一般質問20220908の動画と通告書と原稿

ミップルへの移転後、図書館は利用者増で好評だが、職員の運営体制等に課題あり、知的立国の観点から当市出身者の書籍コーナーの充実や100周年記念イベントの開催等を提案する。
2.衰退する本町商店街の現状と対策
本年8月末で浪江書店が閉店し、市内に配達営業を除く書店がなくなったように本町商店街の衰退が著しい。市役所前から本町交差点に至る道路拡幅等、市街地空洞化の対策を尋ねる。
無所属クラブの星野和彦です。
通告に従い一問一答方式で2点質問します。
1点目は、「創立100周年を迎えた宮津市立図書館の課題と将来」で、2点目は「衰退する本町商店街の現状と対策」です。
質問の概略は、1点目が「宮津市立図書館の歴史と概要」、「課題と問題点」の順にお尋ねし、「宮津市出身者に関する書籍の充実」と「創立100周年記念式典やイベントの開催」をご提案します。
2点目の質問では、「本町商店街及び旧市街地の歴史と概要」、「課題と問題点」の順にお尋ねし、「改善策」と「環境の整備」をご提案します。
理事者の皆様には具体的かつ簡潔なご答弁を頂き度く、お願い申し上げます。Ⅰ.創立100周年を迎えた宮津市立図書館の課題と将来
1.宮津市立図書館の歴史と概要
(1)設立経緯と歴史
では本題に入ります。
先ず第1点目の「創立100周年を迎えた宮津市立図書館の課題と将来」について質問します。
宮津市立図書館に関する歴史の概要を申し上げます。
1922(大正11)年4月、旧宮津藩の藩校である礼譲館の蔵書を現在の鶴賀地区・武田病院の西側で、後に京都府立宮津高校商業科となった宮津町立宮津商業学校へ移し、宮津町立宮津図書館が創設されました。
これは現存するものでは京都府で3番目に古い図書館です。
その後、1930(昭和5)年9月に現在の宮津郵便局にあった宮津町公会堂に移転、太平洋戦争末期の1944(昭和19)年12月には戦局が悪化したことで臨時閉館となりました。
終戦後は1945年(昭和20)年11月に再開し、地元の篤志家から約2千冊の寄贈を受け、蔵書数が約1万冊になり、1948(昭和23)年には宮津町公会堂が現在の市役所へ移転することになり、亀ケ丘神社の社務所を改修して移転しました。
尚、1950(昭和25)年には宮津町役場内に図書2千冊を有する京都府立図書館宮津地方分館が開館しています。
1952(昭和27)年には宮津町立宮津商業学校本館跡に戻り、1954(昭和29)年6月の宮津市発足に伴い、宮津市立宮津図書館に改称しました。
その後、施設の老朽化で1971(昭和46)年2月に島崎の児童館に一旦移転した後、同年7月に島崎に完成した鉄筋2階建ての新館に移転しました。
因みに島崎移転時の蔵書数は約19千冊で、その後、小中学校への巡回配本や移動図書館「はまなす文庫」、インターネット上で蔵書資料検索が可能になるなど木目細かなサービス提供を図ってきました。
そして、2017(平成29)年11月に商業施設・阪急宮津ビル通称「ミップル」の3階に移転し、畳敷の「くつろぎコーナー」や28席の「静寂学習コーナー」、こどもに読み聞かせをする「おはなしコーナー」、インターネットの閲覧ができる「タブレット端末」や視覚障害者向けの「拡大読書器」の設置などサービスレーベルの高い施設が充実し、従来の凡そ9:30~17:30だった平日の開館時間も買い物ついでに利用しやすい10:00~20:00に延長されました。
尚、ミップルへの移転に際して15千冊を新規購入し、また宮津市立前尾記念文庫の蔵書約29千冊を移管、更に宮津ロータリークラブから寄贈された402冊を合わせて開館時の蔵書数は約156千冊となり、本年3月末には173,964冊となっています。
以上、宮津市立図書館に関する100年間の歴史に関する概略をお伝えしました。
訂正や補足があれば、お願いします。(2)書籍・利用者数等の概要
宮津図書館の書籍や利用者数、予算の推移など周辺市町と比較してご教示願います。
【第2質問】
先日、大正時代に「スバル」や「三田文学」に詩や評論を発表し、「田園の憂鬱」で小説家として大成した佐藤春夫さんと家族ぐるみで親交していた方のお話を伺いました。
以前、佐藤春夫さんが宮津へお越しになられた時の思い出を綴った随筆「日本の風景」(新潮社)を拝見したこともありますが、佐藤春夫さん直筆の資料等をいつか宮津図書館に寄付したいとおっしゃられています。
しかし、昨今、京都市などの図書館で寄付した本が廃棄されたという新聞記事を見かけることもあり、不安だとも伺いました。
宮津市の古い本の保全状況と費用対効果の観点からミップルとは別に保管庫を確保する必要はないかお尋ねします。2.課題と問題点
(1)職員の構成・働く環境と利用者へのサービス度
宮津図書館の課題と問題点について質問します。
職員の構成や労働環境、アンケートによる利用者へのサービス度についてお尋ねします。
【第2質問】
①図書館長の不在と図書館司書が少ないディメリットをお尋ねします。
②「人こそ財産」という観点から会計年度任用職員を育てる「司書補」の取得をサポートする制度は導入できないかお尋ねします。
因みに、図書館司書の資格は大学・短大・専門学校卒の学歴が必要ですが、司書補は高卒から資格を取得でき、なおかつ司書補として図書館の実務を3年以上経験すれば、全国の主要都市で行われる司書講習を経て、司書資格を得ることができるため、将来的に司書として図書館で働きたい人にとって司書補は登竜門的な資格です。

