彦 議員】
星野和彦です。
通告に従い、一問一答方式で、由良オリーブ事業の成功と地域おこし協力隊の充実について質問致します。
前回9月の一般質問で本件について取り上げましたが、時間超過となったため、改めて質問いたします。
尚、平成25年から始まった由良オリーブの栽培は3年経過しますが、よく市民の皆さんから、大丈夫やろかと質問を受けます。
昨年10月末に初めて由良オリーブを育てる会の皆さんとお会いし、地域おこし協力隊の方を交えた皆さんと接する度に、オリーブに対する真摯な姿勢と情熱が伝わってきました。
本事業が成功するためには、「時間・場所・機会」のTPOと「人・もの・金」を揃える基本的な観点を踏まえて、一体何が不足し、何が必要なのか、改めて検証し、これより質問に臨みます。
先ず、前回行った5つの質問と答弁の概略を申し上げます。
1点目として、海外と国内のオリーブ市況に関する質問に対し、オリーブオイルの生産量について、海外全体と上位のスペイン、イタリア、ギリシャの数値並びに国内の生産量と消費量の数値から判断して、現在の国内産オリーブオイルのシェアはわずか0.05%にとどまっており、スペイン及びイタリア産が9割を超えている国内市況をご回答頂きました。
2点目の質問は、イタリアのオリーブ栽培の状況で、地形、平均気温と土壌等、日本、宮津との比較、寒冷地で栽培可能な検証について伺いました。
因みに、オリーブ栽培に適している条件は、一般に温暖で雨が少ない地域と言われ、主な数値は、平均気温15℃、年間降水1、000ml、年間日照時間2千時間で、これを宮津と比較しますと、平均気温は14.6℃で、ほぼ叶いますが、年間降水量は約1,800mlで最適条件の1.8倍、年間日照時間は約1,500時間で、最適条件の75%であることを指摘致しました。
これに対し、本年2月に研修で訪問されたイタリアの北西部トスカーナ州セッジャーノ市と、本年3月に連携協定を結んだ日伊文化交流協会からオリーブ栽培技術の指導を受けた事例を以ってご説明頂き、根雪と零下の低温が顕著に続く山間部を除いて、降水量は水捌けのよい土地で栽培すれば問題ないこと、土壌は堆肥や土壌改良で対応できることから、概ね宮津でもオリーブ栽培ができるという回答を頂きました。
尚、根雪について、丹後地区では昭和38年の三八豪雪と前後して凡そ18年周期で大寒波が襲来するデータもあり、米の生産で国内2位となった北海道の事例を以って、品種改良も今後の課題だと指摘させて頂きました。
3点目の質問は、オリーブの品質と商品化するための絶対量について伺いました。
これに対し、宮津市は、オリーブオイルの中で最高級と言われるエキストラバージンオイルを量産すること、凡そ25ヘクタールの耕地面積を以って、3年後の平成31年度に植樹本数1万本を目指した上で、8年後の平成36年度は約60トンの収穫量、1万本が全て成木になる15年後の平成43年度は約100トンの収穫量になるというシミュレーションをご回答頂きました。
4点目の質問は、宮津市の取り組み状況について、経緯、由良オリーブを育てる会の概況、日伊文化交流協会の概要、事業実現に向けた事業計画と進捗状況を伺いました。
先ず、経緯としては、3年前の平成25年度から総務省の地域力創造のための起業者定住促進モデル事業の採択を受け、一昨年の3月に由良、府中、世屋でオリーブ300本の実証実験を開始、昨年9月に宮津へ来られた日伊文化交流協会の会長が生育状況を確認し、土壌に合ったオリーブの品種選定と育成を正しく行えば産業化は可能だと評価され、本格的に栽培を推進することになりました。
そして、本年3月に日伊文化交流協会と連携協定を締結し、日本一のオリーブ栽培とオリーブオイルの生産について最新技術を誇るまち宮津の実現を目指し、生産者に対する栽培や加工技術の向上等を一緒に進めることになったと答弁頂きました。
由良オリーブを育てる会の概況については、3年前の平成25年10月に設立され、現在16名の会員が約900本のオリーブの栽培、管理に取り組まれ、オリーブ茶や新漬けの商品化と販売、毎年秋に由良オリーブ祭りを開催されて、現在、本会の早期法人化を検討されていると答弁頂きました。
尚、本年3月に宮津市が整備・貸与した搾油機で、10月には念願のオリーブオイルの生産・販売が始まりました。
因みに、今年のオリーブの刈り取りに私もボランティアの一員として加わり、本年度のオリーブの収穫量は約800kg、オイルの搾油量は約50kgになる見込みだと伺っております。
日伊文化交流協会の概要については、オリーブの知識と技術を有する組織で、ワインのソムリエ育成機関を持ち、国内では東京、大阪、名古屋の事務所を拠点に、イタリアの文化を広げていく中で、経済的なメリットも視野に活動していると推測される旨を答弁頂きました。
また、事業実現に向けた事業計画と進捗状況については、各年度の目標値を設定し、3年後の平成31年度末にはオリーブの植樹本数を1万本、果実の収穫量を2.6トンという目標を立てていること、前年度は新規植樹500本の目標に対する実績は385本で、果実の収穫量も0.1トンだったことから、官民一体の事業推進を図るべく、オリーブ事業全体をマネジメントする民間の推進組織を早期に立ち上げ、日伊文化交流協会のサポートを得ながら目標を達成していく方針である旨をご回答頂きました。
尚、今後予定する約9千本の植樹に対する財源確保に課題を残し、国の地方創生に関する補正予算等で確保していく旨を答弁頂きました。
5点目の質問は、地域おこし協力隊に関して、習熟度、3年経過後の対応、継続性等と、生活向上と地域に根づくサポート体制について伺いました。
因みに、隣の伊根町で募集がふるわなかったことから、月額報酬を当初より4万円高い207,900円に引き上げて再募集した施策をご参考までに申し上げました。
これに対し、オリーブ事業に携わる隊員2名のうち1名が、来年3月で任期の3年を迎えますが、小豆島やイタリアでの現地研修、イタリアから招いた講師の栽培研修を受け、今後のオリーブ振興に必要な人材と認識し、定住に向けた国の青年就農給付金の活用等の相談をしている最中であること、また、月額166,000円の謝礼については特段不平もなかったが、本年9月から新たに上宮津地区で雇用した隊員に扶養家族が同伴されるケースが生じ、引き上げについて他の市町を参考に今後検討していきたいという答弁を頂きました。
以上5点の質問と答弁の概略を申し上げましたが、何か補足・修正頂ける内容があれば、お答えください。

