【星野和彦 2015年度の一般質問】
・3月:①都市計画道路沿線の安全対策と有効利用
②民間企業出身者の宮津市職員中途採用
・6月:①行政財産の有効活用による広告収入増加策
②宮津駅東部の治水対策
・9月:①京都縦貫道の全線開通を活用した定住圏構想
②戦後70年に際し「宮津空襲」の惨状を未来に伝えること
・12月:①宮津市公設市場の現状と将来
②インバウンド戦略と戦術(外国人旅行者の誘致)
【2015年3月 定例会】
※動画:https://www.youtube.com/watch?v=y-e7yjfX3jA
1.都市計画道路沿線の安全対策と有効利用
2014年も人身事故が発生した宮津港惣線(安智地区)と波路踏切の安全対策、新浜松原線(京都縦貫道・宮津天橋立インター北側)沿線の有効利用について伺いたい。
2.民間企業出身者の宮津市職員中途採用
予てより、全国多数の自治体が、有能な民間企業出身者を中途採用し、業務効率改善や企業との共同事業に成功している。未だ実績のない宮津市の人事戦略を伺いたい。
【星野和彦 議員】
蒼風会の星野和彦です。
通告に従い、一問一答方式で、都市計画道路沿線の安全対策と有効利用及び民間企業出身者の宮津市職員中途採用について、全2件の御質問をいたします。
まず、都市計画道路沿線の安全対策と有効利用について御質問致します。
宮津市の都市計画道路の幹線制定は、昭和34年から平成18年までに13路線、計画延長約13.54kmが決定し、その内2路線が完成、総延長7.31kmが整備されました。
その整備延長率は約54%となっています。
この都市計画道路の内、今般対象とする路線は宮津港惣線、「港」と惣村の「惣」ですね、こちらの宮津港惣線。
それから波路惣線、波路と惣を結ぶ線です。
それから、新浜松原線の3路線となります。
1番目の宮津港惣線の概要は、宮津駅裏のフードショップじょうけの南東側交差点からKTR宮津踏み切りを高架で越え、波路の神子川西部の国道178号線に至るもので、昭和34年に当初決定し、平成2年に最終決定した総延長690m、2車線、幅員12m、その整備延長は現状0m、整備率0%となっています。
2番目の波路惣線の概要は、宮津駅のフードショップじょうけの東側、南東側交差点から東進後、旧大松酒店を左折して、国道178号線に接続する堀川オート、白水ドライクリーニング前のKTR惣踏切を越え、北部海岸まで至るもので、昭和34年に当初決定し、昭和51年に最終決定した総延長1,070m、2車線、幅員8m、現状の整備延長は970m、整備率91%となっています。
尚、現在はこの市道から府道となっております。
3番目の新浜松原線は、浜町交差点から京都縦貫道、宮津天橋立インターチェンジ出入り口に至るもので、昭和34年に当初決定し、平成7年に最終決定した総延長2,130m、2車線、幅員16.5m、整備延長2,130m、整備率100%となっています。
この道も府道となっております。
この3路線の内、宮津港惣線と波路惣線の惣踏切においては、宮津警察署の御協力を頂き、また地元住民の皆さんに聴取したところ、予てより人身事故や物損事故が頻発しており、殊にスーパーにしがき前の交差点、グンゼ正門前交差点近くと、惣踏切の交差点では全10件、各々2名、1名、7名の尊い命が奪われた死亡事故が発生し、長年様々な陳情と対策が繰り返されてきました。
しかし、残念ながら昨年もグンゼ正門前交差点近くと惣踏切の交差点において、人身事故が各1件発生しています。
その問題点を考察しますと、宮津港惣線と波路惣線が交差するフードショップじょうけ南東側交差点から、宮村のコーナン宮津店北東交差点に至る都市計画道路、鶴賀宮村線と接続し、その3沿線には主に食品スーパー3軒、ホームセンター2軒、クリーニング店2軒、電器店、弁当店、特別養護老人ホーム、市立保育園があります。
また、旭ヶ丘団地、城東タウンや新興住宅地が密集し、都市計画道路として目覚ましい効果をもたらし、さらなる有効活用が見込まれています。
しかし、宮津港惣線と波路惣線は国道178号線へのスムーズな接続を目的としたにもかかわらず、以下に申し上げる3カ所がネックとなり、朝夕の交通集中と頻発する交通事故を引き起こしていると推察致します。
1カ所目は、フードショップじょうけ北東部交差点からグンゼ正門前交差点の道幅が狭く、両脇に電柱が17本あること。
2カ所目は、隣接する大膳川交差点に信号が設置されているため、スーパーにしがき前交差点に信号がなく、その南側横断歩道が長いことです。
3カ所目は、惣の踏切交差点に信号がないため、波路惣線から国道178号線へ出る時、左折、右折ともに危険な交差点であることです。
次に、都市計画道路の内、浜町交差点から京都縦貫道、宮津天橋立インターチェンジ出入り口に至る約2kmの新浜松原線の沿線における有効活用について、所見を申し上げます。
私がサラリーマン時代に大阪で勤務していた時、車で天橋立及び丹後地域を観光にお越し頂いた方から、ゴールデンウイークや夏は天橋立からの帰りに、高速のインターまでの渋滞と、車をとめられる飲食店が乏しいのでイライラしたと、度々伺いました。
また、製造業や商業設備を展開する取引先からは、この沿線に興味を持たれる企業もありました。
現在の浜町を中心としたマルシェ計画は、まさに上述の苦情と地元経済活性化の対策になることが期待されますが、新浜松原線における駐車場を備えた店舗展開は、沿線のコンビニエンスストア2店舗の盛況振りが実証している通り、マルシェ計画との相乗効果、京都縦貫道のもう一つの玄関口となる与謝天橋立インターチェンジとの共存、雇用創出と固定資産税の増収を含めた外貨を稼ぐ有効な都市計画につながると思料致します。
現状、新浜松原線の内、宮村のコーナン宮津北東交差点から、宮津天橋立インターチェンジ出入り口に至る約1kmは、西側が第2種住居地域、東側が農地及び農用地となっています。
農用地に関しては、これ迄の市の施策であり、今後地元住民の皆さんとの十分な意思疎通を前提とした上で、夏に予定する京都縦貫道の全線開通に即し、今後の都市計画及び都市計画道路の再編を考慮すべきと思料致します。
上述の宮津港惣線と波路惣線の安全対策と、新浜松原線を含めた都市計画道路3路線の有効活用について、これより順次質問させて頂きます。
まず、宮津港惣線と波路惣線の都市計画道路の最終決定は、各々平成2年と昭和51年で、現在まで各々25年と39年という長い月日が経過していますが、計画が完了できなかった要因を御教示ください。
【坂根雅人 建設室長】
まず、都市計画道路の全体的な部分で少しお話をさせて頂きたいと思います。
議員さん仰って頂きましたように、私ども都市計画決定を打たせて頂いたのが13路線ということです。
そのうち9路線、これが昭和34年に都市計画決定を致しておりまして、すなわち高度成長期以前の都市計画決定ということで、やはり思想的には右肩上がり、人口も増えていく、そして市街地も拡大していくだろうということを前提に計画を決定したということです。
現状は、やはりその見込みと乖離したものとなったということで、整備が進んでいないということです。
しかしながら、大きなプロジェクトに関連した都市計画決定路線につきましては、整備が進んでおります。
宮津市におきましては、大きなプロジェクトいうのがやはり2つあったと思います。
1つは、市域の東西の軸です。
要は都市計画道路でございます漁師波路線、これを整備を進めまして、約20年間かけて昭和58年に完成をしたということです。
で、その後、須津バイパス、宮津バイパスということで、杉末から文珠を通らずに須津までということで進めていったということです。
もう一つが、御案内のように市域の南北軸ということで、京都縦貫が入ってくるということです。
京都縦貫、平成2年の11月に都市計画決定がありまして、これに合せまして私どもの都市計画道路、大きく見直しをしたということでございます。
お尋ねの2路線でございますけれども、要は宮津港惣線と波路惣線でございますけれども、京都縦貫自動車道から市街地に入ってくる車、交通量を、要は新浜松原に入ってくるんですけれども、それを分散させて、言っていただきましたファミリーマートから、これが都市計画道路の鶴賀宮村線でございますけれども、それを経て178へタッチするいうことで、通称南北道路いうことで整備をしてきたと、計画したということでございます。
すなわち新浜松原線のバイパス的機能を果たすものということで都市計画決定を打ったということでございます。
その中で、今申し上げました鶴賀宮村線につきましては、昭和50年代の後半から平成7年まで工事を進めまして、平成7年に供用開始がなされたということです。
で、波路惣線でございますけれども、本来であれば市道でございますので市がやらなければならないんですけれども、京都府さんのほうでやっていただくということで、平成7年から工事を進めて頂きまして、これは工事が終わり次第順次供用していくという形で、最終的には平成23年の3月に全面供用開始ということになったと思っております。
で、その際に、要は宮津港惣線、これは府道なんですけれども、それとバーターをする形で、要は府道から市道に移管して現在に至っておるということです。
従いまして、波路惣線につきましては府でやって頂きまして、一部先ほどお話がありましたように、国道から海岸部の部分はできてないんですけれども、91%、延長で970m整備ができたということです。
これによりまして、通称南北道路ということが、新浜松原の迂回路ということが1本完成しましたので、宮津港惣線については都市計画道路としては決定を打っているんですけども、未整備という状況でございます。
【星野和彦 議員】
ご答弁ありがとうございます。
もう一つお伺いします。
この宮津港惣線と波路惣線の直近の交通量と過去との比較、将来の見込みについて御教示ください。
【坂根雅人 建設室長】
議員さん仰って頂きましたように、検討委員会の方で見直しをする中で、将来の交通量、現在の交通量あたりも大きなファクターになっておりました。
また、もう一つ大きなのがコミュニティーへの影響ということで、建物が都市計画道路をつくることによってどんだけ移転物件が出てくるか、それによってコミュニティーが崩壊する、しないのかいう社会的な部分での評価いう、この2点から評価をして頂いて、それぞれの路線カルテを作って貰って見直しを検討を進めて頂きました。
で、お尋ねの部分でございます。
ちょっと分かりにくいかもわかりませんけれども、インターをおりまして、現状でございますけれども、1日当たりで申し上げます。
約4千台がインターから降りて、そのファミリーマートのところに来ます。
そのうち真っすぐ新浜松原へ行くのが約6割いうことで、2,400台です。右折をしまして、要は鶴賀宮村線に行くのが1,600台ということで、約4割ということでございます。
また、それが次にずうっと行って城東タウンのところに行きます。
そして港惣線に直進していくのが1,800台ということで、約7割が行っておる。
で、右折して波路惣線に行くのが700台強ということで、3割ということでございます。
今お尋ねがありました、今のが現状でございまして、今後の見込みということになりますと、やはりこの台数が、今、数字はちょっと持っておるんですけれども、かなりやはり見込み的には減るという見込みを立てております。
もう一つ、計画時の部分でございますけれども、計画時については、ただいま京縦から出てくるのが4千台と申し上げましたが、大体そのような読みで計画の時にもいっておるというようなことでございます。
以上でございます。
【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
この2線についてですけども、全体の中で現在の都市計画道路見直しが進んでおりますとお伺いしております。
その進捗状況は前回、本会議の一般質問において嶋田議員より質問があり、建設室長から以下の通りご答弁を頂いています。
平成24年8月に宮津都市計画道路網見直し検討委員会が発足して以来、8回の会議を開催し、未整備の11路線の存続等の方向性について、平成26年10月に市長へ提言頂き、今後はその提言をもとに市としての素案を作成し、市民への説明も行いながら、都市計画の変更の手続を行っていくと、このように伺っております。
その後、今に至るまで変化はあったでしょうか、お答えください。
その前に、宮津港惣線と波路惣線に関する変更点と本路線にかかわる新計画があれば、併せてご教示願います。
【坂根雅人 建設室長】
都市計画の変更手続につきましては、ただいま言っていただきました。
また、嶋田議員にお答えしました通りでございます。
ただいま見直しの提言を受けまして、その見直し路線について、市道以外にも国道、府道がございます。
これら関係機関と調整を進めておりまして、現在、市の素案を作成をしているということでございます。
提言の内容ということでございますが、11路線を見直しをさせて頂きました。
そして27区間に分けて見直しをして頂いたということです。
で、存続につきましては4路線、15区間、そして廃止6路線で、9区間、それからあと1路線につきましては存続廃止ということで、存続は2区間、それから廃止は1区間ということで提言を頂いております。
その中で、お尋ねの宮津港惣線、それから波路惣線でございますけれども、いずれも廃止という形で提言を頂いております。
で、その内容でございますけれども、まず、宮津港惣線につきましては、交通量から見ましても、立体交差の計画がございました。
その立体交差は必要とする需要はないということ、また、代替路線となる波路惣線について、先ほど申し上げましたが、城東タウン交差点から国道までの970mの整備によりまして、要は新浜松原線の代替道路ということになっておりますので、それが確保されたということで、都市計画道路としての廃止の提言を頂いておるということです。
もう一つ、この部分では、やはり民家、住居が密集を致しております。
で、建物の移転が約50軒出てくるということで、コミュニティーへの影響もあるという部分で廃止という提言を頂いております。
それからまた、波路惣線でございますけれども、先ほど申しました整備は970mできております。
未整備区間というのは、国道からその先、海側でございますので、これはもうどういうんですか、交通需要はないということで、廃止ということでございます。
そんな中で、新たな計画というお尋ねがありました。
これは御承知頂いておると思いますけれども、府道舞鶴宮津でございます。
要は舞鶴から宮津へ新宮を通って山中、皆原、でこの波路惣線にタッチする府道でございますけれども、この整備をずっと地元の皆さん方、協議会をつくられて府のほうへ要望をしてこられました。
新宮-山中-皆原間につきましては、京都府のローカルルールいうことで1.5車線いうことで、一定今年度で整備を終わります。
次、皆原から要は波路惣線へタッチする部分なんですけれども、皆原-惣間は人家がかなり連檐しておるということで、私どもも地域の方の人も一緒になって何とか市道尼ケ谷線、これを拡幅して歩道もつけてもらって、要はバイパス機能、バイパスをつけてくださいという要望を去年ぐらいから市長のほう、その協議会とともに一緒になってやっております。府のほうにおきましては、現在その方向で検討をされておられるということを聞かせて頂いております。
【星野和彦 議員】
分かりやすいご説明を頂きまして、ありがとうございます。
宮津港惣線が都市計画道路として廃止となると、今後も住民と通行者の不安が続きます。
現地を歩いて感じたのですが、両脇の電柱17本を片側に寄せれば少しは通行しやすくなるため、施設所有者の関西電力、NTTへの要望と、場合によっては宮津市の経費負担も発生するため、状況を見きわめた改善が必要になると思料いたします。
波路惣線については、新たな惣皆原バイパス計画に伴う交通量増加で、惣踏切交差点が益々危なくなります。
殊にこの沿線には保育園と老人ホームがあり、これ以上尊い命が奪われることを防がないといけないと思います。
現在、府道と国道になっている惣踏切の交差点に、KTRの踏切と連動した信号設置を、地元自治会の皆さんと一緒に、京都府、公安委員会、KTRの三者へ嘆願していく必要もあるかと思います。
この2点についてご意見をお聞かせください。
【坂根雅人 建設室長】
まず、宮津港惣線でございます。
先ほど申し上げました市道と府道とバーターするというときに、この港惣線につきましては府道であったんですけれども、市道に移管する時に化粧直しというんですか、側溝の整備改良はして頂きました。
舗装もかけてはもらったと思います。
ただ、おっしゃるように一番狭いところが5m、広いところで7mちょっとあるということで、本当に両脇に仰って頂きました電柱、NTT柱が立ち並んでおりますので、交通に、離合に支障を来しておるということは認識を致してております。
そんな中で、ご提案を頂きました大きな道路改良ということはできないんですけれども、今の現道の敷地の中で、例えばということでNTT柱なり関電柱の移設ということです。
これにつきまして、要は片側に寄せるか、寄せて民地にやるか、全てを民地にするかということです。
これは関電と、それからNTTさんとの調整がございます。
また、移設場所を、民地でございますので、その了解も得なければなりませんということで、私どもその辺の部分を、費用負担の問題もあります。
十分私どもが中心になりまして協議をしてまいりたいというふうに思っております。
それから、波路惣線でございます。
これにつきましても、市道尼ケ谷線がバイパス化いうことでどんだけ交通量が増えるかいうのは、そんなに増えるのかどうかはちょっとあれなんですけれども、ただ仰って頂きました事故あたりが本当にあります。
踏切でたまりがないという部分の危険性は十分承知しております。
聞かせて頂きますと、平成23年に供用開始した折に、京都府さんの府民公募という制度があります。
交通安全対策、25百万円以下でしたら信号機の設置とかいうことは可能という、地元から要望があればやらせてもらうという制度なんですけども、それに手を挙げられたようでございます。
ただ、なかなか交通量の問題とか技術的な問題で、信号機の設置の問題で不可という結論に至ったようでございます。
ただ、本当に安全対策必要でございますので、今仰って頂いたと思っておりますけども、踏切と連動したような信号機の設置辺りにつきまして、地元の自治会、そして府道舞鶴宮津線の協議会あたりも一緒になりまして、KTR、そして京都府、それから京都府公安委員会へ要望してまいりたいというふうに思っております。
【星野和彦 議員】
積極的なご意見を賜りまして本当にありがとうございます。
補足だけさせて頂きますと、波路町の自治会ですね、それから波路町農家組合と、こちらのほうから要望書が出ていました平成22年11月です。
それに関する京都府警の方からの回答が平成23年に返ってまいります。
こちらの時の信号がちょっと種類が違いまして、半感応式の信号です。
従って、KTRの路線の運行とは繋ってないんです。
そうすると、車が止まって信号と踏切との連動がないということは、踏切を越えた所で停車しないといけません。
あそこを通られた方はお気づきになられるんですけども、国道の中に入ろうとしますと、要するに南側から北上しまして、そして国道178号線、右、左に曲がる時に、非常に狭いんですよ。
これがネックになりまして、結局はそこに車が止められる距離がありません。
この信号をつけるんであれば、線路を何メートルか南側にずらすしかないという結論なんですよ。
その同じ要望をしても同じ答えしか出てきませんので、ここに踏切と連動する信号、これを今回は要望として、地元の自治会だけじゃなくて、宮津市として是非取り扱って頂きたいというふうに思います。
それと、この沿線なんですけれども、都市計画道路として新浜松原線と宮津天橋立インターチェンジ近辺エリア及び波路惣線において、地元住民の皆さんとの十分な意思疎通を前提ということがありますけども、将来、小規模な商業設備や工場の誘致を検討することも必要であると思料いたします。
ご意見をお聞かせください。
【森口英一 自立循環型経済社会推進室長】
都市計画道路の有効利用という観点での御質問です。
商業施設なり工場の誘致はということでございますので、所管を致しております自立循環室のほうからお答えをさせて頂きます。
冒頭、議員のほうからは、この新浜松原線、この沿線沿いは企業からも興味を持たれておるよということ。それから、ここでの店舗展開は浜町開発と相乗効果を生むんじゃないかなというようなご発言がありました。
私自身うれしく思っておるところであります。
そうした中で宮津天橋立インターチェンジ付近や、そのアクセス道路、御案内の新浜松原線、波路惣線、この2路線の沿線については、企業が事業を展開していく上で有益な土地があるというふうに私どもも認識を致しております。
市としましても、これらの土地の利用を考えていくということは当然必要というふうに考えておりまして、ただ、あそこ市の土地ということではありません。
民有地ということでもございますので、議員からもお触れありましたように、十分な意思疎通ですか、そういったこともありましたけれども、今後地権者でありますとか地域の方に当たっていくというようなことも考えていかなければならないのかなというふうに、考えておるところでございます。
【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
1点だけお伺いしたいんですけども、ちょっと私もついこの間まで民間企業におった関係で、よくそういう話は出るんですが、宮津に企業誘致をという、大きな工場なんかはとても難しいと思います。
従業員でいくと20名位の工場なんかが出てきてくれたらいいな、そう思いながら昔の取引先にも接触をしております。
その中で、この宮津に工場を呼べる地域、具体的には土地というのがあるのかなと。製造設備を呼ぶ時というのは、当然土地もある程度必要になります。
ただ、従業員20名位のという、ちょっと業種にもよりますけども、そうですね、広さでいくと1千㎡未満位の所に建屋を作っていくというようなことを想像してください。
その中で何が必要かというと、足りないかというか、それが水なんですよ。
製造業というのは必ず冷却水であったり、空調機であったり、これで水を大量に使うんですね。
宮津というのは、水が余り出ないというふうに伺いまして、それでちょっと接触している時にそのお客さんから、宮津は水は大丈夫かと。
せっかく君がそう言ってくるのは分かるんだけど、水が出なかったら何も進まないんだよということを仰られるんですよ。
ですから、要件としては、農用地とか農振地域を外さないといけないエリア、あるいは住居区域ですね、用途指定を受けている、そういう所はできませんので、準工業地帯であるか、あるいは白地のところで水が出る条件、要するに私が企業の方と接触する時に、あるいはほかの方も皆さん聞かれるかと思うんですけども、こういう所がありますよと言うことは具体的にできるかどうか、教えて頂ける範囲で教えてください。
【森口英一 自立循環型経済社会推進室長】
企業誘致の用地の関係です。
しかも、水もあってということでございます。
まず、基本的に宮津市、今現在、レディーメードという工場誘致用地、土地、市の所有地は持っていないということです。
まず1つこれがございます。