(2)イベント・講座・展示のサイクルや戦争展など市民ニーズへの対応
宮津図書館のイベント、各種講座、展示会のサイクルや戦争展の開催など市民ニーズへの対応について現在の状況と課題をお尋ねします。
【第2質問】
本年1月から9ヶ月間の宮津図書館のイベントと講座は、コロナ禍の影響もあり毎月2回行う「おはなし会」を

除き3件です。
除籍本・保存期限切れ雑誌を1人20冊まで無料で譲渡する「雑誌&図書リサイクルデー」、出会いのある図書館を目指す「おとなも楽しむおはなし会」、こどもの読書週間に多くのこども達が本に親しむ「おはなし会スペシャル」でした。
一方、福知山市立図書館中央館では、本年7~8月の僅か2か月間で7件のイベントを組んでいます。
「読みきかせ体験」、「夏のおはなし会スペシャル、Go to 読書!~本でいろんなところへ旅をしよう~」、「えほんのへや」、「図書館のヒミツを知ろう」、「障害者雇用支援月間に関する展示」など実に多彩な内容です。
人口76千人の福知山市と16千人台の宮津市では図書館の規模が異なりますが、イベントなど市民ニーズに対応できる体制作りをご検討頂きたいと思いますが、如何でしょうか。

(3)IT対応・HPの活用・移動図書館など情報発信と情報収集
宮津図書館のIT対応、HPの活用、移動図書館など情報発信と情報収集に関する課題についてお尋ねします。
cf. 宮津図書館のHPは周辺市町と比べると分かりやすいと感じた。

(4)今後の管理体制
宮津図書館の課題と問題点に関して、最後の質問をします。
和歌山県海南市は、2020年に図書館、子育て支援機能、カフェ、広場などの機能を備えた複合施設を作り、「指定管理者制度」で運営しています。
三重県桑名市立図書館は、2004年に公共施設等の建設、維持管理、運営等を民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用する「PFI(Private Finance Initiative)」で建設・運営しています。
いま全国の市町では指定管理者制度やPFIによる図書館運営を行うものが出てきました。
一方、「知の地域づくり」「知的立国」という考え方が2005年頃から主張されています。
これは、日本には資源が少ない為、以下3点のような「知」を大切にし、「知」に基づいた地域づくりや国づくりを目指そうという考え方です。
①社会は日本の資源である人材を育て、人材の一人一人が才能を伸ばすこと。
②科学技術や文化芸術などが大事にされ、それを担う人材が尊敬されること。
③才能を伸ばした人々が地域社会や地域の人々に貢献し、国を引っ張ること。
指定管理者制度やPFIの導入と「知的立国」を地域で支える「知の拠点」の考え方を勘案し、今後の宮津市立図書館の管理体制を如何に進めるかお尋ねします。