【松崎正樹 産業経済部長】
今、星野議員が言われました9月議会の一般質問の質疑及び回答につきましては、議員が今申された説明の内容であったというふうに認識しております。

【星野和彦 議員】
ご回答ありがとうございます。
今般の質問では、以下の3点をお尋ねします。
1点目は、オリーブ事業を推進する広域連携の構築、2点目は、オリーブ事業の成功に向けた戦略と戦術の確認、3点目は、地域おこし協力隊の充実で、おのおの詳細を伺ってまいります。
先ず1点目の、オリーブ事業を推進する広域連携の構築に関して、国内オリーブシェア約95%を有する香川県の小豆島について、その歴史の概略を申し上げます。
今から遡ること108年前の明治41年、当時の農商務省、これは現在の農林水産省と経済産業省が、三重・香川・鹿児島の3県を指定して、アメリカから輸入したオリーブの苗木で試作を行いました。
3県とも成長しましたが、三重県と鹿児島県は実の成長が悪く、途中で断念。香川県の小豆島のオリーブだけが順調に生育し、凡そ5年後の大正初めには搾油ができるようになりました。
そのプロセスにおいて、日本にだけ生息するオリーブアナアキゾウムシの被害が大きく、農家は試行錯誤で対策を繰り返し、たゆまぬ努力で栽培に成功したと伝わります。
栽培面積に関して考察すると、昭和初期までは約10ヘクタールで推移して、太平洋戦争を契機に戦後も油脂が不足したことから価格が暴騰し、昭和31年には72ヘクタール、昭和39年には130ヘクタールまで拡大しました。
しかし、昭和34年に農産物の輸入自由化で安価なオリーブ製品が輸入されるようになると、昭和60年代前半には34ヘクタールまで減少しました。
近年、消費者の健康及び国産志向が高まり、約100ヘクタールまで回復したと言われています。
この国内オリーブの歴史に関する認識について、補足等頂けることがあれば、ご教示願います。