ただ、民有地の御理解を得た上で、京都府市町村企業誘致推進連絡会議という組織があるんですが、そこに民地を登録してある案件は1つあるということでございます。
これは栗田の方でございますが、これはかなり大きな土地でございます。
7,500㎡程度でございます。
ただ、議員が今お触れになられました懸念の水、これが大雲川沿いではあるんですが、なかなか水を取水することができにくいというようなことのようです。
議員もお触れになられましたけれども、私も企業のお方に聞きますと、大体仰いますように水と地盤、地面、かたさですか、この2つが大きなキーポイントだというふうによくお聞きを致しております。
そういう中で、先ほど冒頭も申し上げましたように、市がレディーメードで備えている土地がまずないということで、今後どうでしょう、先ほど沿線のお話もございましたけれども、民有地を使ってというようなことで対応ということかなというふうに思っております。
ただ、これも民有地を市が借りたり、買ったり、そしてレディーメードで整備しておくということは、かなり危険、リスクが高いというふうに私思っておりまして、それこそ議員のほう、民間でのノウハウ、キャリアが色々おありのようでございます。
また色んなご意見を頂いて、こういう具体なお話があれば、その具体な要求に対する、どういうんですか土地というんですか、そういったものを探すというようなこと、先ほど仰いましたような1千㎡未満で20名規模でというようなことだとかに対しまして、私ども、それが宮津の活性化に繋がるということであれば汗もかいていきたいなと、このように思っております。
【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
幾ら広くても水が出なかったら、これは土地としてはとても何も進まないですね。
従って、宮津市が土地を買って、じゃあ他の都会にあるような工業団地をつくろうということも、これもなかなかできないと私は思います。
唯一お願いしたいなというのは、民間同士でこういう話は進めればいいかと思いますけども、一つだけ水を確保できる、そういうインフラの整備ですね、これだけをどこか集中して考えていただいたら、宮津にはこういうところがありますと、水がないから無理ですよという回答はなくなるかと思うんですね。
道路も開通して、本当にこれから名古屋圏も含めた商業ゾーンと、あるいは工業ゾーンになるかもしれません。
そういう可能性を秘めたまちでもございますので、是非、水について確保できることを念頭に置いて頂きたいというふうに思います。
【森口英一 自立循環型経済社会推進室長】
済みません、水の調査の関係です。
ちょっと先ほどもしかしたら答弁漏れであったかもわからないです。
水が、特に冷却水が出てくるような土地を探していくべしということです。
過去に、平成4年、5年頃ということだったと思うんですが、それこそヘリコプターで水を見つける航空探査というようなことを平成4年あたりにやっておったということがございます。
それは上宮津地域のほうでやっておったということで、そのデータは今あるのはあります。
ただ、これについても官有地というか宮津市有地ではなしに、私有地ということでなかなか自由にということはならないんですが、一定過去に調査をしたということがあると。
そしてその上宮津では水が出るというデータは一つにはあるということでございます。
ただ、色んな企業がありますので、特定の地域1カ所だけということではなかなか企業誘致いうことも難しいんだろうなというふうに思います。議員からは、水の調査あたりはすべしということでございますが、その航空調査だけでもかなりの金額が要ったようです。
これについては、今後の検討課題とさせて頂きたいなと思います。
【星野和彦 議員】
ありがとうございました。
商業ゾーン、工業ゾーンですね、そんな大きなものはなかなか望めないと思うんですけども、可能性がそこにあるんであれば、徐々にでもいいんで、少しずつリサーチの方も宜しくお願い致します。
続いて、2点目の民間企業出身者の宮津市職員中途採用について御質問を致します。
ここで私は一つ謝らないといけないことがあります。
一般質問のお知らせの質問内容で、宮津市が中途採用の実績がないと記載いたしましたが、これは誤りで、宮津市の職員採用資格における年齢の上限は、一般事務職が26歳、電気技術職、建築技術士職、保健師が40歳、主任介護支援専門員、社会福祉士が45歳となっております。
既に技術職を中心に複数名採用されています。
申し訳ありませんでした。
私がお伺いしたいのは、正確には民間企業の営業や管理部門で実績を積んだ人を対象として、宮津市の一般事務職として採用することを検討されるか否かです。
重ねてお詫びするとともに、これより改めて質問をさせてください。
予てより、全国多数の自治体が有能な民間企業出身者を中途採用し、業務効率改善や企業との協働事業に成功しています。
本年1月、市議会の会派、蒼風会の視察で訪れた兵庫県淡路市では、職員約400名の内9名が大手旅行代理店等の民間企業出身者で、市職員が不慣れな分野を補っているケースもあると伺いました。
また、淡路市では、廃校となった校舎を人材派遣会社パソナグループに委託し、レストランやマルシェを備えたのじまスコーラとして復活させたことで有名です。
因みにこのスコーラとはイタリア語で学校を意味し、この施設には世界の料理人1千人の1人に選ばれた山形県庄内のレストラン、アル・ケッチャーノの奥田政行シェフがプロデュースした店舗もあります。
ご高承の通り、開業以来業績低迷が続く京都府農業公園、丹後あじわいの郷は、今春からパソナグループが運営し、業績回復を図る予定です。
これから私達も、東京では恒常的に順番待ちするイタリア料理を、宮津に居ながら簡単に食べに行けるときが来るかもしれません。
丹後でもイノベーションが起こる予感もします。
本題に戻りまして、宮津市において一般事務職の採用資格における年齢の上限を、現状の26歳から60歳ぐらいまで引き上げる手法、あるいは61歳以上を嘱託職員として採用する手法等、やり方は沢山あると思います。
その検討を頂く前に、人事戦略について質問させてください。
まず、現職員の年齢構成で、極端に人数の少ない世代と多い世代を5歳刻みでご教示ください。
また、国際労働機関ILOですね、これが本年1月に発表した日本の女性管理職比率は、11%で、世界96位となっています。
民間企業の比率向上は、現内閣の重要な施策の一つとなっていますが、現状の宮津市の女性管理職比率と今後の方針をご教示ください。
【河嶋学 企画総務室長】
現職員の年齢構成についてのご質問でございました。
極端に人数の少ない世代ということでございますが、財政健全化、また定員適正化計画という、そんな中で採用も抑えておるというような関係がございまして、20歳から24歳の間の人数が13人でございます5.4%になります。
一方、多い世代でございますが、45歳から49歳が45人でございます18.8%ございます。
それと女性の登用の関係でございます。
本市の女性職員の状況でございますが、全職員240人の内88人が在職をしてございます。
その内の管理職、管理職は副室長級以上ということになりますけども、その登用している女性の職員は4人おります。
管理職に占めます割合としましては、11.8%となってございます。
以上でございます。
【星野和彦 議員】
済みません、今後の方針はいかがですか。
【河嶋学 企画総務室長】
申し訳ございません、ちょっと答弁漏れがございました。
今後の方針ということで、女性の登用の今後の方針ということでございますが、今後とも適材適所という基本的な考え方のもとで人事配置を行って参りたいというふうに思っております。
【星野和彦 議員】
現内閣がこの重要な施策ということで、民間企業を対象に女性の管理職比率をということを言っておるんですけども、実はこれ財界からは余り評判よろしくなくて、極端にそういうことをやると歪が出ますよということが言われます。
さはさりながら、女性のやはりもう少し社会進出を進めるということも、町の活性化に必ず僕はつながるんじゃないかというふうに思うんで、その辺りも今後ご検討頂きたいと思いますが、如何でしょうか。
【河嶋学 企画総務室長】
女性の社会進出というのは、今後重要になってくると、今もそうでございますが、重要でございます。
ただ、宮津市の今の職員の状況を見てみますと、40歳以上の女性で見ますと、その半数以上が保育士なり調理員等の資格職でございます。
管理職への登用というのはちょっと難しい面もあるのかなというふうに思っておりますが、防災、災害の復興のときに広く認知された女性ならではの視点というのは、大変重要なかなというふうに思ってございます。
そういった面も考慮に入れて、女性の登用についても検討はしていく必要があるんだろうなというふうに思ってございます。
【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
2点目に質問させて頂きます。
先月、宮津商工会議所で講演された「会社はだれのものか」の著者で、東京大学名誉教授の岩井克人氏が、人を資本と位置づけ、今後のチームや組織が益々重要となっていくことを持論とされています。
職員のスキルアップ制度として、業務改善に繋がる資格職や研修利用、また国際都市を標榜する市の職員として語学力向上等のサポート制度があれば、御教示ください。
【河嶋学 企画総務室長】
職員の研修についてでございます。
新規採用職員につきましては毎年行っておりますし、また、係長級、管理職等の階層別の研修を行っているところでございます。
その他プレゼンテーション力をつける、強化する研修ですとか、またファシリテーション、これは会議での進行の技術といいますか、そういったファシリテーションの技術を上げる研修ですとか、また法制執務等の能力開発研修などについても行っているところでございます。
また、資格取得のための補助制度を持ってございます。
例えば、日本経営協会ですとか産業能率大学等が行っております、さまざまな種類の研修がございます。
そういった研修に個人で参加する場合に、その受講料に対しまして3分の2の助成を行っております。
その中に、語学力の向上の研修も中にはございますので、そういった研修を希望する職員に対しては助成するということでございます。
【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
特にどの自治体にしましても市の職員のレベルが上がること、これが一番の税金のいい使い方の一つになるかと思いますので、是非そういったところの補充もお願いしたいと思います。
次に、質問を変えさせて頂きます。
やる気を喚起する人事制度として、人事評価、勤勉手当、これはボーナスですね、この査定時に、定量と定性を勘案した目標と進捗率管理を採用されているか、ご教示ください。
【河嶋学 企画総務室長】
人事評価制度につきましては、今のところまだ導入はできておりません。
ただ、地方公務員法の改正がございまして、平成28年度から実施できますように、今、準備を進めて参りたいというふうに考えてございます。
また、勤勉手当の基準につきましては、関係条例と規則を持っておりまして、4段階での成績率を定めております。
これに基づいて手当を支給しているということでございます。
定量定性を勘案してというような、また目標を定めてその進捗管理を採用しているかどうかということでございますが、現在のところこういった目標に向けての進捗管理というところまではまだ至っておりません。
尚、今、先ほど申し上げました人事評価制度の中で、そういったことについても取り入れていく必要があるのかなというふうに思っております。
【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
平成28年に向けてということで御回答賜りまして、是非いい制度を作って頂きたいというふうに思います。
次の質問ですが、今迄の職員採用方法とその採用基準というのを教えて頂けますでしょうか。
【河嶋学 企画総務室長】
職員の採用につきましては、1次試験で教養と作文などの筆記試験を行ってございます。
その点数で高い者から一定の人数を1次試験の合格者ということでしまして、その者を対象に2次試験を行っております。
これは面接試験でございまして、市長と副市長と教育長と私、企画総務室長の4人で面接を行ってございます。
その面接を行いました後に、これは副市長を長とするんですけども、職員採用選考会というのを設けております。
そこで評定書で一定評価をいたします。
その評定の内容でございますが、協調性、積極性、堅実性、その面接を受けた中でそういった評定項目というのを定めております。
その評定項目ごとに点数をつけまして、その得点でもって採用決定、合格者を決定しているということでございます。
その採用基準といいますのが、評定書でのその評定項目に基づきます評価ということになろうかというふうに思います。
【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
ちょっと少しだけここでもう少しお伺いしたいんですけども、例えばその年に、今の宮津市であれば5カ年計画なんかがありますけども、その施策に応じた採用で、ことしはこういう人間をとろうとか、そういう採用の仕方というのは考えていらっしゃるんでしょうか。
【河嶋学 企画総務室長】
例えば、技術職が退職するという場合は、技術職を補充せんなんということになりますけども、その事業でもっての、ある事業を進めていく上での、こういったところに能力のある者というようなところの選定といいますか、それは面接のときに一定そういったことを頭に入れてということになろうかと思いますけども、そういうような状況で面接をさせて頂いておるという状況でございます。
【星野和彦 議員】
簡潔にお答え頂きまして、ありがとうございました。
これは最後の質問になります。
この宮津市の一般事務職採用に当たりまして、その時代に合わせ、将来を見越した人事戦略に基づいて、定量と定性を勘案した明確な人材を定めて、宮津市出身者にこだわらず、他の自治体と差別化した条件やPRで全国から優秀な人材を募集することも私は重要だと思います。
市職員の人数の少ない世代の補充を勘案しつつ、他の自治体と同様に即戦力となる人材確保を今後検討されるのか。
また、更にこの人事戦略を充実するか否か、ご教示願います。
【河嶋学 企画総務室長】
行政を効率的に運営をし、市民の福祉を向上させていくためには、優秀な人材を確保しまして市政に役立つ人材として育成していくということが大変重要であるというふうに思っております。
こうした中で、本市では財政健全化によりまして、新規採用者を抑制して職員数を削減をしておりますけども、将来的にも安定した行政運営を行うためにも、年齢構成に偏りが生じんようにということは考えておりまして、学校の新卒者を対象に、今、採用しておるところでございます。
今、議員からは、即戦力となる人材確保を今後検討する気はないかということでございますが、市の組織にそういう外部から新たな視点、また考え方の人が入るということは、組織の活性化につながるのではないかなというふうに思っております。
他市の事例も踏まえまして、民間企業への派遣研修ですとか人事交流、また社会人の採用試験、宮津市では今行っておりませんですけども、こういった社会人の採用試験、任期つき職員制度、こういった制度の導入も検討していきたいというふうに思っております。
【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
少し安心したというか、やはり弱い部分も若干あるところもあるかと思うんですよ。
どうしてもやはり色んな大きな視野でやらないと、これだけのプロジェクトを抱える宮津市には、やはりちょっと民間活力を今後使っていくことというのは必要かなと。
全国の自治体が、やはり民間の力をかりて、税金をなるべく使わないやり方というのを模索して成功している事例がたくさん出てます。
それと、人材的に言いますと、年末あたりからの新聞をにぎわせましたですけども、九州の或る町ではスーパー公務員が出てきたと。
まだ非常に若い青年なんですけども、インターネット等を駆使しまして、ふるさと納税でその町の市税収入よりも沢山、10数億ふるさと納税で寄附を取ってきたというような記事も見られ、沢山いらっしゃるかと思うんですよ。
一騎当千という言葉がございますけども、一人の力では何もできないことがあります。
協力し合いながらプロジェクトは進むものだと思うんですけども、やはり優秀な人間、これを育てあるいは採用すること、これが今後の将来につながるかと思いますので、是非、今日ご答弁頂いた人事戦略、これを益々充実して頂きたいというふうに思います。
ありがとうございました。
【2015年6月 定例会】
※https://www.youtube.com/watch?v=26BqO_S5IeI
1.行政財産の有効活用による広告収入増加策
宮津市の行政財産(運動施設・駐車場・丹鉄の駅舎・集合住宅・文化施設等)のネーミング・ライツ(施設命名権)及び電光掲示板や看板設置による広告収入増加策と相乗効果の検討を伺う。
2.宮津駅東部の治水対策
人口が集中する宮津駅東部を流れる大膳川と吉原下水は、上流の第一旭が丘から土砂が堆積し、集中豪雨時の水害が危惧されている。その治水対策を伺う。
【星野和彦 議員】
蒼風会の星野和彦です。
通告に従い、一問一答方式で行政財産の有効活用による広告収入増加策及び宮津駅東部の治水対策の2点について質問致します。
まず1点目の行政財産の有効活用による広告収入の増加策について伺います。
宮津市の行政財産には、主に市民球場、市民体育館の運動施設、浜町、文珠、宮津駅の駐車場、丹鉄の駅舎、城東タウンや京都縦貫道の宮津天橋立インターチェンジ前の集合住宅、みやづ歴史の館、宮津会館等の文化施設があります。
これらの行政財産におけるネーミングライツ、日本語に訳すと施設命名権及び電光掲示板や看板の設置による広告収入増加策とその相乗効果について、宮津市の検討状況を伺います。
まず、現況の質問を致します。
宮津市における広告料収入の増加策について、過去の経緯と直近3期分の取引実績を具体的にご教示願います。
【小西肇 財務室長】
少し長くなりますが、私のほうからお答えをさせてもらいます。
まず、宮津市における公有財産、これを使った主な活用収入の増加策ということで、実績それから具体例ということでございました。
我々のほうと致しましては、2006年ですか、例の行革大綱を皮切りに財産活用を考えました。
当時から普通財産の貸し付けはあったんですけども、一歩踏み込んでやっていきたいということで現在に至っております。
まず一つは、今、議員が触れられましたネーミングライツ、この施設の命名権については、まだまだこれからといった状況です。
現に対応しておるというものが、一つはまず広報の媒体を使った広告収入と、それから行政財産の目的外使用による使用料と、それと財産の売却、譲渡ということで、近年ではインターネットオークションを使った、不要の財産の売り払いをやっておるといったのが現実です。
まず、本市で広報媒体による広報収入の関係ですけれども、使っておるものは公用の文書の封筒、この裏側に広告を載せるということ。
それから広報誌みやづの中に一コマ一コマで広告を載せております。
あと、ホームページのバナーといったところで広告収入の増収に取り組んでおります。
その実績ということになりますが、まずは、ここ3年間ぐらいの取り組み実績なんですが、23年度から25年度まで平均約1百万円ということになっております。
23年度が97万円、24年度は115万円と、25年度98万円ということになっております。
概ね年間1百万円ぐらいの収入で現在まで至っておるというのが実態です。
それから、2つ目の取り組みであります行政財産の目的外使用の使用料収入ということです。
これにつきましては、議員も御承知のとおりだと思いますが、行政財産の目的外使用の許可、これによります使用料ということで、本市では24年度に行政財産使用料条例というものをこの議会で制定をいたしまして、以来、自動販売機の設置に当たって、それまではちょっと見積もりの関係やったんですが入札制度に変えました。
この関係で24年度からかなり増えまして、23年度は6カ所で72千円であったものが、25年度では15カ所、150万円というような収入金額になってきております。
これが行政財産の目的外使用の関係です。
それから、もう1点が財産の処分ということで、売却なり譲渡になりますけれども、これも不要な財産については、市の広告物を使って売却をしておりました。
なかなか不動産も動かない時代でございましたので、22年度からインターネット官公庁オークションというものを利用致しまして、土地に加えて不要物品の売り払いもやっておるということで、古い消防自動車ですとかそういったものが買って頂けるというような状況に変わってきております。
これも実績ですが、まず不要物品のほうは、この22年度のオークションからずっと毎年オークションに出しておりまして、25年度までの4年間になりますが、99品、150万円の売却を致しました。
それから、土地のほうにつきましては、これもちょっと他事例を見ながら、あくまでも今までは公平の観点につきまして期限を締め切って、応募があった方の中から一番高いところといったような手法をとっておったんですが、23年度から先着順で売買していこうという方法も取り入れまして、23年度から26年度までの4年間で4区画、金額のほうは51百万円というような土地の売却収入を得ております。
あともう1点が、ネーミングライツに加えまして、現在進行中のものがありますのでちょっと御紹介をしておきます。
太陽光パネルの設置による行政財産の屋根貸しです。
これももう議員、十分御承知のとおりだと思います。
例のFITの制度が出ましてから、私もこの財務に来る前は自立循環におったんですが、色々な民間の方から不要の土地ですとか、それからこういう行政財産の屋根ですとか、そういったところを当社に貸してもらえんだろうかということで沢山のご相談を頂いておりまして、現在も今一つ踏み切れていないというような状況になっております。
ただ、公金が出る事業もありまして、これももう議員ご承知の通り、宮津小学校の南校舎とそこの宮津市民体育館の所には、それなりのパネルを設置しまして、緊急電源ということで避難時対応の電源措置もやっておる施設もあるということでご理解を頂きたいのと。
もう1点は吉津の公民館ですか、こちらのほうは建築段階でパネルを張っていこうということで太陽光パネルを設置致しております。
その他、保育所辺りにもちょっと小ぶりのやつを公のお金を使いながらやっておる物はありますということで、ちょっと経過と現在形ということで御報告をさせてもらいます。
【星野和彦 議員】
懇切丁寧なご説明を頂きまして、ありがとうございます。
次に、宮津市の行政財産の総数、それから主な具体例、更に有望な行政財産があれば、ご教示ください。
【小西肇 財務室長】
このご質問も多分行政財産のそういう有効活用という視点でのご質問だと思います。