3.宮津市出身者に関する書籍の充実を提案
最近はスマフォで済むようになりましたが、昔から旅行先や出張先を訪れた時、私は図書館に立ち寄って資料を調べることがあります。
その折、地元出身の作家や偉人、物語の登場人物の特集コーナーを見かけて時間を忘れて読み入ることも楽しみの一つで、取引先の担当者にお話しすると短期間に仲良くなることも度々ありました。
最近の図書館は様々なイベントを組まれるところがあります。
昨年3月に広島県三原市立中央図書館では館内に専用ポストを設け、「わかったさんのおかしシリーズ」で

有名な地元出身の絵本作家・永井郁子さん、「沈黙の艦隊」で有名な尾道市出身の漫画家・かわぐちかいじさん、読んだ後に「嫌な気分」になるミステリー小説「イヤミスの女王」の異名を持ち、「告白」で有名な同市因島出身の作家・湊かなえさん達へ手紙を渡す企画をしました。
宮津図書館に於いては、現在、3人の地元出身作家のコーナーがあります。
「花園の迷宮」で江戸川乱歩賞を受賞された宮津出身の作家・山崎洋子さん、「天国はまだ遠く」が映画化された大阪市出身で旧日置中学校に臨時講師として4年間勤務された瀬尾まいこさん、耳のトレーニングと環境音楽を組み合わせて「快適環境づくり」を行う専門家の小松正史(まさふみ)さんです。
作家や本の主人公、更には出版社の経営者や編集者、新聞や雑誌などで掲載された宮津市出身者に関するコーナーの充実を提案します。
ご答弁願います。

【ご参考】
枠を広げる意味は、ふるさと納税に限らず、人的交流で地元との様々な人脈を組成できる。
①先月末にも『国鉄―「日本最大の企業」の栄光と崩壊」を中央新書から刊行された宮津市漁師町に本籍をもつJR九州の初代社長 石井幸孝(よしたか)さん。
②日展に連続入選し、日展の理事、日本書芸院理事長および全日本書道連盟理事長など関係団体の要職を歴任され、全国に展開する書道教室「由源社」の主宰を務める書道家の尾崎邑鵬(ゆうほう)さん。
③1976(昭和51)年に明るみに出たロッキード事件で東京地検特捜部検事として田中角栄元首相に論告求刑し、現在は助け合いのボランティア活動などを推進するさわやか財団の会長を務める堀田力さん。
④ムーミンやルパン三世など数々のアニメやドラマの監督を務められたおおすみ正秋さん。
⑤アサヒビールの元副社長の竹縄亨さんの旧制宮津中学の同級生で、旧宮津測候所で気象観測に従事し、退職間際の1984年(昭和59年)から太平洋戦争末期の広島の原爆投下後に降った黒い雨の地域を研究・立証した増田善信 理学博士。
⑥日本経済新聞社「私の履歴書」
女優 浅丘ルリ子の父・浅井源治郎さんは前尾繁三郎 元衆議院議長の秘書。
野村證券の元副社長、日本取引所グループ前最高経営責任者を歴任し、 現在は第14代日本野球機構コミッショナーを務めている斉藤惇(あつし)の父・斉藤了(さとる)さんは宮津市出身で山口高等商業学校を卒業して商社勤務後に恩師の薦めで熊本県人吉市にある旧制中学校の英語教師に転じた。

4.創立100周年記念式典やイベントの開催を提案
最後に宮津図書館の創立100周年にあたり、図書館の歴史を知らしめる冊子の作成や展示会・イベント、作家や評論家等の記念講演などの開催を提案します。
ご答弁願います。