【松崎正樹 産業経済部長】
今、日本のオリーブの歴史について説明がございましたが、私ども、議員が説明された内容と同様の認識であります。

【星野和彦 議員】
更に続けさせて頂きます。
次に、本年8月に行政視察で訪れました広島県江田島市のオリーブ栽培に関する取り組み状況を申し上げます。
先ず、江田島市の概要は以下の通りです。
広島県南西に位置し、戦前まで海軍兵学校、今の海上自衛隊幹部候補生学校で有名な江田島と能美島、その周辺に点在する島々で構成し、呉市とは橋で結ばれ、実質的には本土と陸続きとなっています。
平成16年に周辺4町が合併して市制移行しました。
人口は約25千人、そのうち外国人が約700人を占めます。
高齢化率は43%、総面積は約101㎢で、宮津市のほぼ半分です。
本年度当初予算は158億円で、因みに宮津市は119億円です。
市税収入は25億円、これは宮津市と同額になります。
特産品としては、カキ、かんきつ類になります。
そして、平均気温は16.2℃で、栽培に適した気候のプラス1.2℃。
それから年間降水量は1,200mlで、これは栽培に適した気候の1.2倍になります。
そして、年間日照時間は1,954時間で、これは栽培に適した気候が2,000時間なので、ほぼ同じという好条件の島になります。
更に、江田島市のオリーブ栽培の経緯を申し上げます。
約10年前、江田島市は高齢化率4割を超え、耕作放棄地が顕著となり、新たな産業として、温暖な気候を利用したオリーブ栽培の実現に向け、市と民間企業が連携を始めました。平成19年、民間企業からゴルフ場予定地、これは山林114ヘクタールになりますが、これを江田島市に無償譲渡され、3年後に農業団地造成工事、これは現在の深江地区というところでオリーブ園が開かれております。
これが市議会で可決され、住民に1本500円で苗木を配布し、栽培講座等を開始しました。
平成23年、江田島市は地元企業やJAに呼びかけて、江田島オリーブ振興協議会を設立し、翌年には江田島で初めてのオリーブオイルがつくられました。
現在、江田島では、12千本のオリーブが栽培され、搾油量が当初の400kgから昨年には3,400kgに増加し、初めてオリーブオイルの商品化を実現しました。
本年4月にはオリーブ専門の地域おこし協力隊2名が誕生し、情報誌を発行するなど、栽培やPRを担当し、7月にはオリーブの搾油工場と、見学、飲食、土産物を販売する施設、江田島オリーブファクトリーがオープンしました。
尚、広島県呉市に本社を置き、外航海運を中心に事業の多角化を図る民間企業が本事業の原動力の一翼を担っていることも注視すべきと思料されます。
オリーブ事業のメリットについては、6点を上げております。
1点目が耕作放棄地の解消。
2点目が、オリーブの持つ特性として高い付加価値があること。
3点目が、高齢化や後継者不足の解消。
4点目が、健康とのかかわりとして医学的効能の評価が高いこと。
5点目が、農業従事者の収入増加として、若手農業者の育成につながること。
6点目が、国産生産量の限界として需要増大に対応できること。
以上6点の江田島市が指摘するオリーブ事業のメリットと比較し、宮津市に大きな差異があれば、教えてください。

【松崎正樹 産業経済部長】
今、議員から江田島の6点のメリットについて御説明がございました。
当市におきましても、取り組みのメリット、効果については、この江田島とほぼ同様と考えておりますが、加えて申し上げますと、主力商品であるオイル以外にも、数多くの商品化が考えられ、裾野の広い大きな産業に育つ可能性があるものとして取り組んでおります。

【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
このオリーブの産地化への取り組みについて、江田島市は、官民共同のオリーブ振興協議会とともに、以下5点のオリーブ振興支援体制を明確に形成しています。
先ず1点目が普及活動です。
これは、市民が身近にオリーブを感じて頂くために、モデルオリーブ園を3カ所設置し、植えつけ、防除、収穫、剪定の四季を通じた栽培講習会を年4回開催しています。
また、地元イベント時に苗木の無料配布も行っています。
2点目が、広報活動です。
市のホームページでオリーブ栽培の基礎知識と事業紹介を行い、広報誌による栽培方法やトピックスを毎月配信し、日本で最大のオリーブをテーマにしたイベント、オリーブジャパン等、各種イベントへの参加を行っています。
また、地元ケーブルテレビ出身者を地域おこし協力隊に採用して、各テレビ局等へのメディア戦術も徹底しています。
殊にマラソンや駅伝大会における優勝者が頭に乗せるオリーブ冠の提供は、PR効果が高いと言われています。
宮津市及び京都府の大会において、積極的にオリーブ冠の活用をアプローチしてみることも一策かと思料されます。
3点目は教育連携活動でございます。
これは、食育講習会の開催や地域おこし協力隊によるオリーブ栽培の相談等を行っています。
4点目は栽培奨励活動です。
平成22年度から本年度末までの6年間にわたって約8千本のオリーブ苗木の購入助成配布を個人の農地と宅地に凡そ7対1の割合で実施しています。
因みに、苗木の単価は約500円です。
尚、江田島市では、以下のとおり4つの手厚い補助金を用意しています。
1つ目が、再生利用活動事業です。
整地または抜根、これは根っこを抜くことですけども、これに要する経費は初年度のみ80%以内で、限度額10アール当たり10万円です。
2点目が土壌改良事業で、農薬を除く肥料、有機質資材の投入、緑肥作物の栽培等に要する経費は、最長2年間80%以内で、限度額10アール当たり5万円です。
3つ目がオリーブ栽培事業。
これは支柱に要する経費として、80%以内で、限度額10アール当たり15千円です。
また、成木の倒伏防止支柱として、80%以内で、限度額10アール当たり50千円になっております。
そして、4点目にオリーブ産業振興事業として、倉庫、搾油機等の施設整備費、技術取得、旅費や委託料などの販路開拓費用として、50%以内で、限度額5百万円としております。
以上が補助金の説明となります。
続いて、オリーブ支援体制の5点目として、インフラ整備を申し上げます。
上述の民間企業から江田島市に無償譲渡された山林114ヘクタールのうち約8ヘクタールを造成し、耕作地約7ヘクタールのオリーブ農業団地を整備しました。
そこで地元企業3社と賃貸借契約を交わし、約2,800本のオリーブを植栽して、オリーブ生産拠点を目指しています。
因みに、その工事期間は1年8カ月で、造成費用270百万円については、主に農林水産省の農山漁村地域整備交付金を活用して、国が50%、広島県15%、江田島市35%の割合で負担し、土地使用料は1㎡当たり24円として、平成30年度より地元企業3社から徴収予定となっております。
また、廃校となった中学校を利用して、江田島市が公共搾油場も建設し、官民共同の江田島市オリーブ振興協議会が運営しています。
上述の通り、江田島市では、市役所、オリーブ振興協議会、民間企業、地域おこし協力隊、この4者各々の役割が明確に設定され、時間・場所・機会のTPOと、人・物・金を揃える基本的な観点を踏まえた戦略と戦術を規定していることが伺えます。
江田島市にかかわらず、オリーブ事業に取り組んでいる他の行政の成功事例やマーケティングの観点から、全体の概要を把握されていらっしゃれば、お答えください。