これは以前に公共施設のマネジメントでも少し申し上げましたけれども、現在文化スポーツ施設を初めと致しまして、学校、それから都市公園なり児童公園、あと消防の車庫ですとか公衆トイレ、駐車場、ターミナルセンター、市営住宅などなどで、現在本市にある行政財産は約300と承知を致しております。
この有望な行政財産があればというご質問でした。
有望と申し上げますか、逆に言うと、広く使えるというものだと思うんですけれども、私のほうと致しましては、人が多く集まる施設、文化とかやっぱりスポーツ施設なんかなという気がしますし、あと人が行き交う施設という所も色々財産活用ができるんじゃないかということで、駐車場ですとか、あと議員も触れられましたが、丹鉄の駅舎ですとか、あと道路沿いにあるような公共施設、こういった物が有効に使っていけるんじゃないかなという具合に思っておりまして、具体の例ということで申し上げますと、やはりそちらのほうに集中しております宮津会館を初めとする文化施設、これが数えると15施設程あるということです。
それから、体育館を初めとするスポーツ運動施設、こちらのほうも4カ所ほど使える所がありそうだということ、それから、島崎公園を初めとする都市公園、これも14施設程あります。
その他この役所の庁舎、それから各種学校、あと住宅といったところで、そういう意味で本来の目的を維持しながら、更に付加価値をつけていける財産としては、そういったところが具体の例かなという具合に思っております。
【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
次に、主な行政財産における年間利用者と観客数、それから交通量ですね、これをご教示願います。
【小西肇 財務室長】
ただいま申し上げました主な行政財産における利用の実態と、それから交通量はどうかというご質問でした。
まず、スポーツ運動施設です。
ただいま宮津市民体育館とか例を申し上げました。
この関係でいきますと、今から申し上げますのは、23年度から25年度までの3カ年の年間平均利用を申し上げます。
宮津市民球場では12千人、それから宮津市民体育館では71千人というようなデータが残ってまして、スポーツ運動施設で全体、年間約83千人位が利用をされておるという具合に分析を致しております。
それから、ターミナルセンター、現在は丹鉄の駅舎ですけれども、ターミナルセンター、市内8駅の年間利用も出ておりまして、約59万人が駅舎に出たり入ったりしておるということです。
尚、現在は丹鉄ですが、KTRの時の利用者としましては、鉄道利用者は190万人でございましたので、このうちの59万人はこの宮津市内の駅舎を利用されとるんじゃないかなという具合には思っております。
それから、先程も少し出ておりました駐車場です。
駅前とそれからあそこの浜町と先ほど出てました天橋立という3つの公営駐車場でございますけれども、これも3カ年平均で年間約154千台ということになっております。
ただ、こちらのほうは、もう議員もご承知の通り、まちづくり推進機構、我々職員も毎日置いてますので、そちらの方の利用台数が154千人の内かなり入っておるという状況です。
それから、文化の関係では宮津会館です。
こちらの方が3カ年平均で17千人、それから、そのお隣のみやづ歴史の館、こちらのほうでは54千人というような利用者になっております。
それから、続きまして交通量の関係です。
余りデータは少ないんですけれども、交通量は25年9月に市の方で12時間交通量を調査致しております。
何ポイントかやっておりまして、国道176号の市民体育館の交差点の所ですが、上下合わせまして、1日12時間ですが、13,400台の車が行き来をしておるという結果です。
それから、中町をずっと行きます府道綾部大江宮津線のコーナンさんが建っております、あそこの前ですが、上下といいますか、南北方向といいますか、あれが6,200台、それから、そこにタッチします市道鶴賀宮村線の入り口のところがあります、これが3,700台というような結果が出ております。
通常9月ですので、これぐらいの台数が日々走ってるんじゃないかなというぐあいに踏んでおります。
それから、もう1点が少し古いんですけれども、22年に道路交通量センサスが出ております。
これは国道176号の漁師町での24時間交通量を調べたものでございますけれども、25,200台となっております。
1日にするとこういった車が走ってるんだなという具合に思います。
それから、もう1点、今日ちょっとご紹介をしておきますのは、高速の宮津天橋立インターチェンジの利用状況と。これ毎月利用者数が来るんですけれども、これも24年度から26年度の年間平均でございますけれども、インターチェンジから宮津へおりる車ですけれども、これが382千台。それから、逆にこのチェンジから乗る車ですが、375千台というようなデータが出ておりまして、今後益々増えてくるんだろうという具合に思っております。
以上でございます。
【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
ちょっと今のご回答の中で、交通量、これは平日になるのか休日になるかで宮津の場合、大きく変わってくるかと思うんですけども、こちらは何れになりますか。
【小西肇 財務室長】
市のやりました25年9月の調査は、9月19日でして木曜日でございます。
ちょっと国のほうのやつはちょっと21年の方は分かりませんけども、恐らく平日だと思っております。
【星野和彦 議員】
了解しました。
マーケティングというのも、これ必要なことで、これから京都縦貫道の開通に合わせて、平日と休日との交通量の差というのは、こういった今後看板を設置しようとか、あるいはこの観光を考える上で大きな数字の根拠となるところなので、是非ちょっとその辺の数値は今後鋭意とって頂きたいなというふうに思います。
それで、次ですけども、宮津市の行政財産における主なイベントの開催状況、これを教えてください。
【小西肇 財務室長】
主なイベントというご質問でした。
議員もこれも多分ご承知だと思いますが、なかなか、ああ、あの大会かというものはちょっとないんですけれども、本市におけるイベントの開催がされる施設の方は、やはり市民球場、それからあと、市民体育館と、あと文化のほうでは、宮津会館と歴史の館かなというぐあいに思っております。
何れの施設で開催されるイベントも全国、それから近畿、京都府規模の大会やイベントということになっておるんですけれども、開催のほうは非常に少ない状況です。
近年の状況を申し上げておきますと、市民球場では25年、例の宝くじ収益金の関係で宝くじドリーム・ベースボール、これが東京のほうから来て頂いたということで、この時は大盛況でございまして、全部で4,300人程の方が市民球場に足を運ばれたという実績が出ております。
それから、バスケットボールの関係でも予算も市民体育館の方でお願いをしておるんですが、バスケットボール、BJリーグはやってきてくれるということで、来られますと2試合程してもらえますので、この時に1,600人の方がバスケットボールを楽しんでいただいておるということになっております。
この関係もありまして、バスケットボールの高校選抜大会の京都府予選も開催をされました。
この時も2日間開催されるんですが、延べ1千人というような利用状況でございます。
それから、文化の方につきましては、歴史の館の方は人数が多いんですが、ちょっとホールが小さいんで、宮津会館の方で大きなことはされるということなんですが、これも宝くじ関係で過去何回か来てもらっておるということなんですが、ちょっと悲しいかな、私が役所に入ったころは結構コンサートがあったんですけれども、今頃はちょっとコンサートの方が減ってきてるなということになっております。
それから、もう1点がご紹介をしておきたいのは学生駅伝です。
これは、これは駅伝ですのでずっと走ってくるんですけれども、関西学生対抗駅伝競走大会というのが、この丹後半島で大体根づいてくれるんかなということで、1回競争大会がやられると3千人位の方が入って来られるという具合に聞いております。
以上でございます。
【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
今のご回答の中で宮津市民球場の利用について、私も昨年30年振りに宮津に帰ってきてちょっと驚いたのが、高校野球の地方大会ですね、これが宮津から見に行けたと昔は記憶しておったんですけども、これが今、見に行けないと。
今年は7月18日に京都縦貫道も開通します。
そうすると、京都市内から1時間弱で来れますんで、太陽が丘の渋滞のことを思えば、宮津市民球場というのはこの候補になるなと。
それと、やっぱり野球を見るというのは、これは私の世代ぐらい迄は特に非常な楽しみで、かつての宮津高校の善戦ぶりというのに非常に拍手を送ったり、あるいは負けたときの悔しい思いをしたり、これは宮津市民にとっての娯楽の一つでもあるかと思うんです。
この市民球場の方で高校野球の誘致というのはできないんでしょうか、これをお伺いします。
【藤本長壽 教育長】
お答えをさせて頂きます。
昨年、高野連の方から視察に参りまして、その高野連の方から何を視察に来たかと言ったら、実は、宮津球場の電光掲示板の件で見えました。
要はスコアボードの件なんです。
高校野球が開催されるのは、球場としては5会場、今、わかさ球場、昔は西京極と、それから太陽が丘、ほんで、もうちょっと前は黄檗という所でやってたんですけど、今ほとんど使っておりません。
それと後は、北部でやるというふうなことで、失礼しました、だから3会場になるんですかね。
ただ、北部会場というのは、舞鶴、福知山、宮津、ここが3年に1回ずつ、だから、福知山の次は舞鶴ですよ、その次は宮津ですよという、3年に1回のローテーションであったわけですけども、段々と施設等が改善されるというふうな中で、宮津はスコアボードに入って掲示する選手たちの健康と、非常に暑いんです。
その健康上、問題があるということで打ち切りを実は言われました。
これも教育委員会、あるいは市とも今後対応を考えていかなければならないんですけども、今のところ、高野連主催の夏の予選については宮津はないというふうにご理解頂きたいと思います、非常に残念でありますが。
【小西肇 財務室長】
今、教育長の方から、今年の大会に向けてのやりとりが色々説明をされました。
先程の利用人数等の関係もあるんですが、今後の方向として、それがネックになってまして、そういう大会がこちらのほうに来れないという原因もあるということですので、これについては、ここ7・8年前位から、ちょうどストライクのボールのあれの変わりましたので、全国サッカーくじ、これ国立競技場のところに事務所がありますけれども、サッカーくじの方にいわゆるスコアボードいうんか、例の全部をちょっとやり替えたいんだということで、70百万円から1億円程かかるんですが、助成金を頂きたいということで要望を重ねたことがありました。
あちらの方も制度を変えられますので、当時は決断すればいけたんですが、ちょっとあちらの方が制度を変えられまして、スコアボード単体でリニューアルというものが実はことしから拾えなくなったということで、もう少し複合的に球場をリニューアルしたいということで持ってきてもらえれば、totoのこの「toto」というマークも入りますのでサッカーの宣伝にもなるなということで、ぜひ球場全体をリニューアルする時には、当財団の助成金を当て込むように早く相談に来てくれというようなことが、ここ4・5年位前にあって、ちょうどそれからきょうになっておるということなんで、今日は議員言われました利用者数なり、施設の更なる有効活用といった面でスコアボードがちょっと問題であれば、やっぱりあそこを直していかんなんなというような課題は現在持っております。
【星野和彦 議員】
了解致しました。ありがとうございます。
個人的に言うと、宮津高校の卒業生として120年間の歴史で一度も平安に勝てたことがないと。
だから、それを平安に勝つところを私は見たいんで、しかもそれを宮津で見たいというのが私のライフワークの一つでございます。
今の宮津高校の方には頑張って頂きたいですし、何とか誘致できるように知恵と汗を出して何とかお願いしたいというふうに思います。
この以上4点の行財政産の現況を伺いました。
これを踏まえて、行政財産の具体的な有効活用についてお伺いします。
まず1点目がネーミングライツです。
ネーミングライツは野球場や体育館等の運動施設にスポンサー企業の社名やブランド名を名称として付与する権利で施設命名権と翻訳されます。
米国では、1990年代後半から急速に広まり、今の野球場やアメリカンフットボール場の多くがスポンサー名のついた施設に変わりました。
日本では、東京都調布市にある東京スタジアムが、2003年3月より5年間に12億円の契約で「味の素スタジアム」という名称に変わり、これが国内で初めての公共施設のネーミングライツとなりました。
因みに地方自治法において、施設命名権の売却は公有財産の処分に当たらないため、各自治体の議会で議決の必要がありません。
その後、広島市民球場等、日本各地でネーミングライツが広まり、近隣では兵庫県三田市において、2013年から3年間、城山公園の野球場と体育館が東京の日比谷花壇の関連会社、日比谷アメニスをスポンサー企業として、各々をアメニスキッピースタジアムとアメニス城山体育館に名称変更し、毎年各々60万円、両者合わせて毎年120万円の命名料を受け取っております。
財政が困窮する宮津市における今後のネーミングライツの検討についてご教示願います。
【小西肇 財務室長】
このネーミングライツ、冒頭少し申し上げました。
私の方としては、これからだという段階でございます。
これも議員触れられましたように、いわゆる施設に命名権を付与するということで一定の対価を得て、施設所有者にしますと、その施設の管理運営費の一部にその対価が当たっていくということで、議員触れられた、非常に財政が厳しいという本市において、運営費の一部になるということから、今後、積極的に取り組んでいかんなん事柄だという概念を持っております。
これは議員にここまで申し上げなくてもいいと思うんですが、一つは企業にとってのメリットといいますかいうことで、ちょっと私も色々調べるんですが、当然メディアにその施設が流れたり映ったりするという露出をするということで、その企業側にとれば、宮津市に支払う命名権料以上に宣伝効果があるというように思われると思います。
実際、全国的にどうなんかなというところでちょっと調べて見ますと、この24年に地方自治総合研究所といったところがアンケート調査をされております。
当然それが公表されておりまして、導入済みの全国74団体、160施設、これについての分析がなされております。
私もなるほどと思ったのは、その内の96%が人口20万以上の市町村ですとか、都道府県の所有施設といったところで、小規模市町村では少ないなという具合に思いました。
ただ、これにつきましてもまた違う書類を見ますと、小規模市町村でも、議員触れられたように、命名権料のお金そのものの費用対効果というところもあるんでしょうけれども、やっぱり地域貢献という企業も沢山いらっしゃるということで、小規模市町村だからこのネーミングライツは難しいという考え方はないなということで、積極的に取り組んでいかんなん事柄だという具合に私も考え方を改めました。
というところで、いずれにしても、財源確保の問題と、それから、そこに命名権料を払って頂ける企業との間のお話になるんですけれども、市民の側にとれば、名前が変わるんかとかいうような愛着を持っておられる方がもしかするとおられるかも分からないといったことがあったり、色々な開催通知を見ても、今まで宮津市民球場やったものが〇〇スタジアムとかいう名前に変わることで不便さが残ることもあるんかなといったことも少し考えられるところもありますので、そういったところに十分配慮を致しまして、市民へのメリット、財政上のメリットということと、それから、企業の思い、こういったところを十分踏まえまして、今後、しっかりと取り組んでいく方向で検討をしていくように思っておるところでございます。
【星野和彦 議員】
前向きに検討されるということで了解を致しました。
私が先ほど申し上げた、この近隣でいう兵庫県三田市ですね、こちらが体育館とそれから球場のほうと2つネーミングライツを成功させております。
ここの入場者数、これを比べますと、実は野球場の方はとても及びません。
何故かといいますと、あちらの三田市の方は、地方リーグの野球の会場になっております。
しかし、体育館の方の数字を比較しますと、宮津の市民体育館の方が三田市より上回っております。
これは、地元の企業の民間活力のなせる業だと思うんですけども、大学生等の合宿を呼びまして体育館を全面的にお使いになられてます。
この手法が成功して、その旅館についても非常に回転率が上がってます。
この辺りもやはり参考になるんじゃないかと。
一つ一つ問題点をつぶさに潰していって、クローズアップしていくと色んなことが見えてきます。
ですから、前向き検討を頂けるということであれば、体育館だけについてでもまず1点集中してそこから活路を見出すと。
それがまた新しい企業、次の企業、どんどん呼んでくるんですね。
それとまた、宮津の中でも活性化するはずだと思います。
ぜひ具体的に今後前向きなお話をしていきたいと私も思いますのでよろしくお願い致します。
次は、看板の設置についてお伺いします。
浜町立体駐車場において、事業運営する株式会社まちづくり推進機構が昨年特別清算となった後、ここが宮津市の行政財産となり、天橋立を世界遺産にする看板を除き、商業用看板が撤去されましたが、その経緯とまちづくり推進機構が運営した時代の直近3期分の看板収入額をご教示願います。
【小西肇 財務室長】
このまちづくり推進機構が経営をしておりましたパーキングはままちの時の成果というご質問だったと思います。
これは私も当時ちょうどそこにおりまして、なかなか会社の運営が上手くいかないということで、これ去年の臨時議会でもお願いを致しました。
結果的に特別清算ということになりましたけれども。当時、運転費用、収入の増加策ということで、あそこの壁面の看板広告に着手したということでした。
当時は、この国道側のブルーの帯のところにずっと張っていったんですけれども、一部看板の形がバラバラでありましたり、それから、景観の面からちょっと如何なもんかということで要望がたくさん出まして、会社にすると大きな収入源やったんですけれども、15年度に一旦看板広告は中止を致しました。
その後、非常に大きい収入源だということで会社の方でもう一度再考されまして、看板のサイズを統一していくということで再び設置に踏み切られたということになってまいりました。
その時にちょうど私も対応しておったんですけれども、強い思いを持って取り組んだ記憶があります。
この当時の年間収入ということなんですが、一区画年間10万円、一区画が1枚のパネルが10万円ということで、あの当時は3カ年計画やったと思うんですけれども、3カ年看板を張ったままにしますので、毎年10万円を3年分、前払いで頂くというような制度だったと思います。
当然何かあるとストックして、それをお返しせんなんという制度やったと思うんですが、そのまちづくり推進機構が経営をしておった時の実績と致しましては、23年度で230万円、それから24年度で、これは少し看板が減ったと思うんですが、200万円、25年度に当たっては160万円ということで、多分単価を下げたんじゃなしに、看板掲出業者が少し減ったんかなという具合に記憶を致しております。
それと、現在は看板を張っておりません。
これについては特別清算で市の行政財産になったということになりました。
これは、原則公共施設になりますと、公共目的、今、世界遺産とかは張ってありますけれども、一定の公共目的を持たない広告物、これについては設置ができないということで、京都府の屋外広告物条例に抵触するということから、世界遺産関係、それから〇〇大会参加とかいう祝勝の垂れ幕というんか、ああいったものを除いて撤去させて頂いたということで、今はかかっておりませんけれども、そういう経過を踏んだ屋外看板でございます。
【星野和彦 議員】
京都府の条例の方でこれが厳しい条例だと思いますけども、どうなんでしょうか、この景観を汚さない程度というか、これは法律って色んな抜け道と言ったらあれかもしれませんけども、色々借用の仕方があるかと思うんですね。
実際のところ、あそこに看板があると広告効果って大きいかと思います。
それから、先ほど申し上げた交通量ですね。
これ比較していくと、この7月以降というのは爆発的に増えるはずです。
そうすると、そこの広告料というのは必ず取れるのじゃないかと。
それを条例があるからととじゃなくて、その条例の応用する何か手だてっていうのは考えてらっしゃるんでしょうか。
【小西肇 財務室長】
この屋外広告物条例なんですが、あえて京都府がこういう条例を設けたということで、これも第1条に、条例いうんは1条読むと大体顔色が分かりますので、条例設置の趣旨というのは、あくまでもやっぱり規制条例です。
いわゆるこういう看板は掲出してはならないとか、こういう地区にこういうものはだめだというような規制条例になってます。
この条例に抵触しない方法を考えるということになります。
ちょっと何が書いてありますかいいますと、この京都府の屋外広告物条例の3条に、一つ、景観地区、それから官公署、こういうところとか学校とか、そういう公のところの建物、それから敷地、こういったところに広告物を表示したり、いわゆる張ったり、掲出物件を設置したりすることはまずだめですと書いてあります。
今度5条の方にも、道標、案内板とかそういうことで、公共的な目的を持っておるものにさらなる広告物の掲出物件はできないということになってます。
ただ、最後のほうに、知事の許可を受けた場合はこの限りじゃないというのが書いてあります。
これが規制条例の原則だと思ってます。
ただ、6条の方に、今度は国と地方公共団体、いわゆる公共的その目的を持って表示するものについては、その今の4条、3条、5条ですか、これを適用しないということになっておりまして、我々といたしましては、単なる事業者の宣伝看板ではダメだということで、業者の方とお話をせんなんですが、市の行政目的を一定配慮してくれる看板であれば、この規制条例に当てはまらない看板と理解をしてもらえるんじゃないかということで、まずは、公共的目的を持たせることを十分議論をして京都府とご相談するということになろうかと思います。
【星野和彦 議員】
もう少し掘り下げますと、例えば具体的に言いますと、メーカーのお菓子の会社がありますと、お菓子の会社があってそこの商品を売り込みたいといった時に、例えば天橋立をモチーフにしてお菓子の天橋立を看板にするとか、あるいは宮津出身者のOBでこれで色んな業界の方がいらっしゃいます。
電気会社の社長さんであったり、水産会社の社長さんであったり、そういうところって、例えば魚の看板を作って頂くとか、6条を応用してできることはあるんじゃないかなと思うんですが、如何でしょう。
【小西肇 財務室長】
確かなことは今日ちょっとようご答弁しませんが、他の例を見てますと、当然看板を設置する側にも費用がかかります。
今はちょっとパーはまに絞ったような話になってしもうとんですが、例えばこの庁舎内にも置く場合があります。