Ⅱ.衰退する本町商店街の現状と対策

1.本町商店街及び旧市街地の歴史と概要
次に2点目の一般質問「衰退する本町商店街の現状と対策」について質問します。
先ず、本町商店街及び旧市街地の歴史と概要をお尋ねします。
cf. 宮津本町商店街振興組合の組合員数:12
cf. 1984(昭和59)年度:71(店舗75)
2.課題と問題点
(1)全国の商店街に共通する以下の現状を踏まえ、宮津市が講じてきた対策と今後の取組
本町商店街の課題と問題点について質問します。
先ず、地方都市の商店街を俯瞰すると、ほとんどが衰退しています。
私はその要因が主に以下4点だと思料します。
①自動車の普及による郊外店舗や大型ショッピングモールへの集中。
②店舗の商品管理から売上情報、消費者の購買行動などのデータを集計するPOSシステムを備えたコンビニや全国チェーン店が台頭し、個人商店が太刀打ちできない。
③インターネットの普及で安くて便利な通信販売が増えていること。
④流動性が乏しい空き店舗を借りられないこと。
そして、商店街は、経営者の高齢化と後継者難、魅力ある個店の減少と店舗の老朽化、商店街活動の担い手不足、空き店舗の増加と核店舗の消失、デジタル化の取組不足、新規出店と開業の伸び悩みといった負のスパイラルに陥っています。
この現状を踏まえ、宮津市が講じてきた対策と今後の取組をお尋ねします。(2)商店街の会員数の減退と解散の危機
1984(昭和59)年度に71あった宮津本町商店街振興組合の組合員数は現在12です。
本町商店街の会員数の減退と解散の危機に関して、宮津市としてどう考え何かを講じられることがあるかお尋ねします。(3)本町駐車場の管理負担
本町商店街の西端にある本町駐車場は、現在、買い物客が見込めないため全て月極めに変わり、稼働率は100%だと伺っています。
今後、本町商店街振興組合が望めば、駐車場の買い取りや業者への斡旋などの協力を検討できないかお尋ねします。

(4)浪江書店が閉店する要因と今後の影響
1935(昭和10)年から87年の業歴を誇り、宮津市で唯一、店頭販売をしてきた浪江書店が本年8月末に閉店しました。
その要因と今後の影響をお尋ねします。
cf. 宮津市立図書館や学校からの注文減、通学路の変更など。
【第2質問】

浪江書店の社長に今回の状況を伺ったところ、事業継続を模索し、宮津市や商工会議所へも相談されたそうです。

一旦廃業された後、従業員の方1名でも細々と事業継続する方策はないかとご相談を受けました。
市からサポートできる手段があるか否かお尋ねします。
3.改善策の提案
(1)「商店が集まる街」から「生活を支える街」への変革
「商店が集まる街」から「生活を支える街」への変革を促すべく宅配サービスや移動販売、御用聞きサービスの実施、見回りや防犯対策活動などを官民が連携することをご提案しますが、如何でしょうか。(2)市内全体のスタンプカード制度、周辺市町との連携
市内全体のスタンプカード制度、周辺市町との連携をご提案します。
ご答弁願います。(3)商店として「稼ぐ力」を強化する補助
商店として「稼ぐ力」を強化する補助として、コロナ禍に対応するプレミアム商品券の浸透、マルシェや定期市等の開催、買い物ができるWebサイト「EC」(Electronic Commerce)やSNSを活用したデジタル化への取組、空き店舗を活用したテナントミックス事業の実施などをご提案します。
ご答弁願います。

4.環境の整備
(1)都市計画道路の実現による歩道整備と空き店舗の流動化
本町商店街の環境を整備して再生化するご提案を2点します。
先ず1点目は市役所前から本町交差点までの都市計画道路の実現により歩道整備と空き店舗の流動化が見込まれると思います。
可及的速やかな都市計画道路の実現をご提案します。
ご答弁願います。
cf. 既存店舗が閉店するリスクもあるし、卸売店が飲食店に変わるかもしれない。

(2)宮津市庁舎の移転及び利活用、空き店舗への市役所機能の移転
最後に宮津市庁舎の移転及び利活用、空き店舗への市役所機能の移転について質問します。
①先ず、市庁舎の耐震診断の数値と災害時に防災拠点の役割を果たす市庁舎ではなく、一般建物としての診断基準は如何ですか。
②市庁舎の移転か建て替えか先日行われた高校生のアンケート結果を拝見しましたが、これから市民の声を反映して決まっていくことと思います。
先日、東京でサラリーマン時代から懇意にして頂いている不動産関係者と情報交換をしましたが、例えば市庁舎が移転した場合、現庁舎を壊す費用が嵩むことも予想されます。
一般の建物とした診断基準で、例えば現在の市庁舎を図書館や宮津出身者に拘わる有料の資料館、あるいは本町商店街も誘引する商業施設にするような選択肢、更には本町界隈の空き店舗に市庁舎

の各部署を移転させる奇抜な提案も頂きました。
団塊の世代が自動車免許を返納する時期もすぐそこまで来ています。
いろんな角度から市庁舎と本町商店街に拘わらず市街地を維持するコンパクトシティの発想など皆で情報共有することを最後にご提案します。
ご答弁を願います。