【松崎正樹 産業経済部長】
日本のオリーブの状況でいきますと、先進地では小豆島がありますが、この小豆島以外で今取り組んでいる状況ということでのご質問でございました。
今、議員がおっしゃられた広島県の江田島市のほか、熊本県の天草市、これが民間企業が主体となって取り組んでいるところでございます。
またあと、金融機関と民間企業が出資する形で取り組んでいる鹿児島県日置市、それから農業協同組合が中心となって取り組んでいる大分県国東市などがあり、今申し上げました取り組み地におきましては、行政が支援制度を設けて取り組みをバックアップしている状況でございます。

【星野和彦 議員】
ご回答ありがとうございます。
この他のエリアの数値を見ますと、今おっしゃられた大所がありますけども、例えば長崎県の佐世保市であったり、雲仙市であったり、トータルしますと、凡そ今、新興勢力としても、植樹本数でいきますと、これは10万本を超える勢いがあります。
従って、全体をその中で今後のシェアというのが変わってくる可能性が大いにあるというふうに思っております。
続きまして、この上述の海外と国内におけるオリーブ市況と、オリーブを手がける他市町の状況に対する現在の由良オリーブの現況を鑑み、私のサラリーマン時代の経験から判断すると、他市町との広域連携を積極的に働きかけて、情報交換を密にすることから、互いに享受できるメリットが出てくると思料されます。
広域連携に向けたサポート体制の構築について、今後検討されるか否かお尋ねします。

【松崎正樹 産業経済部長】
本市におきましては、日伊文化交流協会との協定に基づき、まずはイタリアとの連携により、イタリア基準の栽培を進め、高品質なオイルを生産し、栽培技術の高い宮津の地位を確立していくことを目指しています。
こうした中で、国内の他産地との広域連携という御質問であったと思いますが、9月議会の一般質問でもお答えしましたが、国内の他の産地の情報交換が必要となったり、本市にとって有益となる場合には、交流や連携を図ってまいりたいというふうに考えております。

【星野和彦 議員】
ということは、今のところ宮津市から積極的に他のオリーブの産地に向けてアプローチをするということはないというふうに捉えればよろしいですか。

【松崎正樹 産業経済部長】
まずはこの宮津市における栽培技術の足固めをしっかりしていくということが第一優先だというふうに思っております。
そういう中で、例えば栽培の中で、これは9月にも少し触れましたけれども、オリーブゾウムシとかという害虫とか、これはイタリアでは余り出ない、日本固有で多く出る虫という状況でございますが、こういった防除の対応とか、やはり日本国内で情報共有したほうがいいというようなものがあれば、これについてはこちらからもいろいろ情報交換を求めていくということは考えております。

【星野和彦 議員】
了解を致しました。
これは新規産業ですよね、このオリーブ事業というのは宮津で始まって3年です。
こういう中でガリバーの95%シェアを持つ小豆島があります。
そこに対して、シェアをとっていこうと。
いわゆる今の宮津市というのは後発になります。
後発のものが何市か何町か、凡そ九州を中心に10市町があるかと思います。
こういう所が、これ企業に例えますと、ガリバー企業に臨む場合というのは結構連携をするんですね。
そうやっていく中で活路を見出します。
逆に言いますと、5年後、10年後に小豆島にそういうお話を持っていったとしても、その成功、主導権がとれるかというと、なかなか厳しいんですね。
やはり先手必勝といいますけども、これは先ずもって宮津からどんどんと他のオリーブを取り組む市町にアプローチすべきではないかと思うんですが、如何でしょうか。

【松崎正樹 産業経済部長】
まずイタリアと連携協定を結びまして、今、いろいろと協議している中では、宮津のこの栽培技術の確立、これをしっかりしたものにしていって、これをむしろ宮津側から発信していくということで考えております。
こういった中で、当然こちらから発信する中で連携というのが出てくるというのが1点あると思っております。
それから、もう一つに、一方でやはり産地間競争という側面があるというふうに思っておりますので、やはり私ども、また相手方も有益だと思う場合に初めて連携が出てくると思うので、そういうことを踏まえながら、必要なときに連携を図っていきたいというふうに考えております。