置かれる側とそれから私のように置いてもらう側でうまいこと話ができるということで、この条例も屋外広告物ですから、屋内は縛ってないということになります。
例えば、屋内に置くものであれば、宮津市の地図情報を載せれば公共的じゃないかとか、あるいは宮津市の行政施策を一部を色々なもので流してもらうとかいうことで、365日ある業者の宣伝ばっかりだということじゃなければ、公共的目的を持った看板として理解をしてもらえるんじゃないかというところで、現に名古屋とか横浜あたりではそういったことをやっておられますので、そういった思いを屋外広告物においても認めてもらうということで、ちょっと具体のお話を府の方とまだしておりませんけども、そういうことであれば、この6条1項に該当するんじゃないかという具合に私個人的に思っておりますので、また今日終わりましたら、早急に京都府の方とどのレベルであれば公共的目的を持った看板かといったことで至急ちょっと情報のやりとりをさせてもらいたいと思っております。
【星野和彦 議員】
了解致しました。
今お話ししてたのが、どうしても皆さん浜町の立体駐車場を中心に捉えたような感がありますけども、そこだけに限らず、冒頭に申し上げた駐車場とか、それは文珠の天橋立の市営駐車場であったり、あそこも厳しいかもしれませんけど、宮津駅の隣の駐車場であったり、公共の施設結構見渡しますと出せるところってまだまだあるかと思うので、その辺を具体的にもう少し検討して頂きたいというふうに思います。
次に、電光掲示板の設置についてお伺いします。
他の市町村には電光掲示板を導入している自治体や企業がありますが、その状況を把握していらっしゃればご教示願います。
【小西肇 財務室長】
まず最初に、議員がちょっと今触れられましたご要望でございましたけれども、私の方と致しましても、あそこの立体駐車場はもとよりですが、議員がちょっと触れられました道路交通量の増加を見込みますと、当然国道の付近にもやっぱり何か看板を置くこともいけるなという具合に思ってまして、海の京都ですとか、色んな文字を入れることで公共的目的を持った看板になるんじゃないかなということも十分考えられますので、例えば浜町の周辺ですとか、あと文珠に行くまでの西宮津公園の付近ですとか、東のほうであれば、東波路団地の大きなのりがありますのでああいったのり面ですとか、そういった所を十分ピックアップいうかプロットに集中して今からやっていきたいという具合に思っております。
それからもう1点が、屋外看板になりますと、ちょっとこれ私も、えっと思ったんですが、私のほうは行政財産の使用料条例があります。
あれをちょっと見てますと、自動販売機の設置でこのフロアのお金が書いてあるんですが、壁面利用のお金が書いてないということもありまして、ちょっと条例の一部改正が要るんかなということも踏まえて今検討をしておるところでございます。
それから、電光掲示板の他の市町村の導入状況ということでございました。
電光掲示板につきましては、何点か導入パターンがあるというぐあいに思っておりまして、一つは公共団体、これが行政情報を発信するということで、公共団体そのものが電光掲示板を設置しまして、そちらの方に広告を募集していくということで、設置費なり電光掲示板の維持費の一部について、民間の広告料の収入を充てておるという事例がまず見られます。
それから、もう1点が、私はこれだなと思っておるんですが、電光掲示板の設置から維持管理まで全て民の方にお願いをするということで、地方公共団体のほうは用地を提供するというようなことでやられておる物もあります。
非常にこれがいいかなと思っておりますが、なかなか行政情報の流してもらえる時間ですとか、そういったところで一部制約がかかるんかなという気はします。
そういったところでやられておるパターンがあるというぐあいに思っておりまして、今後そのパターンに沿った事例を見ながら、もう少し深掘り研究が要るんかなというような段階でございます。
【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
今お答え頂きました、民間のほうで委託をするやり方というのは具体的にどういったところか教えて頂けますか。
【小西肇 財務室長】
この今申し上げました2つ目の事例についてはまだ少ないようでございます。
ちょっと私の方が調べたのは、やっぱり少し大きなところかなということ、大きな都市といいますか、いうようなところかなということでした。
一番新しい私のほうが入手したものでは、名古屋市でやられておるということで、この辺も非常に大きな市ですけれども、技術的にどういうことになっとるんかなというところを少し分析せんなんなという具合に思っておる段階です。
その他、多分少し深掘りをすれば、最初のほうの事例なり、今の民間のほうの事例なりが出てくるんだろうと思っておりまして、今日のところは更にこういうところがありますという答弁はできませんけれども、今後、こういう方法で増えてくるのは間違いないという具合に思っております。
【星野和彦 議員】
了解致しました。
電光掲示板を設置すると、市政情報、おっしゃられた通り、イベントの時のアナウンス、様々な情報発信に活用できるかと思います。
前回のゴールデンウイークの浜町のほうに車を停めて船で天橋立に行きましょうといったことも、もっと手前の方で設置して、もっと車の運転手さんに見えるようにしてたらもっと流れが変わったかなというふうに思います。
是非その導入について、前向きにご検討頂きたいというふうに思います。
ちょっとこの具体的な話というのは難しいかもしれませんけど、あえてお伺いしますが、この宮津市の行政財産において、電光掲示板のこの設置を検討できる施設ですね、場所、具体的な候補地というのを、また可能性ですね、この辺もちょっとお聞かせ頂けますか。
【小西肇 財務室長】
今、議員のほうが一つ少し例に出されましたゴールデンウイークの関係です。
これは、パーク・アンド・クルーズということで5月にやりました。
車をとめて頂いて船で文珠へ行って頂くということをやりましたけれども、その後、役所の中でもやった結果について分析というんか反省というんか、今後の課題を出していくという会議をやるんですけれども、その時にも議員おっしゃいました、宮津インターを降りてからでは少し遅いんじゃないかということで、同じドライバーに案内するんであれば、インターチェンジを出る前に満腹祭やってますとか、立体駐車場に車を置いて船で文珠のほうに渡ってくださいとか、文珠のほうの渋滞情報はこんなんですよとか、そういう効果的な情報を出すのであれば、もう少し東側だなという意見が出ております。
そういったところからいきますと、場所が限られてくるんですけれども、一つは、高速道路でいきますと、大江山トンネル、宮津綾部道路、高速道路の大江山トンネルというのがあるんですが、辛皮側の入り口の少し上ほうに財産区の土地があります。
こういった所がドライバー目線でいくと目につくんじゃないかなということと、あと、そこを過ぎまして、宮津天橋立インターまで来る間に道路の上に2本、橋がかかってます。
これが市の橋です。
橋の横側を使うといいますか、2つかかっておる橋を利用して帯状に電光掲示板を設置していくこともできるんじゃないかなというところで、インターを出るまでの案内場所をまずいい所を探さんなんなということです。
今度、それを出ますと、やはり観光交流センター、浜町周辺にもう一本あったほうがいいなという具合に思っております。
それから、もう1点が鉄道利用もありますので、ターミナルセンターですとか、あと、鉄道沿線で少しいい所がないかなというところで、どっちかいうと、交通の視点でここにあったほうがいいなという所を探し込んでいかんなんということで、今申し上げた具体の例については何とかこの辺に置きたいなという思いで現在はおります。
その他にもまたいい所があれば、流す行政情報と民間さんとのお見合いの話で置いていける所があれば置いていきたいなという具合に思っております。
これが恐らく最終的には、資金の調達手段にも来ると思うんですけれども、導入時の資金調達と行政情報の時間がどれぐらい頂けるんかなということと、あと民間さんのほうのいわゆる宮津市に支払う金額との兼ね合いがあるんだろうなという具合に思っております。
【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
この本質問の答弁において、宮津市における行政財産の有効活用について、今後いろいろな前向きな検討が期待できると私は感じました。
本年7月18日に全線開通する京都縦貫道によって、今後宮津市の流動人口増加が大きく見込まれます。
宮津市内外の民間企業へ広告依頼を広く行うことで市内の民間活性化と市外からの企業誘致、資本の活用に繋がると思料致します。
本質問に対して井上市長のお考えをお聞かせください。
【井上正嗣 市長】
宮津を積極的に全国にPRしていくこともできますし、色んな形でまた宮津のほうの活性化のほうに繋がっていくことが考えられますので、この広告ですね、いろんな形で塔なんかを使いながら積極的に取り組んでいくべきだというふうに思っておりますので、今後ともご支援のほうを頂ければ本当にありがたいと思いますので、よろしくお願い申します。
【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
7月の開通というのも、先程のありますけども、可及的速やかにこの宮津市の行政財産が有効に活用されるべく、微力ながら私もサラリーマン時代に築いたツールを積極的に提供したいと思っております。
宮津市の職員の皆さんも一層奮励努力されることをお願いし、この第1問目の質問を終わらせて頂きます。
続きまして、第2問目の宮津駅東部の治水対策についてお伺いします。
人口が集中する宮津駅東部を流れる大膳川と吉原下水路は、上流の第1旭が丘北東の山間部を水源として繋っています。
平成16年の台風23号は、死者4名、浸水家屋2,667棟という、宮津市に未曽有の大災害をもたらし、第1旭が丘北東の山間部も荒廃しました。
以後10年間にわたり大膳川と吉原下水路に土砂が堆積し、集中豪雨時の水害が危惧されています。
その治水対策について伺いますが、後述する第1旭が丘の治山工事対策と二級河川の大膳川は京都府の管轄になることから、両者については京都府への要望と連携を前提として、本質問では宮津市の管轄する吉原下水路の治水対策を考察したいと思います。
まず、第1旭が丘についてお伺いします。
大膳川と吉原下水路の上流にある第1旭が丘の山間部は上述の通り、平成16年の台風23号で荒廃してから吉原下水路と大膳川へ大量の土砂を流出していますが、京都府と宮津市の土砂対策に関する経緯についてご教示願います。
【山根洋行 産業振興室長】
ご質問を頂きました第1旭が丘背後の森林についてでございますが、議員お触れの通り、平成16年10月の台風23号豪雨によりまして、渓流及び山腹の一部が崩壊し、治山事業を所管します京都府丹後広域振興局農林部局と砂防事業を所管します建設部局間で対策手法の調整などを図られて、補助治山事業等により実施することとして準備を進めて頂きました。
しかしながら、平成19年度の事業実施の段階におきまして、地権者の一部の方から同意が得られず、事業休止となっており現在に至っております。
【星野和彦 議員】
この平成16年の台風23号による被災箇所は、この市内全域にわたっております。
第1旭が丘は治山事業として京都府が対応した旨を了解致しました。
一方、この隣の第2旭が丘では、砂防事業として整備が進んでいますが、その経緯と工事概要をご教示ください。
【山根洋行 産業振興室長】
治山事業にかかわってのご質問ということで、私のほうからお答えをさせて頂きたいというふうに思います。
第2旭が丘の砂防事業につきましては、平成16年の台風23号で甚大な被害を受けた大手川流域の辻川上流で実施されている事業でございます。
流域は、以前より荒廃が進み、不安定な土砂が堆積していることから、土砂災害発生の可能性が高い土石流危険渓流でございました。
氾濫区域以内には人家約100戸、また、災害時に避難経路となる市道がございます。
もし土砂災害が発生しますと、甚大な被害が予想されるため、砂防堰堤などを設置するとしまして、京都府において事業をお世話になっております。
本事業は、京都府により平成19年度に測量及び実施設計業務が実施され、用地買収等を経まして、平成25年度からですけれども、砂防堰堤2基、流路工一式の工事に着手されております。
進捗率は約50%と伺っておりますが、平成29年の完成を目指して進めて頂いておる状況でございます。
【星野和彦 議員】
工事費用は大体どれぐらいですか。
【山根洋行 産業振興室長】
お伺いしましたら、総事業費、先ほど事業概要につきましては、堰堤工2基、流路工一式ということで、約69mなんですけれども、総事業費約4億円というふうに伺っております。
【星野和彦 議員】
かなり大きな工事だなということを理解します。
因みに、この宮津市内における京都府の治山及び砂防に関して、直近の施設整備状況と要望数を把握されていれば、ご教示願います。
【山根洋行 産業振興室長】
市内におけます治山施設の直近の整備状況でございますけれども、平成16年度以降、滝馬地区の他10カ所で実施しておりまして、現在では、市域全域で約80カ所、220基の施設が整備されております。
治山事業の要望でございますけれども、平成26年度におきまして、当第1旭が丘を含めまして12カ所要望し、協議を行っているところでございます。
続いて、砂防施設の直近の整備状況でございますけれども、先ほど説明をさせて頂きましたけれども、第2旭が丘地区内を流れます辻川上流で砂防堰堤の工事を進めていただいており、市域全域では約70カ所、90基の施設が整備されております。
砂防事業の要望につきましては、平成26年におきまして、新たに3カ所を要望しておりまして、治山施設、砂防施設を合わせますと、15カ所もの要望をしているという状況でございます。
【星野和彦 議員】
今のご説明でお伺いしますと、治山事業であり砂防事業であり、いずれにしても順番待ちというような状況なのかなというふうに理解します。
私はこの質問の1点目にお伺いしたんですけども、着工直前まで至った第1旭が丘は京都府の治山事業です。
これが平成19年にうまくいきませんでしたが、この8年間にわたって進行できなかったその要因、更にこの8年間の交渉経緯を教えてください。
【山根洋行 産業振興室長】
京都府において実施される補助治山事業等につきましては、実施要件として流域区域内の森林を保安林に指定すること。
更には、治山施設の整備場所の用地につきまして、無償での土地の使用承諾を土地の所有権者から得る必要があります。
しかしながら、地権者の方は当流域の施設整備の必要性は認識しておられるものの、砂防事業等の他の公共事業との事業用地に関する考え方の違いでございますが、御理解が得られなかったということで、地元調整の依頼を受けました本市といたしましては、その対応に苦慮致しまして8年が経過したということでございます。
交渉の際の地権者の方の考え方に対しまして、少しでもプラスがあればということがあったらよかったんですけれども、そのプラスの部分が見出せる状況ではなかったということで8年が経過してしまったという状況でございます。
【星野和彦 議員】
この8年間の間に色んな災害が出ております。
その間に交渉を進めるべく、京都府と一緒に宮津市側も動くべきではなかったかとは思うんですが、その辺は如何でしょうか。
【山根洋行 産業振興室長】
この第1旭が丘背後の山の森林の荒廃状況を考えますと、もっと密に地権者の方と京都府と一緒になってということでございますけれども、もっと密に交渉というところでは行っていくべきだったかなというふうに思っております。
【星野和彦 議員】
念のためにお伺いしますが、治山事業と砂防事業の違いについてお答えください。
【山根洋行 産業振興室長】
治山と砂防事業の趣旨や相違点の説明をとのことでございますので、若干述べさせて頂きたいというふうに思います。
治山事業は、森林法に基づきまして、荒廃が著しい森林を保安林に指定した上で、主に植生を回復するための植栽、それから、生育状況が芳しくない森林での間伐、渓流の侵食を防止する治山ダムの整備など、森林の保全を通じて山地災害から住民の生命、財産を守ろうとするものでございます。
所管官庁は農林水産省となりまして、施設用地等については用地買収を伴わない土地の使用承諾で実施されます。
一方で、砂防事業は砂防法に基づき指定された砂防指定地内で土石流の捕捉や土砂の移動を抑止しまして、土石流による災害の発生を防止することを目的に荒廃の見られる河川の上流域において砂防ダムや流路工などの構造物を設置し、下流域の住民の生命、財産を守ろうとするものでございます。
所管官庁は国土交通省となりまして、施設用地等については用地買収により実施されます。
治山と砂防ですが、山間の渓流や急峻な斜面で行われる工事としては共通点も多いんですが、森林法を根拠にする治山は森林の保全等を重視してまして、一方で、砂防法を根拠にします砂防につきましては、主に土石流から集落を守ることを重視しているので、こういった根拠法令の違いから、計画策定時の思想、構造物の設計手法が若干異なってくるということになっております。
【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
この京都府が進める第1旭が丘の治山事業が進捗しない要因、これは地権者の承諾が得られないと先ほどお伺いしましたが、その解決策として、山林までの進入ルートの迂回路、あるいは砂防事業への転換を考慮することも上げられます。
今後宮津市は、京都府と共同していかに対応されるかご回答願います。
【山根洋行 産業振興室長】
宮津駅東部の河川、それから水路の状況、吉原下水路等、それからまた大膳川等でございますけれども、そういった水路の状況を考慮しますと、治山事業など、抜本的な対策について早期に実現が図られますよう、議員の御提案の解決策等も含めまして、京都府と早期に協議して参りたいというふうに思っております。
【星野和彦 議員】
やはり今回の申し上げますけども、根幹が問題の根底のところがこの山のほうにありますので、何とかここに一日も早く解決策をと思いますので、今後も引き続き協議のほどよろしくお願い致します。
続きまして、この吉原下水路と大膳川についてお伺いします。
吉原下水路と大膳川において、市が把握している過去10年間の浸水被害状況を各々ご教示ください。
【坂根雅人 建設室長】
平成16年の台風23号以降も、やはりこの地域、台風やゲリラ豪雨で浸水を致しておると認識をしております。
直近の例では、10年間ということですけども、直近では24年はなかったんですけれども、25年で8月の豪雨、それから9月に台風18号やったと思いますけれども来ております。
それから26年、去年ですけれども、10月の6日ですか、これもまた台風18号ということで浸水があったというふうに認識しております。
浸水の箇所なんですけれども、大きくはやはり2つあると思っております。
一つは、丹鉄沿いの市道駅裏安智線の道路側溝が大膳川へ流入しておるところです。
地盤が低いということで大膳川の水位が上がります。
そのバックウオーターが来て浸水するという箇所と、それからあと吉原下水路が市道と横断する部分がございます。
これが2カ所で、上流、北のほうでこれは市道角田線ですか、の部分の暗渠、これはやはり地盤が低いということで、その部分で浸水を致します。
それと中橋惣線の部分で、これは主には土砂の堆積が原因だと思いますけれども、その暗渠部で浸水をしておるということでございます。
【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
この吉原下水路と大膳川の土砂を掘り取って運搬、処分する作業、つまり浚渫(しゅんせつ)に関するサイクル、1回当たりの集積数と費用、改修方法、以上4点についてご教示ください。
【坂根雅人 建設室長】
直近の浚渫(しゅんせつ)状況で申し上げますと、25年度に9月でございます。
浚渫を大々的にさせて頂きました。
吉原下水路の延長としましては290mあるんですけれども、下流部の135mにつきまして、土砂の量として54㎥浚渫をさせて頂いております。
また、これと併せまして、特別養護老人ホームの天橋園の南と西になりますか、その部分70mを20㎥浚渫をさせて頂いておりまして、費用的には270万円支出をさせて頂いております。
また、26年度、去年、この27年の3月でございますけれども、下流部100mにつきまして、30㎥、50万円で浚渫を行っております。
もう一つ、サイクルというんですか、手法というんですか、のお尋ねです。
これはご案内だと思いますけれども、1m程の深い下水路でございますので人力ではなかなか難しゅうございます。
小型のバックホーを下水路内に入れます。
それを下流部から上流の方へ、大膳川のほうへ土砂を運んでいくと。
暗渠の部分は人力にも頼らなければなりません。
それを大膳川との吉原下水路の合流のところで空き地がございます。
ショベル付きのバックホーで引き上げをします。
水切り後、要は処分場へ運搬するというサイクルでございます。
【星野和彦 議員】
了解しました。
非常に高額な工事になるんだなということを理解致します。
この宮津市全体で河川下水路、この浚渫(しゅんせつ)に関する前期とこれから新たに必要となる数、それと費用総額及び見込みをご教示ください。
【坂根雅人 建設室長】
今後の浚渫(しゅんせつ)というご質問なんですけども、災害とか起こる中で色んな要素がありますので、なかなか申し上げにくいところがあるんですけれども、当初予算で都市下水路は3百万円、浚渫経費頂いております。
それから河川で80万円ということでございます。
そのうち都市下水路でございますけれども、いつも申しておりますが、吉原下水路とともに西の部分です。
市街地の西部地域の下水路についても、背後に山を持っておりますので、この部分でやはり浚渫が必要でございます。
昨年の9月、26年の9月に浜町の中央ゲートよりも西側に5本都市下水路があるんですけれども、その内2本が見てみますと、土砂が5割以上堆積しておるということで、約760万円かけて浚渫をさせて頂いております。
また、吉原下水路につきましては、先ほど申しましたように、この3月に浚渫をさせて頂いておりますので、現在は土砂がほとんど溜まってないというようなことで、ただ今のところ、西のほうの池ノ谷下水路と横町下水路、そこに沈砂池があるんですけれども、それを1百万円かけて発注をさせて頂いております。
また、河川につきましては、予算80万円頂く中で如願寺線を浚渫をさせて頂く予定でございますけれども、今のところ、土砂の堆積がないということで今後の発注とさせて頂いております。
【星野和彦 議員】
今ご説明頂くと、今の宮津市、状況的に言うと非常にお金かかかるなと。
どうしても私ども素人の目から見ますと、建物なんかに予算が目が行くんですけども、こういった河川工事等の費用というのは随分とかかるものだと実感致しました。
ありがとうございます。
この吉原下水路なんですけども、これについて、特別養護老人ホーム天橋園の北西約50m地点、ここから西から北へ直角に流れが変わっております。
昭和40年代までは西に直進し、辻川へ注ぐ水路もあったと地元の方から聴取しています。