【星野和彦 議員】
なかなか私が申し上げてることをご理解頂けない部分もあるかと思いますけども、これは私がよく言いますけども、民間企業で、議員の中にもいらっしゃいますけども、新たに事業を成功させられた方もいらっしゃいます。
そういう方の経験等から判断して、後続の企業なり事業体がシェアをとっていく時には、やはり弛まぬ努力が要ります。
自分を知って初めて相手が分かるいうこともあります。
堂々巡りになるので、この議論はここで終えますけども、ぜひ宮津市の今の立場を冷静に判断して、今後のオリーブ事業の成功に向けた突破口、これを考えていって頂きたいというふうに思います。
次に、2点目の、オリーブ事業の成功に向けた戦略と戦術の確認として、先ずオリーブ事業実現に向けた選択と集中の観点から、今後の由良ひいては宮津市全体のオリーブ事業に関する組織体制と事業計画を改めてお尋ねします。

【松崎正樹 産業経済部長】
先ず、組織体制につきましては、組織構築に係る予算を6月補正で議決いただきましたが、連携協定を締結しました日伊文化交流協会と共同でオリーブ事業全体をマネジメントする民間の推進組織を年度内に立ち上げ、アクションプログラムに掲げる目標達成に向けて、市内の生産者や事業者をサポートしていくということにしております。
また、現在、先進的に栽培等を進めている由良オリーブを育てる会につきましても、今後の事業展開を踏まえ、法人化を検討されており、早期に法人化ができるよう、関係機関の支援制度等も活用しながらサポートしてまいりたいというふうに考えております。
それから、事業計画についても御質問をいただきました。
事業計画につきまして、まず、由良オリーブを育てる会につきましては、今シーズンの果実収穫量、先ほど議員も少し触れられましたけども、約760kgで、新漬けに加工された部分が約200kg、それから初めてのオリーブオイルとして約42リットルの搾油をされましたが、こうした状況を踏まえ、法人化の検討とあわせて、今後の収穫量、売り上げ、営業利益等の詳細な事業計画が必要になるものと考えており、専門家の意見も聞きながら事業計画の策定をサポートしてまいりたいというふうに考えております。
また、宮津市全体における事業計画につきましては、まち・ひと・しごと創生総合戦略アクションプログラムに平成31年度までの各年度の目標を掲げ、最終年度の平成31年度に植栽本数1万本、収穫量2.6トンの達成を目指し取り組んでいるところであります。
加えて、この植栽本数1万本を平成31年度に達成し、順調に育ち、収穫した果実をオリーブオイル等加工品に全てした場合のシミュレーションを行っており、今から8年後の平成36年度には、前回も少しお答えしておりますけど、収穫量60トン、そしてその加工品等を含めた売り上げが130百万円、また、成木となる最終年度の43年度には収穫量100トン、それに対する売り上げは220百万円というふうに見込んでおります。

【星野和彦 議員】
ご答弁ありがとうございます。
この組織体制については、その通りだと思いますけども、この事業計画について、やはり事業計画、一般に事業計画といいますと、売り上げだけじゃなくて最低限、粗利益ですね。この事業が上手くいくかどうかというところは、これ必須だと、金融機関なんかも言うと思います。
例えば竹の事業の時、今の売り上げは5百万円ですと。それに対する粗利益は如何ですかという質問をしました。
何と、粗利益が赤字の▲20百万円だという回答を頂きました。
それではやっぱりまずいんです。
売り上げだけを見るなんていうのは言語道断の事業計画です。
当然、粗利益についても考慮されてるかと思いますが、その辺は如何でしょうか。

【松崎正樹 産業経済部長】
粗利益につきましては、基本的には個々の事業体ごとの収益と費用に対して営業利益というものが出てくるものだというふうに思っておりますので、これにつきましては、由良のオリーブを育てる会も今後、法人化という中で、しっかり事業計画をつくっていくということでございます。
そして、宮津市全体における営業利益はということの御質問でもあったというふうに思いますが、基本的には、営業利益というのはそういう個々の事業体の集まりで、最終的に宮津市でどれぐらいあったかということでございますので、今時点で営業利益がこうというものはありませんが、しっかり個々の事業体の営業利益を出していく事業計画、これをサポートしていって、そのトータルで結局宮津市として営業利益がプラスになるというようなことにしていきたいというふうに思っております。

【星野和彦 議員】
ちょっと切り口を変えますけども、今の現状です。
宮津市内のオリーブの収穫、いわゆる売り上げもですけども、これは由良オリーブが9割方じゃないんでしょうか。
如何ですか。

【松崎正樹 産業経済部長】
現在の売り上げの全てがと言っていいほどが、由良のオリーブの会の収益だというふうに思っております。

【星野和彦 議員】
この由良オリーブの会に全てを、法人化をされますというところで、事業計画等も、これはもう丸投げするようなことでは非常にまずいと僕は思います。
今後、この10年、15年後の計画があるんであれば、これは由良以外も出てくる、市全体で推進していくというふうに仮定すればよいでしょうか。

【松崎正樹 産業経済部長】
ですので、個々の事業体の事業計画というのは、丸投げではなくて、先ほども申し上げましたが、民間の推進組織、これを年度内に立ち上げていきますので、ここと市とで一緒になって、しっかりとした営業利益の上がる事業計画をつくっていくということでございます。
そういう中で、個々の事業体の積み重ねにおいて営業利益というのを市全体でプラスという形に、大きなものにしていきたいというふうに思っております。

【星野和彦 議員】
サポートする組織を組成するというのは非常にいいことだと思いますけども、既にサイは投げられておるわけですよね。
3年前にテストをした上で、1万本植えていきましょうと。
なおかつ日本一のオリーブの産地にしようというお題目を掲げる以上、やはり今のこの御答弁に関しますと、余りにもずさんな計画ではないかというふうに思うのは私だけでしょうか。
やはり今後、由良のオリーブの会以外の事業者も加わるんであれば、そのあたりの青写真がなくして、この1万本、あるいは事業、売り上げ数ですね、こういったものというのはどこから数字が出てくるんでしょうか。
お答えください。

【松崎正樹 産業経済部長】
私どもは、この市全体の売り上げ等のシミュレーションをする中で、一つのモデルでございますけども、法人化でやる場合、最低でも3千本ぐらいが必要と。
それから個人でやる場合でも最低でも1,600本ぐらいが必要だろうという仮定のもとでシミュレーションはしております。
そういう中では、4~5年後に単年度の黒字ぐらいが見込めるだろうと。
それから、7~8年後には大体、事業全体で今までに投資してきた部分も回収できるぐらいの見込みになるだろうというものは一定持っておりますけれども、これは実際には個々でやられる事業者としっかり固めていくということだと思っておりますので、その事業計画についてはしっかりやっていく方々と詰めて、売り上げが、また営業利益がしっかり出るような計画を、具体的な計画をつくっていきたいというふうに思っております。

【星野和彦 議員】
これもまた堂々めぐりになって、ここで結論が出しづらい部分もあるかと思います。
しかし、何々したいんだという気持ちはよくわかります。
当然、この宮津に産業を新たにつくり直さないといけないという状況の中で、折角こうやってオリーブをやりましょうというに当たって、今のご答弁をお伺いしておりますと、余りにも大ざっぱ過ぎるんじゃないでしょうか。
やはり戦略と戦術、選択と集中、このあたりの最初の設定が甘いんじゃないかというふうに私は判断しますけども、今後の、今お答えできない部分はあるかと思いますが、課題として、これは早急に対応頂きたいというふうに思います。
でなければ、これはこのまま進めていって、非常に皆さんが不安になると思うんですよ。
その辺は如何でしょうか。

【松崎正樹 産業経済部長】
民間におられた議員からの御指摘も踏まえまして、このシミュレーションという形にはなるでしょうけども、今申し上げた個人なり法人の想定、この規模における今後、1万本を植えた時の営業利益というようなものも今後しっかりとつくっていきたいなというふうに思っております。

【星野和彦 議員】
是非早く、少なくとも次の3月までにはこの辺のお話をお伺いしたいなという希望を申し上げて、この質問を終わります。
次に、先月、産業建設福祉委員会の行政視察で香川県の小豆島を訪れましたが、オリーブに関する多種多様なお土産に驚きました。
サイダー、チョコレート、お菓子、化粧品等、オリーブの含有率が1%というものもありましたが、学ぶべきところも多く、例えばオリーブの実ではなくて葉っぱを使ったソフトクリーム等、宮津での商品化に応用できるものがたくさんあると実感いたしました。
現状では、お茶、新漬け、ことしから加わったオイルが主力となっていますが、オリーブに関する商標登録の状況を踏まえたマーケティング、今後の商品化とPR方法をお尋ねします。

【松崎正樹 産業経済部長】
マーケティング、それから商品化、PRについても、日伊文化交流協会との共同で立ち上げていく、オリーブ事業全体をマネジメントする民間の推進組織で、その取り組みを進めていくことにしております。
このマネジメントの立ち上げ、これは先ほども申し上げましたけど、年度内に立ち上げていくという中で、この立ち上げの協議におきまして、マーケティング、それから商品化、PR方法についても検討をしておるところでございます。
そういった中で、まだ検討段階でありますが、一つの方向性として今持っていますのが、まず商標登録なんかも踏まえたマーケティングにつきましては、この11月に、先ほども議員も触れられましたけども、搾油もでき、一定のオリーブの商品化が進んできたことから、早期に商標登録等をしていきたいというふうに思っております。
それから、商品化につきましては、現在販売しております商品、オリーブオイル、それから新漬け、お茶の3種類でございますけども、これをしっかりと定番商品としてブランド化していくということ、それからあわせて、オイル等からの2次加工品として石けん等の化粧品や、市内の製造業とのコラボによる新たな商品づくり等を進めていくことにしております。
それから、PRにつきましても、ホームページ、フェイスブックをつくっていくということのほか、各メディアの活用、それから日伊文化交流協会の傘下にある機関でございますけども、ここはオリーブソムリエの認定もしております。
ここにおきましては国内にも日本人の卒業生が400名おられるということで、この方々は何らか、このオリーブの販売とかオリーブ関連の仕事に携わっておられるということから、こういった卒業生の400名を活用した情報発信等を進めていくことにしております。