水路の構造上の問題点や現在の土砂堆積、浸水被害が人災に当たる可能性について検証されているか否ご御教示ください。
【坂根雅人 建設室長】
吉原下水路でございます。
昭和39年に都市計画決定を打ちまして、国の補助金をいただいて築造致しました。
昭和40年の6月に竣工を見たということでございます。
延長につきましては、先ほど申しましたように290m、水路断面幅が1.2mから1.7mです。
深さが1mから高いところで1.1mというようなことです。
水路断面や構造につきましては、当然吉原下水路に流入する流域面積をまず計測をさせて頂きまして、各種の基準で基づいて要は計画して築造をしたということでございます。
当然国庫補助を受けておりますので、そのような形できっちり築造はさせて頂いておるということです。
また、浚渫(しゅんせつ)につきましては、当然その随時見守る中で適時浚渫を行っておるということでございます。
【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
次に、大膳川の管理については、この京都府の管轄となりますが、この2番目の私の質問に対するご回答の中で宮津市が行う吉原下水路の浚渫(しゅんせつ)は、宮津駅東口、大膳川にかかる白雲橋南方約50m付近で吉原下水路から大膳川に注いだ土砂集積用の大型工で行うと伺いました。
春先に行われる年1回の吉原下水路の浚渫に対し、地元自治体から秋の台風到来時期にも浚渫を行って欲しいとの要望を伺っていますが、年間を通じた土砂堆積状況について把握されているか、また、今後宮津市が年2回の浚渫を行う可能性についてご教示ください。
【坂根雅人 建設室長】
まず、土砂の堆積状況につきましては、先程も申しました随時点検を行っておりまして、その把握に努めております。
そして、特に昨日ですか、梅雨入りを致しました。
この出水期前、5月に全ての都市下水路、市街地の下水路14本、これを職員見て回りまして、土砂の堆積状況、把握を致しました。
先ほど申しました浚渫が必要な箇所いうことで、沈砂池の2本については発注をしたということで、適時対応させて頂いておるということです。
先ほど申されました春と秋という中で私ども申し上げたんが、27年の3月にさせて頂いた。
その前が25年度が9月というような形で、春先にいうんは、定期的に春先をやっておるということではございません。
今申し上げましたように土砂の堆積状況を見て、適切な時期に浚渫(しゅんせつ)するということで対応をさせて頂いておるということでございます。
【星野和彦 議員】
了解致しました。
宮津市全体で、この吉原下水路同様の浚渫(しゅんせつ)や改修が必要となる河川、ひいては市道の整備等、公共工事に対する負担が過去の負債にあえぐこの宮津市の財政をさらに圧迫することを鑑みると、吉原下水において年2回の浚渫を行うことが難しい旨を理解致しました。
しかし、この大膳川と吉原下水路で大規模な水害が発生すると、人口が集中する宮津駅東部全域に甚大な被害が発生します。
本年1月に私の所属する会派、蒼風会で行政視察した徳島県名西郡神山町は、通信インフラ整備によるIT企業誘致の成功で有名となりましたが、その成功に繋がる礎の一つとして、平成10年に日本で最初のアダプトプログラム、これを導入しました。
その後、日本全国で400以上の自治体が導入し、現在500以上のプログラムが稼働しています。
アダプトプログラム、この横文字ですけども、これは、市民と行政が協働で進める清掃活動をベースとしたまちの美化事業を言います。
アダプトADOPT、これは英語で何々を養子にすると、こういう意味です。
一定区画の公共の場所を養子に見立て、市民が我が子に対する愛情のように面倒を見る、つまり、清掃美化して行政がこれを支援する制度です。
この吉原下水路において、アダプトプログラムのような宮津市の制度を適用することは可能でしょうか、ご回答ください。
【坂根雅人 建設室長】
議員ご提案の、そのアダプトプログラムでございます。
本市におきましても、平成14年度に宮津市さわやかボランティア制度ということで、同じような制度を立ち上げをさせていただいております。
その14年度から道路、公園等が中心でございますけれども、現在までに16の団体の皆様方に里親のご登録頂いて、環境美化活動を実施して頂いております。
城東地区におきましても、城東壮青会さんということで、道路でございますけれども、城東タウンから天橋園までの歩道の部分の美化活動に19年の時に登録を頂いてお世話になっておるというような状況でございます。
市と致しましては、この区間を地元の方にお世話になっておるんだということで、市のサイン看板の設置、それから清掃用具の貸与または支給をさせてもらったりしております。
また、清掃回収して頂いた一般廃棄物の処理を行うというような形で、本当に市民協働での道路、公園等の維持管理を行って頂いております。
そんな中で、この吉原下水路の浚渫(しゅんせつ)の適用ということでございますけれども、先ほど少し述べましたが、毎回やっぱり20㎥から30㎥の浚渫をしますと、土砂の量が出てまいります。
30㎥というと、やはり土のう袋1千袋位になるのかなと思っております。
1袋0.03㎥位ですんで、割りますと1千袋位になるのかなということで、このさわやかボランティア制度、アダプトプログラム制度のその環境美化活動以上のものになるんだろうなというふうに思っております。
そんな中で、当初予算の議論のときにも申し上げさせて頂いたんですけれども、生活に密着しております道路や公園、また、水路などの公共施設、本当に老朽化を致してておりまして、整備が必要な箇所も多くございます。
地域からも本当にたくさんの要望を頂いております。
これに対しまして、少しでも早く多くお応えができるような仕組みづくりをということで、小規模の修繕とか浚渫については、地域で実施して頂だけないか。
そして、市としては実施して頂くために重機が必要でございましたら、重機のリース代、そして燃料費等々を出させて頂く、こんな仕組み作りを1年間かけて検討したいというふうに申し上げておりました。
そういった中で、この4月でございますか、府中の天橋自治会さん、だんご川の浚渫をお世話になりました。
市のほうからは重機の借り上げ料、そして燃料代等を支給をさせて頂いた事例もございます。
宮津駅等の城東地区の浸水対策、これはやっぱり管理者であります宮津市、そして京都府が当然、吉原下水路、そして大膳川の適時適切な浚渫を行うことは、言うまでもない第一義、まずこれが大切です。
しかしながら、災害に対して何とか自分たちの地域は自分たちで守っていただくという共助の精神というんですか、共助の観点からも何とかこの地域で補完して頂けるような手法、こんな部分がとって頂けないか。
今後地域の皆さん方と中に入りまして検討させて頂きたいというふうに思っております。
【星野和彦 議員】
坂根建設室長よりご教示頂いたこの宮津市さわやかボランティア制度の活用、それから、本年1月に施行された天橋自治会のだんご川泥上げ清掃事業のように、この吉原下水路においても地元自治会と宮津市が協議をする手法で宮津駅東部の治水事業を進めるべく、宮津市の御尽力を願うとともに、宮津市全域でアダプトプログラムが浸透することを祈念します。
最後に、本日この議場には、被害に遭われた市民の方も来られています。
本質問に対して今春より着任された上田副市長と安東理事のご意見をお聞かせください。
【上田清和 副市長】
宮津市として、市民の皆さんの安全を守ることが第一の役割というふうに思っております。
特にこれから出水期を迎えまして、危険な箇所の点検もさせていただきましたけれども、まだまだハード面での対策が追いつくところまでには相当時間もかかると思っておりますので、そういう意味では、ソフト面で皆さんの命を守るようなことを十分地元の方々とお話をさせて頂きながら進めさせて頂いて、そして安全に寄与するようにしたいと思っております。
また、ハード面につきましては、京都府にも十分またお願いをしまして、スピードを上げて進めて頂けるようにしていきたいと、このように思っております。
【安東直紀 理事】
本日、議員には、大膳川あるいは吉原下水という問題点をサンプルとして、例として、非常に個別具体の例をもってご質問を頂いたというふうに思っておりますが、この宮津市域において防災というものを考えるに当たりましては、この2つの水害のみが該当するわけではないというふうに考えております。
そこで、宮津市で一般的な防災に対する考え方というのを述べるべきかというふうに思いましたので、そのように考えを述べさせて頂きたいと思います。
山根室長、坂根室長のほうからも既に回答をしておりますので、繰り返しになる部分もあるかと思いますけども、どのような防災対策であったとしても計画時点の想定というものは現実と異なるということが発生するのはやむを得ないところでございます。
計画におけるリスクというものはゼロにすることはできませんし、むしろする必要はないというふうに私は思っております。なぜならば、それは宮津市に限らず、日本全国どこにおいても予算制約というものがございます。
莫大な費用がかかるいう中で、今後は将来的には市だけでなく、今、副市長のほうからも府や国のほうに補助をお願いするということを申し上げたところですけども、将来的には、府、国であってもこれらを負担することができなくなるというような状況も見込まれております。
昨今の公共事業費削減という流れを受けまして、このような防災対策の予算についても削られるということが起こっております。
そのような状況の中で、市が行うべきものというのも当然ございます。
その中では、管理者として適切に対応してきたというふうには思っておりますけども、そのような想定を超える災害が発生した場合には、結果的に十分でないということが発生するということも否定できません。
これはそういうことも起こり得ると思っております。
そういう中で、まず、命を守るということが最も大事なことになるというふうに思っております。
そこにつきましては、先ほど副市長のほうからも申し上げましたが、想定を超えるものにつきましては、ソフト事業で対策を進めざるを得ない。
平たく言いますと、まず逃げると。危険が生じたとき、それは水害だけでない、地震であっても津波が来るかもしれません。そういうときは自分のことだと思ってまず逃げていただくと。
想定を超えるものをハードでとめるということはもう不可能でございますので、その水害に遭われた皆様方以外でも、この市内に住む者全てが自分のことだと思って命を守っていただく、そのためにどういうことができるのかということをハード整備と並行して進めていくことが必要だということは十分認識しておりますので、そのようなことを並行して進めていきたいというふうに思っております。
その上で、先ほど議員からも提案がありましたアダプト制度等を含めて、坂根室長のほうからも申し上げましたように、小さな公共事業につきましては、市民の皆様の協力を得ながら、市でカバーできない部分につきましても、みずからの力でできるところをやっていただいてそれを応援するというような形で、少しずつそういう被害を減らしていくようなこととしていきたいと思っておりますので、どうぞ御理解のほどをよろしくお願いいたします。
【星野和彦 議員】
皆さん、本当にありがとうございました。
長時間にわたりまして、懇切丁寧にご説明頂きまして、私が余り喋るよりも理事者のご説明が非常によくして頂きましたので、理解も非常に早くさせて頂きました。
ありがとうございました。
【2015年9月 定例会】
※動画:https://www.youtube.com/watch?v=2Ld4qBaxhuQ
1.京都縦貫道の全線開通を活用した定住圏構想
2015年7月より宮津ICから京都市の沓掛IC迄84Kmとなった。京都市及び工場進出が顕著な亀岡市や綾部市へのバスによる通勤・通学補助制度で、定住圏を構築する政策を尋ねる。
2.戦後70年に際し「宮津空襲」の惨状を未来に伝えること
1945年7月30日の宮津空襲は、市民の死者15名、負傷者約60名、撃沈された駆逐艦の戦死132名と言われる。有史以来、宮津で最も悲惨な日を未来に伝える手法を尋ねる。
【星野和彦 議員】
蒼風会の星野和彦です。
通告に従い、一問一答方式で、以下2点についてご質問致します。
第1点が、戦後70年に際し宮津空襲の惨状を未来に伝えること、第2点が京都縦貫道の全線開通を活用した定住圏構想です。
本題に入る前に、さきの高校野球100年、第97回夏の全国高等学校野球選手権大会において、高校野球の育成と発展に尽くした全国の指導者を表彰する育成功労賞の受賞者49人に藤本教育長が選ばれ、終戦記念日の8月15日、満員の阪神甲子園球場において東海大相模高校等で指揮をとられた故原貢監督の代理として出席された読売巨人軍の原辰徳監督等、代表8名とともに表彰を受けられたことを心からお祝い申し上げます。
[議場全員から拍手あり]
そして、宮津市教育長として更なるご活躍を祈念致します。
それでは、本題に入ります。
まず、戦後70年に際し、宮津空襲の惨状を未来に伝えることについてお尋ねします。
御高承の通り、先の大戦における尊い犠牲を経て、日本国民は戦争の悲惨さ、人間の尊厳と平和を目指すことの重要性を学び、戦後の復興と今日の繁栄を築いてきました。
しかし、70年の歳月は、戦後生まれが人口の8割を超え、戦争体験者の高齢化が進み、空襲や戦闘で被害に遭った全国各地の慰霊祭の存続さえ危ぶまれる状況で、次の世代に事実を正確に伝えることが難しくなっています。
宮津市においても広報誌みやづ8月号で掲載された「宮津空襲記」の著者・山本正昭氏が本年亡くなられました。
当時の昭和20年、西暦1945年7月30日の宮津空襲は、当時の軍機密にて正確な情報を捉え難いのですが、市民の死者15名、負傷者約60名、「艦長たちの軍艦史」によると、撃沈された駆逐艦初霜の戦死者132名、重傷者78名と言われています。
有史以来、宮津でこれほどの死傷者を出したことはなく、最も悲惨な日を未来に伝えることは今を生きる我々の責務と思料され、その承継する方法をお尋ねします。
まず、宮津空襲の概況を説明します。
時間の都合上、詳細は割愛しますが、故山本正昭氏の「宮津空襲記」、斎藤清己氏の「駆逐艦初霜の記録」、増田精一氏の「宮津空襲」等から概況を申し上げます。
宮津空襲時に宮津湾に停泊していた駆逐艦雪風と初霜は、昭和20年4月7日の菊水1号作戦の一環で戦艦大和の沖縄水上特攻に同行しましたが、運よく沈没を免れ、佐世保に帰投しました。
その後、4月15日に舞鶴に入港します。
5月中旬になると、米軍艦載機が日本海側の舞鶴にも飛来し、6月中旬に宮津湾へ移動しました。
7月に入ると、米軍艦載機による宮津湾へのパラシュートを使った機雷投下が始まり、日置、加悦、獅子の陸上に落下したものもあり、触雷した住民が数名死傷されました。
そして、7月30日午前4時5分、雲一つない快晴の宮津上空に米軍艦載機1機が飛来し、空襲警報が発令され、長い一日が始まります。
午前6時過ぎ、須津の大江山ニッケルエ場の運搬船が米軍艦載機の機銃掃射に遭います。
午前7時過ぎから9時半頃まで、米軍艦載機20から30機の編隊が駆逐艦雪風と初霜に波状攻撃を開始します。
午前10時から12時半頃、初霜が機雷に触れ轟沈、米軍艦載機の編隊は桜山、京街道、万町の天満宮に爆弾4発を投下し、5名が亡くなられました。
尚、午前中は他に爆弾3発が投下され、宮津駅前の松嘉軒で5名、宮津駅構内で1名、港で荷揚げしていた捕虜2名、合計8名が亡くなりました。
また、島崎沖の関釜連絡船昌慶丸が横倒しとなり、栗田では海軍航空廠と練習機が襲われ、宮津に向かう汽車も機銃掃射に遭い、栗田トンネルに避難しました。
上宮津では、農作業中の方が機銃掃射で1名亡くなっています。
午後3時半から、米軍艦載機の編隊が西日を背に阿蘇海方面から駆逐艦雪風への攻撃を開始、午後4時半頃、雪風の対空砲火で米軍艦載機1機を文珠の鶏塚付近に撃墜し、午後5時頃に戦闘が終了しました。
以上が宮津空襲の概略です。
質問に入ります。
まず宮津空襲に関し、史実を後世に伝える宮津市の過去の取り組み状況について、ご教示ください。
【尾﨑吉晃 教育委員会事務局総括室長】
本市におきましては、承知しておる範囲でございますけれども、市の取り組みとしてはなかったというふうに理解をしております。
ただ、図書館のほうにおきまして、戦争を題材とした企画展をしております。
市としては、そういった取り組みのほか、公民館のほうで戦争体験記を収録する本を出版しとる、その2つかなというふうに理解しております。
【星野和彦 議員】
ご答弁ありがとうございます。
3年前までは、宮津市のホームページで空襲の体験記が掲載されておりました。
これが今、掲載されてないかというふうに思います。
もう1点は、松田前副市長が総務の部長の時に、書籍の寄附をされております。
この2点については把握されていらっしゃいますでしょうか。
【河嶋学 総務室長】
2件あったかと思います。
写真展の開催につきましては、現在は平和行政ということでこのロビーで行っておりましたですけども、実際今は行っていないという状況でございます。
それと、松田前副市長のほうに書籍が贈られたということでございますが、ちょっと調べますのに、ちょっと過去の担当なり確認しましたんですけども、確実なところはわかっておりませんですけども、考えられる書籍として「駆逐艦初霜の記録」というのがあるようでございます。
これ府中のある方が10年前位に纏められたというもんでございまして、この書籍につきましては、現在、図書館のほうに置いており、閲覧ができるということでございます。
以上でございます。
【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
私もその初霜の本というの、今日も持ってきてるんですけども、非常に詳細を記してありまして、それから当時の空襲に遭われた方、当時は子供であったり高校生であったり、そういう方々のいろんな立場の文章がそこに詰まっております。
是非ともこの資料も活用頂きたいというふうに思います。
ちょっとホームページのほうの件というのは全然ご存じないんでしょうか。
【河嶋学 総務室長】
大変申しわけございません。承知をしておりません。申しわけございません。
【尾﨑吉晃 教育委員会事務局総括室長】
ホームページにつきましても、私のほうも承知しておりません。
【星野和彦 議員】
いつの間にか消えたっていうのも変な話で、これ非常によくできてて、宮本町にお住まいの岩見さんて方の体験談で、朝から晩まで空襲警報が鳴ってっていう、まさに爆弾が投下された100m圏内のところの談話が入っておりまして、これもちょっと今後のあれだと思うんですけど、復活してほしいなというふうに思います。
宮津空襲に関してですけども、史実を後世に伝える宮津市の今後の取り組み方針として考えていらっしゃるか、考えてらっしゃるんであれば、各々費用の概算を踏まえて、ご教示願います。
【尾﨑吉晃 教育委員会事務局総括室長】
市の方針ということでございます。
基本的な考え方としては、教育委員会で所管しますのは、文化財保護法に規定されております建造物であったり美術品でありますの保護、活用ということでございます。
で、その中でも特に資料として学術上価値の高い資料ですとか建物だったり、そういったものが対象となっております。
ただ、今現在、市民の方の取り組みの中におきましては、ガラシャの取り組みであったり、北前船の地元の取り組みであったり、歴史、文化を活用したまちづくりの取り組みであったり、そういったものがあります。
そういったところには学芸員が学術的な助言を行ったり、そういう支援をしておるというような状況でございます。
お尋ねの、この戦争に係ります市の、今のところ教育委員会としては特に取り組むことは考えていないということです。
で、ちょっと繰り返しになりますけれども、市民の方が戦争展をするというようなことで資料の提供あたりにつきましては、図書館のほうでもやらせて頂いておりますし、それからまた直接はないですけれども、展示とかにかかわりまして助言とか求められればさせて頂く、そんな立ち位置でございます。
【星野和彦 議員】
では、現状では今後何もしないということですね。
では、1つ問いましょう。
歴史について、歴史を教育総括室長はどう定義されますか。
【尾﨑吉晃 教育委員会事務局総括室長】
歴史ということの御質問ですけれども、決してこの宮津の空襲は歴史的に意味がないというようなことを言っとるつもりはございません。
ただ、所管する中では、直接的にやっていくということではないんかなというふうに思とります。
ただ、お話聞く中で、こうした戦争を体験された方の体験談のようなものは非常に歴史的に見ても記録的に見ても貴重な資料になるんだろうなという認識は致しております。
【星野和彦 議員】
宮津でよくないなって言われることがよくあるんですけども、私も帰ってまだ1年です。
昔の古い物を捨てること、残してたら随分今観光に使えたこと、もっと機能できたこと、たくさんあると思うんですよ。
お城がしかり、新浜の遊郭の跡がしかり、宮津駅がしかり、方々のところで宮津というのは壊してます。
そういう意味でも今70年、まだ歴史が浅いから文化財保護法に基づいてないからということでこの今の遺産をなくしてしまうんは果たしていいんでしょうか。
イギリスの歴史家で、政治学者と外交官であったエドワード・ハレット・カーは、著書「歴史とは何か」の中で、歴史は現在と過去の対話であると定義しています。
少々古い方ではありますが、19世紀の、今の歴史を語る上で、この現在と過去の対話であるという定義が主流を占めてるかと思います。
それでももうあと10年、20年経つと、もう戦争を語れる方も殆どいなくなります。
ここで閉ざしていいんでしょうか。
ご意見をお聞かせください。
【尾﨑吉晃 教育委員会事務局総括室長】
ちょっと繰り返しになりますけれども、宮津で起きました戦争の記録とか記憶をどういうふうにつないでいくんかということにつきましては、今の課題だというふうに認識いたしております。
先ほどの繰り返しになりますけれども、戦争を体験された方々の語っていただいた録音ですとかそういったものについては、資料として一定意義があるというふうに申し上げたところでございます。
以上でございます。
【星野和彦 議員】
録画ですか、それは、録音ですか。
【尾﨑吉晃 教育委員会事務局総括室長】
残す方法としては、録画とか録音とかいったものが正確に残るんだろうなというふうに思っています。
【星野和彦 議員】
ちょっと全国のほかの市町村でこの、重要記録を保存、活用するアーカイブですね、これについて調べてみました。
特に顕著だなと思ったのが新潟県の長岡市です。
ここは当時の連合艦隊司令長官、山本五十六の出生地です。
それと、非常に工業地帯であったため空襲が激しかったです。
この辺りになると至るところに空襲の歴史的な案内板を設置しております。
それから、常時、駅前にビルのワンフロアがあるんですけれども、そこで空襲展というのをやっております。
それで当時の焼夷弾の仕組みから生活のスタイル、それから市民から集めた遺品、戦争に外へ出られた方の遺品、こういったものを全部集めております。
今、宮津でこの宮津の歴史が始まって中世に府中からこっちの南部のほうに宮津の中心が移りました。