【星野和彦 議員】
ご答弁ありがとうございます。
ちょっと思ったのが、この商標登録なんですけども、これが今、国内でも非常に苦戦をしております。
著作権についてもそうですけども、政府のほうでは、そういう著作権、商標登録の会社を立ち上げて、これ海外からの商標登録等の問題に対応していこうという動きがあります。
今のところ、この由良オリーブですね、これは今は宮津オリーブということで商標を進めておられますけども、この登録も非常に早く進めていかないと、こうやっている間にもほかの国のほうから商標登録をしてしまいましたというようなことも、今治タオルの事例もありますので、ぜひ気をつけていただきたいというふうに思います。
それと、全般のオリーブに関して、質問に対してご回答を頂いたんですけども、常に、我々はこうしたいという意思はよく分かります。
常にそれが、横文字でいいますと‘I hope so.’「私はそう願いたい」というふうに言われますけども、やはりそれだと、これ事業等を推進する企業と同じだと思うんですよ。
産業を興すということは、通用しないんですよね。
‘I will’でもだめです。
‘I shall’なんですよ。
私はこうやるんだと、強い意思がなければ、これは国内はおろか海外でも通用しません。
ぜひ人の顔が見える、この事業を推進しているのは誰かと。
元々の経緯からいいますと、市のほうからやろうじゃないかというふうに言ったわけですから、そこに、このオリーブに関して、由良オリーブの会の皆さんだけが矢面に立つのかということでは、私は甚だ今後が不安になります。
やはり官民協働の事業体、今回つくられる推進協議会ですか、そちらのほうの役割も非常に大変だと思いますけども、それを起点に、これから今までの分を挽回してやるんだということを切に願いたいと思います。
続きまして、3点目の「地域おこし協力隊の充実」について伺います。
前回の一般質問において、オリーブ事業の設立当初から関与し、ノウハウを蓄積してこられた隊員にとって、現在の事業規模では任期満了後のオリーブへの関与が困難な状況になっていることをお話しし、ご本人と相談をしている最中である旨をご回答頂きました。
「人こそ財産」と言いますが、来春、貴重な人材を手放すかもしれない状況に対する改善策と、今後の地域おこし協力隊に対する、伊根町のような報酬アップを見込む施策の遂行に変化があったか、お尋ねします。

【松崎正樹 産業経済部長】
9月議会でも御質問いただきまして、このときにも少し触れましたけども、全隊員から聞き取りを行うなどしての、どう思われますかというようなことの聞き取りを行っておりまして、この金額面の条件については特段の不満はなかったというふうに認識しておりますけれども、今後もよい人材を確保する必要があり、全国の他市町の事例を見ながら、謝礼の引き上げについて引き続き検討をしていきたいと思っております。

【星野和彦 議員】
今のご答弁でいきますと、この3月にノウハウを蓄積された協力隊の方が終了しますけども、先はまだ見えてないと理解したほうがよろしいんでしょうか。

【松崎正樹 産業経済部長】
今申し上げましたのは待遇改善というところで、今年度につきましては、今、月額166千円の謝礼をお支払いしてますけども、これにつきましては年度内においてはこの額でいきたいというふうに思っておりますが、今後、新たに雇う方、また、継続してされる方の謝礼の引き上げについての検討をするということで、この3月に任期が切れる方については、今考えている範囲では対象にならないケースになってくるんだろうというふうに思っております。
おこし隊の制度の謝礼という面では、3年間が期間でございますので、それについては、この謝礼の関係についてはないというふうに思っております。
ただ、定住に向けた施策というところでは、今現在、定住に向けた住宅改修等に一部支援をしておりますが、これについて要綱の改正等を進めていきまして、隊員が任期満了後に、要綱の改正をしていって、定住につながるような空き家改修であるとか、それから隊員が任期満了後に起業する場合に必要な支援を一部する、国の制度がございますが、こういった活用なんかも検討をしておるということでございます。
また、オリーブの取り組みにおきましては、特に3年の任期が切れた場合、その後というのが課題になってまいりますが、これは議員がお触れになったとおりでございますけども、生活できる収入を得るまでには一定期間が必要であることから、他の仕事との兼業でオリーブ栽培にかかわりながら定住できるようなサポートというのを引き続きしてまいりたいというふうに考えております。

【星野和彦 議員】
ちょっとこれお願いなんですけれども、簡潔にお答え頂きたいんです。
単刀直入に申し上げます、もう一度聞きます。
今、3月にやめられる方のその後については、何らかの施策はありますか。