その中世に移る間に府中の町並みを随分潰しております。
更に、明治維新の後、宮津の町並みっていうのは昔の面影がほとんどなくなるぐらい消えています。
これが宮津の土壌なんでしょうか。
この最も悲惨な日、これ以上の死者が出た日はないんですよ、宮津の歴史の中で。
この重要な史実を捉えて残す方法を考えていただきたいと思います。
他の市町村を参考に取り組みを申し上げます。
先ほど申し上げた歴史案内板の設置ですね。
これは戦闘地点であり、爆弾投下地点等です。
2点目が、さっき室長おっしゃられた戦争体験等の重要記録の保存、これ映像アーカイブと言います。
これには2通りありまして、宮津空襲の再現とコンピューターグラフィックによる再現ですね。
体験談を入り交えて学校の教材用に使うケースがあります。
2点目は、様々な立場から、食糧難や疎開、肉親を亡くした遺族会の方の苦労話と、一人でも多くの体験談を収集されています。
3点目が遺品の収集と定期的な展示です。
4つ目、これが学校での宮津空襲体験及び映像アーカイブの上映の実施です。
それから5点目、宮津出身者の海外での戦闘及び生活記録の調査。
この夏、議員視察で岩手県のオガール紫波の図書館に行ってまいりました。
ちょうど7月の末、空襲のときだったもので、こちらのほうも空襲はないんですけども、図書館のほうにことしは70周年ということで紫波町出身者の方のどんな東南アジアに出征されたかと、どういうふうに亡くなられ方をしたかという展示がしてありました。
それをオープンの中央部に持ってきまして、それを子供たちが見てると。
歴史っていうのは伝えるものであって、会話するんです。
触れてないとだめなんです。
そのもとがなくなったら、これどうしようもないんですよね、ある内にやらないと。
6点目、申し上げます。
市のホームページへの再掲載、あるいはその書物がたくさんあります。
この情報のデジタル化、それから、宮津で亡くなった米軍パイロットと捕虜の遺族との交流。
最後に8点目ですけども、次世代の語り部の養成、こういうのもやっております。
東京都の国立市では、ことしの2月に国立原爆体験伝承者育成プロジェクトを立ち上げました。
広島、長崎への原爆投下からことしで70年経過し、みずからの被爆体験を多くの人々に伝えてきた語り部たちの高齢が進む中、原爆の悲惨さや平和のとうとさを次の世代に伝える伝承者を育成するものです。
私は49歳ですけれども、親の代が経験した戦争、それを私たちは正直伝え切れません。
しかし、ある程度のことは伝えれるんですよね。
それもこれも資料がある内に、生きて語ってくれる人がいるうちに集めないとできないと思うんです。
これがまた20年、30年経って、宮津にはまた戦争のこともないのか、明治維新の後に宮津城が跡形もなくなくなったように、そんなことを繰り返していいんでしょうか。お答えください。
【尾﨑吉晃 教育委員会事務局総括室長】
たくさんのご要望というふうに言わせていただきます。
案内看板の設置ですとか記録の保存等々、御提案をいただきました。
冒頭に基本的な考え方もあと少し言わせて頂きましたですけれども、教育委員会の今の私の考え方としては、教育委員会のほうでこれを一つ一つやっていくということにつきましては、少しできないのかなというふうに思っております。
で、最後に言われた戦争の記憶を残して伝えていくっていうことについては、繰り返しになりますけども、それは一定理解をしておりますので、その辺りでご理解頂きたいなというふうに思います。
【星野和彦 議員】
きょうはちょっと朝から教育委員会の答弁が、質問が多いんですけど、皆さんと一緒なんですけど、どうなんですかね、そういう答え方っていうのが。
一般常識、これ市民の方も皆さん聞いてらっしゃいますけど、当然ビデオでうちの会社の昔の人間も見てます。
これ見てどう思いますかね。
どういう答え方っていうか、皆さん、今日僕にまわるまでにいろんな質問するんですけど、具体的な回答っていうのはないですよね。
それが教育委員会なんですか。
【尾﨑吉晃 教育委員会事務局総括室長】
少し部分的なところがまたかぶってしまうかもわからんですけれども、市の今の全体の動きからすると、うちの教育委員会でしますと重要文化的景観というものを一生懸命やっています。
で、職員のほうも市の方向とすれば一つ意匠の保護に向かって取り組みを進めているということでございます。
一方で、先ほど言いましたようなガラシャの桔梗の会ですけれども、ああいった会がガラシャの取り組みをされるとか、それから、北前船の展示をされたり、歴史、文化を生かしたまちづくりをしていくとか、そういったことにつきましては、一生懸命かかわり持たせていただきながら、学術的な面で支援させていただいとるということでございますという立ち位置でおりますので、ご理解を頂きたいなというふうに思っています。
【星野和彦 議員】
平行線になるっていうの、ここまでなるとあれなんですけど、最後申し上げましょう。
7月の日経新聞の特集で、これ打ち合わせのときに申し上げましたけども、あと30年経てば戦争中の遺品、これが歴史的な遺物と言えばいいんでしょうか、遺品になりますと。歴史的な価値が認められるそうです。
あと30年も待たないかもしれません、これは。100年経たないと歴史じゃないのかって、そういう意見でもありません。
どうか、この70年、80年目をやったときには今証言してくれる人もほとんどいらっしゃらない可能性が高いです。
今やらなかったら何時やるんですか。
これについては今後、再度、私はお話ししたいと思います。
それで、今回の宮津空襲について一般質問を行うにあたり、非常に多くの戦争体験者の皆さんから資料の提供がありました。この場をおかりして感謝の意をお伝えするとともに、宮津空襲が風化することを危惧される熱い思いを深く受けとめたいと思います。
そして、70年間平和でいられるありがたさに素直に感謝したいと思います。
そして、本質問の最後に古代中国、秦の時代、斉の将軍、司馬穣苴が記した言葉をもって結語といたします。
「国大なりといえども、戦(せん)、これは戦(いくさ)のことです、好まば、必ず滅ぶ。国安らかなりといえども、戦忘れなば、必ず危うし。」
以上です。
次の質問に移ります。
京都縦貫道の全線開通を活用した定住圏構想について。本年7月に京都縦貫道が全線開通し、宮津インターから京都市の沓掛インターまで84kmとなりました。
京都市及び工場進出が顕著な亀岡市や綾部市へのバス等による通勤・通学補助制度で、定住圏を構築する政策をお尋ねします。
まず、周辺市町と全国における高速道路を活用した通勤圏確保の実例があれば、ご教示願います。
【森口英一 自立循環型経済社会推進室長】
周辺市町と全国における高速道路を活用した通勤圏確保の実例についてということでございます。
まず、周辺市町では、京丹後市でこの4月から導入されておるということでございまして、その内容なんですが、京丹後市に立地している企業がこの平成27年4月1日以降に新たに雇用した従業員の通勤に要した片道の京都縦貫自動車道等の有料道路通行料に対して、3名を限度として京丹後市が全額支援すると、こういう制度がこの4月からあったということでございます。
これが近隣市町での例、これ1例ということでございます。
一方、全国のほうも一度調べてみました。
つぶさに調べ切れたということではないんですが、調査した範囲では、広島県の安芸太田町というところ、それから福島県の会津美里町というところでありました。
これについては、高速道路の料金の2分の1を助成するという制度でございました。
全国的には余りこういった取り組みがなされてないのかなという、このような印象でございました。
【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
そしたら、福知山市、綾部市、亀岡市のこの近年、工場進出が非常に顕著になっておりますけども、その状況と雇用情報について、ご教示願います。
【森口英一 自立循環型経済社会推進室長】
統計調査の数字でお話をさせていただきたいなと思っております。
工業統計調査でございまして、今、工場進出というお話でございましたが、製造業に限った数字で申し上げたいというふうに思っております。
直近のデータということで、平成25年ということでございます。
過去の実績と比較もしながら説明をさせていただきたいなというふうに思います。
ちょっと順番をかえさせていただきまして、ちょっと綾部市から報告をさせていただきます。
平成25年度の製造事業所数は95でございます。
22年と比較いたしますと13のマイナスということでございます。
従業員数です。これがH25が4,294ということで、H22の比較で言いますと174のマイナスということになってございます。
次に、亀岡市です。
事業所数が161、H22との比較ではマイナスの17、そして従業員数ですが、4,691人、H22との比較ではマイナスの921ということでございます。
総じて、事業所数も従業員数もマイナスということになってございます。
ただ、福知山市でございます。
これちょっと分析し切れていないんですけれども、事業所の数はH25、159、H22の比較しますとマイナスの、これ10になってございます。
ただ、従業員数のほうが増えておるというようなことでございまして、H25が7,749のH22と比較致しますと38のプラスになっておるということでございます。
ちょっとこの分析までできてないんですが、今おっしゃいました進出状況なり雇用情報ということでいいますと、そういった結果でございます。
【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
今の御報告によると、福知山以外は減ということですね。
これ今年に入ってから綾部なんかがクローズアップされてて、縦貫道が開通したの7月ですから、これからどんどん増えててくるという記事はたくさん出てるかというふうに思います。
次の質問なんですけども、宮津市は今、工場誘致も一生懸命やっておりますけども、工場誘致と通勤確保の施策に関するこの比較ですね、これをちょっとお願いできますか。
【森口英一 自立循環型経済社会推進室長】
それこそ議員のほう、民間の経験が豊富ということでございまして、ちょっと私のほうが議員の御質問に対して説明をしますのはちょっと大変恐縮なんですが、まず、工場誘致のほうです。
きちっとした答弁に、的を射ているかどうかちょっとわかりにくいところあるんですが、まず工場誘致のメリットなりデメリット的なことをお話をさせて頂きたいなと思います。
まず、工場誘致のメリットということでいいますと、税というところで見ますと、固定資産税でありますとか法人市民税、こういったものの増収がまず期待できるということがあろうかなと思っておりますし、地域というところに目を向けてみますと、働く場の確保ができるということ、そしてそれが定住人口の増加につながって、そして地域の活性化につながっていくと、このようなことがメリットというか期待できることなのかなというふうに思っております。
その一方で、工場誘致に備えての工業団地の造成、こういったものについては、先の3月の議会のときにもこういったお話もさせて頂いたのかなと思っておりますが、レディーメードというのはかなり多額の投資も必要であって、投資をしても企業誘致に至らないケースもあって、少しリスクもあるのかなというふうに思っておるというところであります。
これに対しまして、議員から今おっしゃいました通勤圏確保の関係です。
察しますに、宮津市に居住して近隣市町に通勤する方への支援というようなことなんだろうというふうに思っておりますが、こういった支援につきましては、一般的には市内での雇用の創出というものにはつながらないんですけれども、人口ということから考えますと、特に転出の抑制ができるというふうに思っておりますのと、新たにUIJターンなんかの促進にも寄与するんではないかなと、このように思っております。
【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
実際のところ、工場誘致っていうのは確かに固定資産税が入ってきて、理想的なことではあるんですけれども、宮津のネックっていうのがなかなか土地がないというところと、先日もどなたか御質問されてましたですけども、この農業振興地域の問題もあったり、なかなか宮津で誘致してというのは難しいかなということは正直感じております。
それに対して、この通勤圏確保というのはもう少し詳細を調べていくと、宮津から通っていく方向で居住圏を確立すると、税金も入ってくると。豊かな生活もできます、おいしいものも食べますということができるんじゃないかと思います。
それで、次の質問なんですけども、このバスを活用した通勤圏確保の検証っていうのはやられていらっしゃれば教えてください。
【森口英一 自立循環型経済社会推進室長】
バスを使った通勤圏確保についてもちょっと調べてみました。
先ほど京都縦貫自動車道の全線開通云々ということがございましたので、特に都市部へのということだというふうに思っておりますが、今現在、高速バスにつきましては宮津市から大阪駅、あるいは京都駅への運行が行われております。
また、大阪なり京都なりの駅から通勤圏ということですので、事業所まで行くのにもまた所要時間が当然あるということなんですが、そういった宮津から事業所までの通勤時間というようなことを考えた時に、大阪に至っては1時間30分以上もかかるんだろうと、調べたところ、そういうふうに思っております。
また、京都市内についてもそれこそ、京縦全線開通したというものの、時間は大分短縮されたとはいうものの、やはり2時間ぐらいはかかるというようなことになっております。
これは今の大阪行きのバスなり京都行きのバスの時間からもそれはもう間違いなくかかるということでございます。
毎日の通勤時間としては非常にこれ長いなという、私、印象を持っておりまして、一般的な通勤時間はどれぐらいなんだろうということをちょっと調べてみました。
これも統計上の調査の数値ということで恐縮なんですが、一般的な男性サラリーマンの平日の通勤時間、平均です。
これが1時間10分ということのようです。
で、じゃあ、都市部はもう少しあるんだろうなということで調べてみますと、関東なりの大都市圏というところですが、これも1時間32分という平均値でございました。
先ほど申しました京都、大阪、2時間以上かかるよというところで、じゃあ、逆に2時間以上かかってるところ、どれぐらいの割合があるのかなというところで、これも統計上の数字になるんですが、調べてみましたところ、1%にも満たない割合と、0.8%ということなんですが、非常に少ないということでございます。
議員からはそういった検証もということでございますが、これらのことに加えて、こういう宮津というか、こういった土地柄での通勤体系というんですか、日常の通勤行動として考えたときに、かなり難しいというか現実的ではないのかなと、そんなふうな検証というかさせて頂いております。
【星野和彦 議員】
今のデータは関西圏になりますか。
【森口英一 自立循環型経済社会推進室長】
今、申し上げました最初の平均時間1時間10分のほうなんですが、平均ということですので全国の平均だというふうに理解を致しております。
【星野和彦 議員】
私、サラリーマン時代に東京と広島と勤務したんですけども、東京っていうのはやっぱり2時間かけてというのは当たり前のような生活をしております。
私なんかも1時間弱かけて通っておりましたし、広島も実は西日本でこれ特有なんですけども、熊本であり、鹿児島であり、西日本各市っていうのは駅が中心なのかなと思ったらバスセンターなんですね。
長距離バスと在来のバスと両方の、やっぱりそこがコアになって放射状にまちが発展してるというところで、広島なんかも福山とちょうど広島間というの100kmあるんですね。
広島は政令指定都市ですけども、福山は周辺の備後等合わせまして60万ぐらいの人口規模です。
ここは行き来があるんですよ。
で、バスを2時間かかるっていうことであれば5時台に出したり6時台に集中して出してます。
で、帰りも12時までぐらいまで集中して出してるんですね。
ちょっと私が独自に丹海バスさんのほうにお伺いしたんですけども、実はバスの最初の分岐点ってどれぐらいの乗車率なんですかっていうと、大体45人乗りで20数名までと。
ですから、半分ぐらい乗ればもうペイできるというふうにおっしゃられてました。
だから、ちょっと、これこないだの総務文教委員会で実は森口室長にもお伝えしたんですけども、これもう少しマクロの部分を検証してみるとおもしろいデータが出てきて、というのも、復路で例えば京都までバスを出しましたと。
で、朝早く出して、その便が、じゃあ空で帰ってくるかと、もったいないですよね。
そこで観光客にPRをしていくと。そうすると、京都駅から同志社中学なんかがある岩倉まで1時間弱かかります。渋滞があったら1時間半以上かかるんですね。
岩倉行くんだったら宮津のほうが近いですよと言えんこともないわけですよ。
ですから、これちょっともう少し時間等かけて見ていただきたいなというふうに思います。
それで、もう一つやり方があるんですけども、こないだ私も最近ちょっとバスに乗ってるんであれですけども、福知山から神戸までっていうのがこれ非常に安くて1,600円なんですね。
で、ルートが舞鶴道使うんですけども、途中からジャンクションを吉川んとこから越えて、六甲山の地下を走るんですよ。
要するに渋滞がないんですね。
ですから、こないだお盆に大阪に行ってたんですけども、そのときも帰りは非常にスムーズに帰れます。
大阪のほう経由すると非常に時間かかるんですけども、三宮から大阪まで行っても30分です。
ですから、丹鉄と、それから福知山発の今バス会社2社になりましたんで、京都バスのほかにですね、そのあたりと連携して周辺市町村でそういう定住圏というのを、宮津市だけでってやるんだとなかなか進まないと思うんですけども、福知山にお話持ってったとしてもいい話じゃないかなと思うんですよ。
ですから、その辺もぜひ検証していただきたいなというふうに思います。
最後の質問にします。
京都市内への、ちなみに通勤・通学補助制度をしましたと。
これはその経済効果と支援額の採算分岐点、これをちょっとはじいて頂きたいんですよ。
というのは、皆さん、お子さんが大学生で京都の大学に行きますという場合と、それからこちらにいて、例えばの話ですけども、工場勤務をするとか会社勤めをするとか、そうやったときのおおよそでいいんですけども、その経済効果、それから算出される支援額ですね。その金額が余りにもかけ離れたら諦めざるを得ないと思うんですけども、この辺を少しちょっとひもといていただけますか。
【森口英一 自立循環型経済社会推進室長】
非常に難しい、これ検証だなと思っておりまして、それこそこれも統計上の数値で大変申しわけないんですけれども、総務省が毎年実施しとるんですが、家計調査というものをやっております。
これ、国民1人当たりの年間消費額が124万円というふうに言われておるんです。
1世帯当たり2.4人計算で300人というような試算をされておるようなんですけれども、議員お触れの経済効果というところでいいますと、何かほかにいろいろ数字がないかなといろいろ探しておったんですが、所得によってもいろいろバリエーションというんですか、あるというようなことで、一番信憑性がある数字はこの統計上の数値だなということで、1人当たりでいくと124万の経済効果というふうに言えるのかなと思ってます。
1世帯だったら3百万円というようなことかなというふうに思っております。
その損益分岐といいますか、どこまでだったら支援ができるかという、この線引きのとこです。
これも非常に難しい問題だなと思っておりまして、とにかく今、総合戦略もつくっていっておるわけですけども、いかに定住人口を増やしていくかというところに今力点を置いております。
UIJターン施策を初めとして、定住促進対策をできる限り行っていかなあかんと、このように思ってはおるんですが、いわゆる行政サービスを損益という考え方でくくってしまうのは少し難しいというか、なじまんのかなと、そんな見解を持っております。
【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
一応は明確な数字を御提示頂きまして、ありがとうございます。
急にちょっと言うと、まだ理解しがたい部分もあるかと思うんですけども、これ今後の検証として是非テストもやってみるべきだと思いますんで、採算分岐点必ずありますから、その経済効果っていうのをこれから一緒に出していければいいなというふうに思います。
以上でございます。ありがとうございました。
【上田清和 副市長】
先ほどの戦争体験資料の関係について少しちょっとお答えをさせて頂きたいと思います。
宮津市は世界平和都市宣言をしておりますので、今日のお話聞かせて頂いて、大変貴重な資料が残っているということですので、やはり平和教育を進めていくいうことも大事な時期に来ているんではないかなというように思っております。
教育委員会とも相談しながら、残す方法も含めて今後ちょっと検討していきたいと、このように思います。
【安東直紀 理事】
先ほど星野議員から頂きました各種定住施策に係る経済効果、損益分岐の分析ということをやるべしという御指摘をいただきました。
今回の答弁では、経済効果として1人当たり124万円という数字を上げさせていただきました。
経済効果のみで損益分岐を考えるということをいたしますと、必ずしも割に合う施策ばかりでないということは否めないというふうに考えております。
しかしながら、これは鶏が先か、卵が先かという問題でして、必要なものは損益が合わなくてもやると、効果が上がると信じてやるという決意でございます。
そういう意味で、今回は答弁を控えておりますが、しかしながら、内部で検討する際には、全く効果がない、意味のないことをやるということもできませんので、予算制約というものは必ずかかってまいります。
その中で効果が高いものを選んでやっていくという姿勢はこれまでとも変わりがありません。引き続きそのように取り組んでまいりますので、どうぞ御理解いただきますようお願い致します。
【2015年12月 定例会】
※動画:https://www.youtube.com/watch?v=vihZvG80eWY
1.宮津市公設市場の現状と将来
地元の新鮮な魚を扱う台所として、市民と観光客に親しまれてきた公設市場は、マルシェ計画の停滞と建物の老朽化等から店舗の撤退が続いている。現状の問題点と今後の方向性を伺う。
2.インバウンド戦略と戦術(外国人旅行者の誘致)
外国人旅行者の誘致は、平日の観光業を潤し、経済効果が高い。岐阜県高山市は海外業務部を設置し、主に「雪」を東南アジアへ発信して、成功を収めている。宮津市の施策を伺う。
【星野和彦 議員】
通告に従い、宮津市公設市場の現状と将来及びインバウンド戦略と戦術について2点御質問致します。
まず、1点目の宮津市公設市場の現状と将来について聞きます。
今から40年前の昭和50年に魚屋町から現在の新浜に移設された公設市場は、地元の新鮮な魚を扱う台所として市民と観光客に親しまれてきました。
また、テナントの一つのパン屋さんはインターネットの販売で全国一位を争っています。