【松崎正樹 産業経済部長】
支援という形では、報酬とか、そういった支援という形では、今のところありませんけども、何とか定住につながるというところで、今、御本人のほうは雇用型を望んでおられますので、何らか、その形でオリーブの栽培に携わっていきたいというようなこともお聞きしておりますので、先ほど少し触れましたけども、兼業タイプでオリーブ栽培に従事できるようなサポートというのをしていきたいというふうに思っておりまして、引き続き協議を続けているところでございます。

【星野和彦 議員】
何度も申し上げますけども、人こそ財産というところで、これ逆の立場で、3月に協力隊が終了しますというところで、12月までの今の時点で4月以降がどうなるか、まだ分からないんだということを慮りますと、その個人的なところの、これは人としての問題、それからやはり市としてこの事業を成功させていくためになくてはならない人材じゃないでしょうか。
であれば、その施策は今のところまだ朧げな状態というのでは、私は困ると思います。
ぜひ早急に、この人、この有為な人材を手放さないために如何なることができるかというところを早急に詰めて頂きたいと思います。
次の質問に移ります。
地域おこし協力隊は、単に力仕事をする中世の与力や人夫といった労働者ではく、本来、地域に貢献する貴重な人材です。
地域おこし協力隊に関して、宮津市の戦略と戦術が明確化されていれば、例えばオリーブだけではなく、ある期間は漁師さんをやるとか、宮津市の特性を生かした募集をかけ、さまざまな見地から宮津に貢献いただく手法も一つだと思います。
最後の質問として、今後の地域おこし協力隊の補充計画と求める人材をお尋ねします。

【松崎正樹 産業経済部長】
特にオリーブ事業につきましては、まち・ひと・しごと創生総合戦略に掲げる平成31年度末の目標達成と、収益を早期に上げていく上でも急ピッチの取り組みが必要であります。
このためには、市民の皆さんに積極的に参画いただけるような支援の仕組みを整えるとともに、市内全体の生産拡大が進むことにあわせまして、地域おこし協力隊の任期満了後の補充や増員をしていきたいというふうに考えております。
また、求める人材としましては、オリーブ事業の進捗によって変わってくると考えておりますけれども、現段階ではオリーブ栽培、生産、加工の技術を得るために意欲的に行動する行動力のある者、あわせて新たな商品化をみずから考えるアイデア豊富な人材を求めているところでございます。

【星野和彦 議員】
ご答弁ありがとうございます。
今回の質問に対して一貫して言えるのは、何度も申し上げる戦略と戦術、選択と集中、こちらの観点を持って、この地域おこし協力隊、これについても確実な施策を是非これから検討していって頂きたいと思います。
最後ではありますが、結語として申し上げさせて頂きます。
本日12月8日は太平洋戦争の開戦記念日です。
75年前、赤城を旗艦とする日本海軍空母機動部隊を飛び立った航空隊は、午前3時25分、現地時刻で12月7日の日曜日午前7時55分に爆弾投下を開始し、ハワイ真珠湾の奇襲攻撃に成功しました。
しかし、その半年後の6月5日のミッドウェー海戦において、日本海軍は、機動部隊の主力空母4隻と艦載機、優秀なパイロットの多数を一挙に喪失する大損害を被り、この戦争における主導権を失いました。
そして、数字には諸説ありますが、日本人約310万人、当時日本の統治下にあった朝鮮の方24万人、台湾の方21万人に及ぶとうとい命を犠牲にしたと言われ、昭和20年8月15日に終戦を迎えました。
太平洋戦争の敗因は、国力の差異等、諸説紛々取り沙汰されますが、戦場に関して考察すると、補給や情報の軽視、組織の不統一、作戦変更時期の逸失、航空機の防御能力の欠如が示す人材の軽視等、現在のビジネスにおいても度々経営学の教材となります。
敢えて今の宮津市に置きかえて申し上げるならば、上述の敗因と戦略と戦術、選択と集中の曖昧さが不芳な結果となっている施策はないでしょうか。
イギリスの歴史家エドワード・ハレット・カーは、昭和37年の著書「歴史とは何か」の中で、歴史とは現在と過去の対話であると述べています。
太平洋戦争の敗因から学ぶこと、時間・場所・機会のTPOと、人・物・金を揃える基本的なビジネスの観点を踏まえた戦略と戦術、選択と集中、軌道修正が必要な状況の規定等を明確にして、オリーブ事業の成功につ繋げて頂きたいと思います。
アメリカの起業家でグーグルの会長兼最高経営責任者エリック・シュミットは「集団は個人より賢い」と言っています。
官も民も皆の力を結集して、宮津の将来を担うオリーブ事業が育まれること、由良オリーブを育てる会の皆さんの悲しい顔を想像するよりも、毎年の収穫時期に皆さんの笑顔が宮津じゅうに広まることを願って、私の質問を終わらせて頂きます。