しかし、マルシェ計画の停滞と建物と老朽化等から店舗の撤退が続いています。
現状の問題点と今後の方向性をこれよりお尋ね致します。
まず、公設市場が設立された経緯と目的を簡潔にご教示ください。
【山根洋行 産業振興室長】
公設市場につきましては、大正7年でございますけれども、当時の物価高騰を背景に致しまして市民の消費生活の安定に資することを目的として開設されたのが始まりと言われております。
これが全国に広まったものでございます。
本市におきましても昭和7年に開設を致しまして、昭和50年4月には都市計画道路の建設もございまして現在の場所へ移転し、今日に至っているということでございます。
【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
次に質問します。現在の公設市場の問題点を宮津市としていかに捉えられているか伺います。
まず1点目です。
耐震構造等電気施設など老朽化の現状、さらに再来年の2017年3月に閉鎖するという噂が広がり、テナントと市民の皆さんが不安になられています。
その真意を御教示願います。
【山根洋行 産業振興室長】
この施設についてですけれども、移転後40年が経過する中、公設市場の出店事業者の数なんですけれども、昭和50年には21事業者がありました。
スーパーマーケット等の出店等、それから販売形態の変化によりまして現在6事業者に減少をしておりまして、市民の消費生活の安定に資する施設の目的ということで、必要性は薄れているのではというふうに認識しております。
施設の躯体についてなんですけれども、電気系統の附属設備も含めてなんですが、老朽化が本当に著しく進んでおりまして、近い将来、施設の閉鎖は避けられないというふうに考えております。
これらのことを考えまして、組合の皆さんとは平成29年3月という時期をご提示をさせて頂きまして、話し合いを始めたところでございます。
【星野和彦 議員】
結論のほうはまだ出てないと解してよろしいですか。
【山根洋行 産業振興室長】
結論はまだ出ておりません。
【星野和彦 議員】
そうしたら、ちょっと仮定としてお尋ねします。
公設市場閉鎖後の土地の有効利用の計画があれば、ご教示願います。
というのは、この現施設が存在するほうが維持費等で赤字であればやむを得ないと思いますが、その跡地利用計画もなく施設を撤去するのは非効率と考えられます。
【山根洋行 産業振興室長】
将来の土地の利用計画についてでございますけれども、現在、現時点で決定はしておりません。
跡地を有効に活用できるよう今後検討をしていく必要があると考えております。
まずは現施設につきまして、組合の皆さんと協議を調えていきたいというふうに考えております。
【安東直紀 理事】
補足させていただきますと、現状の施設は老朽化が非常に著しいもんです。
耐震改修も必要でございます。
電気設備については、間もなく保証の期限が切れるという状況でございます。
これをこのままの状態で使用し続けるということは大変危険な状況でもあり、またその電気施設の影響が周辺地区にも及ぶおそれがあるという状況でございます。
したがいまして、議員が今ご指摘になりましたように、このまま使い続けたほうがという御指摘ではございましたけども、使い続けるためのコストが大変かかるという状況から閉鎖やむなしという判断をしたものでございますので、ご理解頂きますようお願い致します。
【星野和彦 議員】
そしたら、その施設を維持した時の経費の見積もりっていうのは取られてますか。
【山根洋行 産業振興室長】
施設の経費につきましてですが、4点ぐらい大きな改修費用がかかってこようかというふうに思っております。
見積もりというわけではないんですが、施設なんですが雨漏りをしてもおります。
これが平成5年くらいに一旦、防水関係を工事をしておるんですが、その金額というのが約20百万円、それから電気系統につきましても、済みません、2つポイントがあるんですが、それを合わせますと約3百万円、それからもう一点ですが、耐震のほうですか、耐震改修につきましてはちょっとこれはどの程度かかるかっていうところは、そこは算出をしておりません。
ですが、相当の額がかかるということは皆さんおわかりになるのかなというふうに思っております。
【星野和彦 議員】
了解を致しました。
維持をするということは、かなりの費用がかかるというふうに捉えます。
そしたら別の切り口からお尋ねします。
公設市場のおおよその売上高推移や市民と観光客の比率といったマーケティングですね、これをされていらっしゃれば、ご教示ください。
【山根洋行 産業振興室長】
マーケティングの把握についてでございますけれども、公設市場の売り上げ、それから入り込み客のアンケート調査に頼るしかないということもございまして、この調査につきましては実施しておりません。
把握ができてない状況でございます。
【星野和彦 議員】
分かりました。
次の質問致します。
この周辺の不動産情報と比較したこの公設市場の賃料ですね、それと、あと光熱費の負担の仕組みをご教示願います。
【山根洋行 産業振興室長】
公設市場の施設使用料につきましては条例で月額を定めておりまして、店舗部分は1㎡当たり1,440円、それから2階の倉庫部分につきましては同360円、それから、屋上は同140円としております。
近隣の貸し店舗の家賃をちょっとお聞きしてまいりましたが、幅はありますけれども、建築年数だとか、それから1店舗当たりの面積と同程度の物件1㎡当たりにつきましては約1,500円というような結果でございます。
築40年を経過した現在におきましては、公設市場の施設使用料は概ね同程度になっておるという状況でございます。
それから、光熱水費等の費用につきましてなんですけれども、公設市場はもちろんなんですけれども、民間施設につきましても使用者が全額負担をすることとなっています。
【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
そしたら撤退した店舗の数、これと各々の理由を分析されていれば、ご教示願います。
【山根洋行 産業振興室長】
近年の撤退した事業者とその理由についてでございますが、平成25年度に2事業者、それから平成26年度に1事業者、平成27年度に1事業者ということでございまして、近年合計4事業者が撤退をされています。
内3事業者につきましては、高齢や御病気によりまして、それから1事業者は転業を希望されたことにより撤退されたというふうに認識をしております。
【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
そしたら、今週に発生したと言われてますけども、漏水に対する修繕工事が遅れたとテナントの皆さんから伺っております。
その理由をご教示ください。
【山根洋行 産業振興室長】
施設の組合の皆さんから、組合の皆さんといいますか、1事業者の方から春から連絡をしてあったというふうにお話を伺いました。
私どもが、所管室が公設市場を訪問しました8月5日に把握を致しまして、その漏水なんですけれども、施設内の床下から漏水をしておりまして、見えない部分であったこともありまして、修繕に少し時間を要してしまったというところがございます。本当に何れにしましても早急に対応すべきであったということでございまして、反省をしておるところでございます。
この施設なんですけれども、施設の配管が著しく老朽化もしておりまして、今後も同様の事態が発生するのではないかなというふうに考えておりまして、このような事態が生じないように今後は気をつけたいというふうに思っております。
【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
そしたら、浜町で最近よく開催されるイベントの際に出店や協調等の依頼をされているか、ご教示願います。
【山根洋行 産業振興室長】
浜町で宮津まちづくり会議が開催します満腹祭や、まごころ市運営組合の季節イベントなどが実施されておりますけれども、満腹祭には公設市場の事業者の方に毎回お声かけをしておるというふうに聞いておりまして、開催チラシ等につきましても、公設市場の場所を表記するようなことをしているということでございます。
それから、まごころ市の季節イベントにつきましては、組合の組合員さんが出店するものでございまして、声かけはされてないというふうにちょっと伺っております。
それから、公設市場の鮮魚の関係になろうかと思いますけれども、なかなか鮮魚の販売につきましては、浜町での販売につきましてはやはり保健所の許可に冷蔵等の一定の設備が配置が必要になってくるというところもありまして、これは個人的なちょっと意見なんですけれども、事業者の負担が大きくなるためかなとかちょっと思っているところでございます。
【星野和彦 議員】
イベントに一応声はかけられているケースもあるということなんですけども、私がちょっとそういうイベントのほうに行きますと、併せて公設市場に顔を出しますと、ほとんど人が来られてない状態なんですね。
ですから、やっぱりここのPRの仕方にも少し問題があるんじゃないかなと思うので、これ、これからの課題だと思いますので、せっかくああいう場所があるのですから、是非ご検討頂きたいというふうに思います。
次の質問です。
現テナントの要望をお聞きになられていたら、ご教示願います。
【山根洋行 産業振興室長】
組合の皆さんとの協議を8月に行いましたけれども、その中で、浜町の地域振興拠点におけます商業施設の入店条件を示してほしいというのが1点ございました。
それから、浜町に商業施設ができるまで施設の使用を延長して欲しいというご意見もございました。
更に、空き店舗の募集はしないのかといったこの3つのご意見を、要望を頂いたということでございます。
【星野和彦 議員】
ちょっとこれはあれなんですけど、担当の産業室長にお伺いします。
最後に公設市場で買い物をされたのは、いつ頃になりますか。
【山根洋行 産業振興室長】
私が公設市場で買い物ということでございましょうか。
私、済みません、公設市場で買い物はちょっとしておりません。
【星野和彦 議員】
できたら顔を出して頂きたいということをちょっとお伝えしたかったんですけれども、分かりました。
ありがとうございます。
次の質問をします。
公設市場以外の市内施設の概況についてお伺いします。
この宮津市のホームページに掲載されているアクセスランキングですね、これで第1位がふるさと応援寄附、いわゆるふるさと納税です。
それに次ぎまして第2位となっているのがこの宮津市公設市場です。
これは多分観光客の皆さんなんかが見るんだと思いますけども、これをクリックしますと、新浜の公設市場以外に以下の3施設の写真と一緒に営業時間が出てきます。
1つ目が漁師町にある朝市、これは宮津市食品卸売センターですね。
2つ目が浜町にある宮津まごころ市、これは宮津市農産物等直売所と。
3つ目が、水産加工施設、田井マリーンフーズですね。
これは田井宮津ヨットハーバーのもんです。及び食事処のうみつばめというこの3施設ですね。
この3施設の公設市場との兼ね合いについて、簡潔にご教示願えますか。
【山根洋行 産業振興室長】
朝市につきましては民間施設です。
生産と流通の円滑化を図るために設置されたものでございまして、また、宮津まごころ市なんですけれども、農産物等直売所なんですけれども、農村集落と市街地を結びつけまして、観光との連携による地産地消を推進しまして農業の振興を図っていこうということで設置したものでございます。
更に田井マリーンフーズ、宮津市水産加工販売施設についてでございますが、地元が主体となりまして干物の加工販売を行うことによりまして6次産業化、それから地産地消の取り組みによりまして水産業の振興を図っていくためにそれぞれ設置されたものということでございます。
その兼ね合いということでございますけれども、施設の設置目的は異なりますけれども、観光情報としてホームページに掲載されているものということでございます。
【星野和彦 議員】
一見すると、これ宮津の人間であれば別々の場所だっていうのはよく分かるんですね。
で、これ一つにまとまってないのかなっていうのが、よその人が聞かれてた時によく僕は耳にすることです。
こういった施設を例えばコンセプトを持って共通の何とか券をつくるとか、そういう構想なんかっていうのはないですか。
【山根洋行 産業振興室長】
そういったコンセプトを持って施設ができればと、賑わいも出てくるのかなというふうには思いますが、今どこでとか、そういった具体の内容につきましては検討もまだしてない状況でございます。
【星野和彦 議員】
諸事情があるかと思いますけども、是非ご検討のほうをお願いしたいというふうに思います。
ちょっとよそのほうに目を向けますと、公設市場の状況として、他の全国の公設市場の現状、その総数と推移ですね、あるいはその観光地における取り組みなどの現況等をご教示願います。
【山根洋行 産業振興室長】
全国におけます公設市場の現状についてでございますが、本当に申し訳ないんですが、インターネット情報ですが、それぐらいしかちょっと情報が収集できなかったんですけれども、1970年代のスーパーマーケットが台頭してくるとともに減少の一途をたどっているというような記述もありますけれども、その総数の推移や観光との連携につきまして詳しくちょっと把握ができなかったという状況でございます。
ちょっと申し訳ないですが、こういった状況でございます。
済みません。それから、近隣の北部3市とかは、こういった同種の施設は存在はしてないです。
【星野和彦 議員】
近隣には元々公設市場があって、なくなったのですか。
【山根洋行 産業振興室長】
近隣市町、舞鶴を例えに出しますと、公設市場はございましたけれども、現在はございません。
【星野和彦 議員】
その舞鶴なんですけども、この「とれとれセンター」っていうのは非常に盛況になってまして、これに関してお伺いします。
新聞各紙が報じている通り、本年7月の京都縦貫道全線開通を機に京都北部の観光客が激増し、味夢の里サービスエリアですね、こちらでは夏休みや休日における京都縦貫道の大渋滞とともに全国の主要幹線にあるサービスエリアと引けをとらない売り上げを記録しています。
また、この舞鶴とれとれセンターにおいても観光バスとマイカーで訪れる観光客で大盛況となっています。
舞鶴とれとれセンターに関して、宮津市も学ぶべきところが多々あるかと思いますが、以下5点について、あるいはそのほか考察されていることがあれば、ご教示ください。
まず1点は設立経緯、2つ目が組織体系、3つ目が旅行代理店が企画する旅行プランへの編入、4つ目が凡その売上高、5点目として人を呼び込む仕組み。以上です。
【山根洋行 産業振興室長】
5点ご質問を頂きました。
まず1点目の設立経緯についてでございますが、舞鶴とれとれセンターは、多様化する消費者ニーズ、それからモータリゼーションへの対応、観光客の誘客、それから舞鶴港の活性化を目的に平成9年10月に営業を開始されたものでございます。
それから2点目なんですけれども、組織体系ということなんですが、その運営につきましては、鮮魚小売業者など9名で発足をされたということでございまして、舞鶴さかなセンター協同組合が行っているということでございます。
その同施設なんですけれども、3点目につきましては、旅行代理店が企画する旅行プランの編入というようなことでございますが、旅行大手6社と協定を結びまして、誘客に努められているというふうに伺っております。
4点目、凡その売上高ということなんですけれども、ちょっと大変申し訳ございませんが、その売上高につきましては情報をちょっと得ることが、済みません、できませんでした。
集客につきましてはちょっと情報を入手しておりまして、平成10年度に135万人を記録したということでございました。
しかし、一旦、平成14年には54万人まで落ち込んだということがあったようでございます。
近年では、一時高速道路の無料化があったというふうには皆さんご存じやと思うんですけれども、その平成22年度に、落ち込んだところから100万人まで回復してきたというようなことがございまして、以降少し減ってはおりますが、以降は80万人前後の安定した状態で推移をしているというふうに伺っております。
それから、5点目の人を呼び込む仕組みということなんですけれども、今年度につきましてはトイレの洋式化とか、免税カウンターの設置とか、電気自動車の充電設備の設置など、施設のリニューアルにも取り組まれたというふうに伺っております。
それから、テレビなど積極的にマスコミ取材を受けられまして、本当に集客に努められているというふうに伺っております。
【星野和彦 議員】
舞鶴のとれとれ市場で食事をとる所がありますか。
【山根洋行 産業振興室長】
とれとれセンターを含めまして周辺には食事をとる所はございます。
【星野和彦 議員】
北海道なんかに行くと、市場で美味しい丼を食べようなんていう、それが非常にうけておるわけですね。
その辺りにも、マーケティングの可能性があるかと思いますので、ちょっと今後の検討をされるんであれば、ぜひ検討を頂きたいなというふうに思います。
ちょっとこのマルシェ計画の停滞っていうのが、なかなか、隣の舞鶴がそんだけ成功してるのに、歯がゆい部分もあるんですけども、これに関してお伺いします。
本年の11月5日に浜町地区一帯で進めている賑わいづくり拠点、これは観光物流センター、宮津まごころ市ですね、これが道の駅として登録されました。
しかし、マルシェ計画の停滞は公設市場の衰退にも大きく影響してると思います。
マルシェ計画について、ここで改めてお伺いします。
マルシェ計画の進捗状況は如何ですか。
【松崎正樹 観光まちづくり推進室長】
浜町地区の地域振興拠点についての御質問を頂きました。
所管のほうが観光まちづくり推進室になりますので、私のほうから回答をさせて頂きます。
浜町の地域振興拠点につきましては、平成26年の3月から商工会議所を中心としまして、まちづくり会議のほうで検討され、先月24日にはこれまでの検討結果を報告書として取り纏められ、市のほうに報告がなされたものでございます。
この報告書の内容につきましては先般の全協のほうでも御説明をさせていただきましたけども、この地域振興拠点のコンセプトや規模、大まかな立地場所などの基本的な事項と、立地場所等の整理すべき事項等をまとめられたものであります。
この報告を受け、今後市としましては、報告書にある立地場所のことも含め浜町の賑わいづくりの具体化に向けて取り組むべき事項や、今後の進め方等につきまして早急に整理をしていくこととしている状況でございます。
【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
マルシェ計画において、以前、公設市場のテナントの皆さんに出店を打診されたと。
その時に家賃等の基本的な条件提示がなかったんだというふうに伺っております。
その真意をご教示願えますか。
【松崎正樹 観光まちづくり推進室長】
済みません。浜町の地域振興拠点の検討に当たりまして、隣接する施設であるこの公設市場と、鮮魚販売など有利なコンテンツになり得るという思いから、平成25年度には市場の皆さんと意見交換する場を設けさせていただいたということでございます。
この中で、地域振興拠点の出店事業者についての意見のやりとりにおいて、基本的にやる気があるところを応援し入店して頂くこと、また公設市場の方を優先に入店することはできないが、やる気を出して頂ければ応援をすると、この市の考え方をお示しするとともに、公設市場の皆様からは、具体の家賃や条件を決まった段階で示して欲しいというご意見を伺っております。
その後、議会からの意見も踏まえ、地域振興拠点については民間視点での検討が必要として、平成26年3月から宮津まちづくり会議のほうで検討がされておるということでございます。
この検討の状況につきましては先ほど回答させて頂きましたけども、先般、基本的な事項が取り纏められたということでございます。
そういう段階でございますので、具体化についてはこれからという状況でございます。
また、家賃や出店条件等につきましても、今後具体化のことが進められる中で運営主体等が決めていくことになるものと考えており、現時点では決まっていないという状況でございます。
【星野和彦 議員】
今ちょっと主体のほうが代わられてるってこともあるんですけども、現在6店舗が公設市場で営業していらっしゃいますが、このままでは物理的に、皆さん別の場所でこの店舗を構えることになると。
改めてマルシェへの出店を依頼しても困難になるんじゃないかということが危惧されるかと思います。
従って、このマルシェ計画遂行に当たって、今後テナントをどう募るのかというところは、これ、市としても対応できるように準備されるのか否か、その辺をご教示願います。
【松崎正樹 観光まちづくり推進室長】
先ほどの答弁でも今の現状というのを回答させていただきましたけども、このテナント募集につきましても、現段階では決まっていないという状況でございます。
【星野和彦 議員】
そうすると今後のことになると思うんですけども、各テナントとの話し合いの中で、再来年の2017年3月に現在の公設市場を閉鎖するのであれば、このテナントからの要望にある、例えば現在のデッド・スペースを有効活用する観点で、来年少なくとも3月を目途に可及的速やかに出店もしくは店舗拡張に関する新たな公募をかける条例改正を検討したり、あるいはマルシェ計画を踏まえて施設増強の上、これは難しいとは思うんですけども、公設市場を延長するのか、十分議論の上、回答を出して頂きたいというふうに思いますけども、その辺の最善の施策を重ねてお願いしたいと。
今はここでどうこう言っても出るもんではありません。
ただし、余り時間がない。
その中で、現場の方が非常に困ってて、それはイコール味夢の里であれ、舞鶴のとれとれ市場であれ、本来だったら宮津にそういう施設があったらお金が落ちてるかもしれないんですよね。
それはもったいない話だと僕は思います。
ですから、この辺りを今後ぜひ早急に、市を挙げて、他の紹介所も併せてご検討頂きたいというふうに思います。
次の2点目の『インバウンドの戦略と戦術』について、お伺いします。
日本を訪れる外国人旅行者は、2013年に史上初めて10百万人を突破し、昨年13百万人、本年10月末時点で16百万人に上っています。
これは昨年6月に、政府の観光立国推進閣僚会2020年を目途に目標とした20百万人を前倒しで達成する勢いです。
外国人旅行者の誘致は、今から12年前の2003年に政府が観光立国宣言を行い、国を挙げて本格的な取り組みが始まりました。
その背景には以下4点が上げられます。
1点目が平日の観光業を潤し、観光消費の経済効果が大きいこと。
2点目が海外の富を取り込む点では輸出製造業に似ているが、観光は製造業に比べ資金と時間をかけずに稼げること。
3点目、少子高齢化で今後日本人の旅行消費は縮小するが、海外の旅行需要は新興国を中心に成長が見込まれること。
最後の4点目です、地域経済の活性化効果が大きいこと。
殊にこの人口減少に対して、国土交通省観光庁が2013年に掲げた定住人口1人当たりの年間消費額124万円の減少分を補う方策の一つとして、外国人旅行者10人分の誘致を行うことは、国内旅行者に置きかえると、宿泊の場合26人、日帰りだと83人に匹敵すると試算しています。
上述の通り、現在、国策としてインバウンド戦略が進捗し、全国各地で行政と民間が協力して外国人旅行者の誘致を進めています。
先月、私もマレーシアとインドネシアを訪問し、クアラルンプールの伊勢丹において物産展を行う鳥取県のご担当者と接触し、ジャカルタでは日本政府観光局の支店で、現地と国内の動向を伺い、更に中部北陸地域の推進協議会が主催する「昇龍道プロジェクト」のプレゼンにオブザーバーとして参加しました。
現地では、自動車やOA機器、その他製造業と引けをとらぬ程、日本の各行政と民間が協力した観光産業の進出が目覚ましく、各国ごとの長期休暇の時期や風習などのマーケティングと、卒のないPR活動に驚きました。
殊に世界遺産の白川郷に隣接する岐阜県高山市は、30年前から英文パンフレットの作成を始め、海外戦略を定め、更に海外業務部を設置し、主に雪を東南アジアへ発信して、昨年、外国人宿泊者を前年比プラス5万人の30万人まで呼び込んでいます。
宮津市の外国人宿泊者の前年実績は、前年比プラス5千人の約2万人です。
高山市と比較して、宮津市は外国人旅行者のゴールデン・ルートと言われる東京、富士山、京都、大阪に近く、環境にも恵まれています。
特に、欧米を中心として世界に通用する日本三景の天橋立を擁し、観光都市を標榜する宮津市の再興のための選択と集中を念頭にインバウンド戦略と戦術をこれより伺います。
まずインバウンドの現状及びマーケティングについて、これから宮津市の概況を順次お尋ねします。
まず1点目です。
現在、日本のGDPは約500兆円で、観光業がGDPに占める割合は約2.3%、金額で言うと約11.5兆円です。
因みに、日本の基幹産業の一つである自動車産業の経済規模は約55兆円です。
観光業のGDPに占める世界の平均割合は約9%で、今の日本にとって成長産業と言われています。
単純に世界平均に到達すると仮定して、約33兆円の伸び代があると言えます。
宮津市の産業における観光業の占める割合は現状算出方法が難しいかと思いますが、凡そどれぐらいになるか先ずご教示願います。
【松崎正樹 観光まちづくり推進室長】
議員お触れの通り、全産業における観光業の占める割合というのは、統計上、今、観光業という分類がございませんので、これで算出することはできないという状況でございます。
そうした中で参考ということになりますけども、24年経済センサスで観光業に一部含まれる業種分類として宿泊業、飲食サービス業があります。
この宿泊業、飲食サービス業の全産業に占める割合で申し上げますと、本市ではこの宿泊業、飲食サービス業の売り上げが6,720百万円、それから全産業のほうの売り上げが59,920百万円っていうことで、割合で言いますと11.2%になります。
尚、この算出方法での全国の割合で申し上げますと1.8%ということでございます。
【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
この数値を分析しますと、まだまだこの宮津においても、インバウンド戦略を伸び代があるんだというふうに分析されるかと思います。
次の質問致します。
訪日外国人旅行者の国別割合の上位は本年10月末時点で以下の通りとなっております。
1位、中国26%、2位、韓国20%、3位、台湾19%、4位、香港8%、5位、米国4.2%、6位、タイ3.8%。
エリア毎に比較しますと、アジア83%、ヨーロッパ6%、北米5%、オセアニア2%の順となります。
宮津市における外国人旅行者の主な国別及びエリアの割合をご教示願います。
【松崎正樹 観光まちづくり推進室長】
私どものほうで把握しておりますのは、外国人の宿泊数での割合ということになります。
これでの回答とさせて頂きます。
本市の国別の内訳になりますが、1番は香港で46.2%の方が泊まられたということでございます。
次いで2番目が台湾36.6%、3位が中国で7.9%、4位がアメリカで6%、5位が韓国で1.1%であります。
また、これをエリア別で見ますともうアジアが92.3%、次いで北米が6.1%、ヨーロッパが1.2%で大半を占め、2位と3位は入れ替りますけども、日本全体とほぼ同様の傾向にあり、アジア圏の割合がより高くなっておるという状況でございます。
【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
ちょっとアジアも最近、新聞なんか皆さんご覧になられてるかと思いますが、経済にちょっと陰りが出てきてます。
爆買いなんていう言葉が最近流行ったりもしますけども、満遍なく声をかけていくと、発信していくことっていうのも大切かと思います。
次の質問です。
日本の昨年1年間の宿泊者数は、全国で474百万人です。
そのうち外国人が約45百万人、全体の約10%というふうに言われています。
客室稼働率はシティーホテルで78%、ビジネスホテルが74%、リゾートホテルが55%、旅館は36%となっています。
宮津市の稼働率と1日当たりの宿泊者対応数がわかれば、ご教示願います。
【松崎正樹 観光まちづくり推進室長】
本市のほうが把握しておりますホテル、旅館、民宿の宿泊施設は約70施設です。
1日当たりの収容人員は約4千人ということでございます。
この内で外国人観光客を受け入れた実績のある宿泊施設は30施設、この30施設の収容人員は約3千人で、概ね大きなホテル、旅館では受け入れを行っており、受け入れキャパはあるものと考えております。
また、稼働率でございますが、先ほど議員のほうは客室の稼働率で言われましたけども、私どものほうでは、市の全体の宿泊実績を1年間の収容人員の総数で除した定員稼働率というので出しておりまして、26年度では39%ということでございます。
尚、26年の国のほうの定員稼働率で言いますと、37.9%ということで若干高いというふうに思っております。
【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
それでもやっぱりパーセントにすると半分を超えてないというところに、このインバウンド戦略の旨味があるんだというふうに捉えられるかと私は分析を致します。
次の質問です。
観光案内所における外国人旅行者の問い合わせ数の概算もしくは割合をご教示願います。
【松崎正樹 観光まちづくり推進室長】
天橋立駅の観光案内所における実績になりますけども、26年度の案内総件数、これは日本人も含んででございますが42,654件ということでございます。
このうち外国人の案内件数は6,276件ということで、外国人の案内件数の割合というのは14.7%ということでございます。
また、エリア別で見ますと、アジアが大体55%、それからヨーロッパのほうが4%、北米が3%ということで、それ以外のエリアは1%未満、国籍のほうが分からなかった者が37%という内訳になります。
【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
その数の多さに非常に驚きました。
その際、外国人旅行者のニーズをマーケティングされていれば、ご教示願います。
【松崎正樹 観光まちづくり推進室長】
直近のニーズ調査としましては、平成25年度に天橋立観光協会のほうが外国人の観光客に行ったアンケート調査、これは3月中旬から4月中旬の1カ月間の結果でございますけども、1位が日本三景の天橋立の景色を見に来たということで、それ以降2位以下は、寺社仏閣の参拝、温泉、食事、こういった目的で来られてるということで、これらがニーズが高いものと考えております。
尚、今後なんですけども、観光戦略等を立てていく上では、このマーケティングというのが非常に大事だというふうに思っておりまして、9月補正、12月補正でも計上をさせて頂いたところでございます。
今後、インバウンドのほうのマーケティングもさらに強化していかなければならないというふうに思っております。
【星野和彦 議員】
次ですね、この宮津市の外国人旅行者に対する受け入れ体制及びインバウンド推進上の課題についてご質問致します。
まず、海外の交通機関における主な乗り放題チケットして、私も学生時代、バックパッカーとしてお世話になったんですけども、ヨーロッパのユーレイルパス、あるいは米国のグレイハウンドバスが有名です。
日本にも同じようにJRの外国人優遇チケット、ジャパン・レール・パス、あるいはウエストレール・パスがあります。
しかし、第3セクター会社の丹鉄では使用できません。
改善に向けた動向と、ほかの第3セクターで認められた事例、もしくは共同でJRに交渉できる鉄道会社等があれば、ご教示願います。
【松崎正樹 観光まちづくり推進室長】
JRのウエストレール・パスというのがございますけども、このパスについてインバウンド対策として、また京都丹後鉄道の利用促進として大きな効果が期待できるということから、京都府、それから兵庫県、丹鉄の沿線市町でJR西日本に丹鉄路線内へのエリア拡大を要望しておりますが、現実には至ってないという状況でございます。
JR側からは、他社との共同で行う場合は、経費配分が課題ということでお聞きしており、現時点では困難との回答を頂いております。
市としましては引き続き、府、兵庫県、沿線市町と連携して粘り強く要望していきたいというふうに考えております。
尚、事例等があるかということでご質問頂きました。
鳥取、岡山と京阪神とをJR線で結ぶ位置にある智頭急行、これ、第3セクターになりますけれども、ここが唯一例外としてJR西日本と共通パスが実施されているというふうにお伺いしております。
【星野和彦 議員】
次に、昨年の3月に一カ月間実施したワンコインバスですね。
これ、京都-宮津間になるかと思いますけども、天橋立ですね、この500円の分です。
この概況と今後の取り組み方針があれば、ご教示願います。
【松崎正樹 観光まちづくり推進室長】
これは議員からありましたけども、平成25年度に緊急雇用対策事業のほうで、天橋立観光協会が1カ月間、京都駅前から天橋立駅前まで高速バスを1日1便、実証実験として丹後海陸交通に委託し取り組んだもので、実績としては往路復路ともに750人、実績がありました。
今後なんですけども、このワンコインでの自主運営は厳しいなどということをお聞きしておりますが、ここに料金設定に非常に課題があると思っておりますけども、京都市等からの送客増大が期待できるこの割引バスの運行に向けて、さらに協議をしていきたいというふうに思っております。
【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
この辺りにも隠れたインバウンドの戦術があるかなというふうに思います。
次にご質問します。
アジアからの外国人旅行者を中心に、日本での買い物は全消費額の約33%となっております。
昨年10月より食料品、飲料品、医薬品、化粧品等の消耗品が消費税の免税対象となり、地域ならではの銘菓や地酒など名産品が新たに免税対象となったことから、香川県の特別名勝栗林公園の敷地内にある物販店や、和歌山マリーナシティの黒潮市場等が免税化され、全国各地に免税店が広がりました。
本年4月1日時点の全国の免税店は18,779店となり、わずか半年間で2倍になっております。
宮津市における免税店の概況と今後の取り組み方針があれば、ご教示願います。
【松崎正樹 観光まちづくり推進室長】
市内の免税店の登録件数は今2軒ということでございます。
1軒のほうは間もなく実施をされるということで聞いておりますし、もう1軒のほうは、まだまだ外国人観光客の数が読めないことから実施を見送られておるという状況でございます。
こうした中で、この免税店の拡大につきましては観光消費額の拡大、また受け入れ環境の充実の観点から非常に重要なことと考えておりまして、外国人観光客誘致の取り組みと並行して、事業者への制度周知を図ってまいりたいというふうに考えております。
【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
次ですけども、総務省の「全国的なWi-Fi環境の整備に向けた方策」っていうものがありまして、これを読みますと、官民連携によるWi-Fi整備の基本的な考え方って項目がございます。
その中で交通・商業施設は民間が主導し、公共的な観光拠点と防災拠点は行政が主導すると、こうあります。
Wi-Fiの成功事例としては、SNSのフェイスブックで施設にチェックインするだけで無料Wi-Fiに接続して、パスワードも新しいアカウントを作成する必要もありません。
Wi-Fiを使ってチェックインすると、そのことがニュースフィードに表示され、その友達にPRされます。
宮津市のWi-Fi規格の整備と統一化等について概況と今後の取り組み方針があれば、ご教示願います。
【松崎正樹 観光まちづくり推進室長】
公衆Wi-Fiの設置状況につきましては、公共施設では宮津駅、天橋立駅、観光交流センターの3カ所で設置済みであります。
また、主な民間の観光施設やホテル、旅館等につきましては、今年度の調査において回答のあった37施設のうち22施設が、約6
割の設置が済んでおるという状況でございます。
更に、このWi-Fiの環境を整えるため府の補助制度の活用により設置を促進していきたいというふうに考えております。
また、外国人観光客が利用しやすいようWi-Fi環境の統一化というのが非常に必要だというふうに感じておりまして、本年2月に京都府のほうが統一化に向けて指名されましたこのWi-Fi環境の普及に努めていきたいというふうに考えております。
【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
次です。全国の観光案内看板の中では、東京都練馬区のようにアニメキャラクターを採用するものもあれば、仙台市や奈良市のようにスマートフォンをかざして多言語対応できるQRコードを活用するものもあります。
宮津市の観光案内板の英語及び多言語の対応について概況と今後の取り組み方針があれば、ご教示願います。
【松崎正樹 観光まちづくり推進室長】
案内看板の関係につきましては、スペースの関係や視認性、また美観等から国のガイドラインがあるんですけども、これに基づきまして、英語併記を基本として考えております。
こうした中で、平成26年度に文珠地区に6基、それから今年度は府中地区のほうに20基、案内看板マップ、案内看板等を整備をしておるところでございます。
こうした中でそれ以外の多言語化というところで、議員御提案のQRコードによる多言語案内につきましては、先ほど言いました看板のスペースもとらない方法と考えられることから、今後検討していきたいというふうに思っております。
【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
次です。冒頭で申し上げた岐阜県高山市の成功事例を分析しますと、この一つの中で多言語対応のホームページとパンフレットがインバウンド戦術に有効であると思料されます。
近隣では福知山市のホームページが、英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語、タガログ語、この6カ国語に対応し、舞鶴市では、英語、ロシア語、中国語、韓国語の4カ国語に対応しています。
宮津市の概況と今後の取り組み方針があれば、ご教示願います。
【松崎正樹 観光まちづくり推進室長】
まず、観光情報のほうのホームページにつきましては、現在、観光協会のほうが英語のほか中国語、それから韓国語の3カ国語の対応をしており、今後さらに小まめな更新による情報発信をしていくよう観光協会と調整して、充実をさせていきたいというふうに考えております。
また、これ以外のさらなる多言語化というところでは、今後の国別やエリア別の入り込み状況を見て、検討をしていきたいというふうに思っております。
それから、市のほうのホームページにつきましては、これは総務室のほうの所管になりますけども、私のほうからちょっとかわりにお答えさせていただきますと、現在、多言語対応はできておりません。
しかしながら、来年度の実施に向けて今、検討しておるというところでございます。
また、パンフレットにつきましては、これも観光協会のほうが作成をしておりまして、英語表記のパンフレットというのを作成し、観光客の方に配布をされております。
今後なんですけども、現在の入り込み状況から見て、非常に中国が多いということで、少なくとも中国語のパンフレットや案内マップっていうのは必要ではないかというふうに考えておりまして、観光協会と作成に向けて検討していきたいというふうに考えております。
【星野和彦 議員】
政府観光庁の方にお伺いしたんですけども、一遍にそのパンフレットに英語もフランス語もっていうふうにやると見づらくなるそうです。
で、かえって経費がかかると。
手前みそな話だけどっていうことですけども、政府観光局のほうの先ほどの外郭団体に、登録費用がたしか60万って言われたかと思いますけども、その中でやると翻訳から全部やってくれると。
ですからぜひ地場でやる比較をして頂きたいというふうに言われております。
その時に、ちょっと私、条件一つだけ、印刷は地元を使ってもいいですかっていうことを問い合わせをしております。
またそういう多言語の対応をこれから必要になるかと思います。
次の質問です。
国土交通省の観光庁の調査によりますと、外国人旅行者が日本で困ったことの一つに外貨両替とクレジットカードを利用できる場所が少ないことを上げています。
岐阜県高山市では、北陸銀行と大垣共立銀行の2店舗で外貨両替可能な窓口が設置されています。
また、最近では旅館や観光案内所へ外貨両替機を展開する企業も出てきております。
宮津市の外貨両替とクレジットカードに関する現状と今後の方向性があれば、ご教示願います。
【松崎正樹 観光まちづくり推進室長】
まず外貨両替の現状ということで、キャッシュの場合の両替でございますけども、ドルにつきましては平日の金融機関の窓口でできるところがありますけども、元やウォンといったところの両替はできるところは市内にはございません。
また、クレジットカードのキャッシングにつきましては、ゆうちょ銀行のATMであれば対応は可能ということですし、デビットカードの分類になりますけども、中国の銀聯カードによるキャッシングは、天橋立駅の京銀キャッシュコーナーで対応は可能と伺っております。
こうした中で、議員から外貨両替機の導入について、ご提案をいただきましたけども、外国人の特徴としましては現金は余り持ち歩かないと、クレジットカードでの支払いが多いようにもお聞きしており、まずは海外のクレジットカードで決済ができるお店というのをふやしていくことが優先する内容かなというふうに思っております。
【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
次の質問です。
キリスト教に次いで世界で2番目に多くの信者を持つ、これはイスラム教徒になります。
このイスラム教徒は世界で約16億人と推定され、特に、経済成長が著しいインドネシアでは2億人を超え、パキスタン、インド、バングラデシュの順でアジアに集中しています。
イスラム教で合法の食事ハラールの対応、あるいは礼拝所の設置、これによってさらなる外国人旅行者の大規模な誘致につながると言われていますが、宮津市の今後の方針があれば、ご教示願います。
【松崎正樹 観光まちづくり推進室長】
このイスラム圏の受け入れにつきましては、イスラム教の教えで許された健全な食品や活動を示すハラールへの対応が大きな課題というふうに考えております。
特に食につきましては、調理器具を区分するなどハードルが高く、ハラール認証を取られた施設は現在市内にはございません。
ハラールにつきましては、許されるものとそうでないものの区分が複雑で非常に難しく、国ごとに異なるようにもお聞きしております。
このハラール対応につきましては、今後さらに研究が必要というふうに考えております。
以上でございます。
【星野和彦 議員】
一番いいのは、このハラールの施設が宮津にあればいいんですけども。京都市内の旅館、ホテル等が始めましたので、徐々にこれは広まってくるもんだというふうに思います。
次の質問です。
国土交通省では、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据えて、外国人旅行者が日本の宅配運送サービスを利用し、手ぶらで観光できる環境を定着させるべく2013年度より物流及び旅行関係の団体とともに進めています。
「手ぶら観光」について宮津の現状と今後の方針があれば、ご教示願います。
【松崎正樹 観光まちづくり推進室長】
市内の宿泊施設やお土産物店などでは、もう従来から宅配運送サービスを行っております。
こういう中で本年6月から始まった「手ぶら観光」を促進する共通ロゴマークによる取り組みにつきましては、今のところ市内では行われてないというふうに認識をしております。
この共通ロゴマークの使用につきましては、国交省への申請が必要となります。
この情報発信と外国人観光客の利便性向上のため、事業者に十分取り組みの周知を図って、今後その活用を勧めていきたいというふうに考えております。
【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
最後に、今後の戦略と戦術について4点お伺いします。
まず1点です。
岡西前副知事の陣頭指揮のもと、京都府の主導で一昨年3月に策定された「海の京都」構想の具現化で、京都北部の各市町の連携が始まりました。
周辺地域のインバウンド戦略と戦術の把握、更に舞鶴市が全国の軍港とつながる広域連携に注力しているように、日本三景の松島と宮島との連携など、宮津市で何か新たな取り組みがあれば、ご教示願います。
【松崎正樹 観光まちづくり推進室長】
周辺地域のインバウンド対応の戦略、戦術、方針等につきましては現在のところ把握はしておりませんけども、海の京都観光圏におきまして今後インバウンドに力を入れていくということにされておりまして、今後この各市町集まってインバウンドについて協議する場が出てくるというふうに思っております。
こういう中で、各市町のインバウンドの戦略、戦術、方針等につきまして十分にお聞きをしていきたいというふうに考えております。
また、日本三景につきましては、日本三景観光連絡協議会というのをつくっております。
この中で、これまでからパンフレットの作成やホームページへの掲載、またイベント交流によるプロモーションなど、国内による誘客事業に取り組んできたということでございます。今後はマーケットが拡大しているこのインバウンドにも取り組んでいくこととしておるところでございます。
【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
因みに、京丹後市はタイと非常に親密にされてるかなというのがネット上なんかで見るとわかります。
と言うのも、タイと企業がつながってると、タイにどんどん出ていったりしてると、そういうところも全国の各所を見てますと大きな特徴かなと。
宮津市の場合に、じゃあ東南アジアであれヨーロッパであれ、そこに工場がある企業があるかっていうと、そこはちょっと弱いところだなというのは切に思うところでございますが、それでも、日本三景の天橋立を抱えているので、是非ともこの注力頂きたいというふうに思います。
2点目です。
姉妹都市の3市、これはニュージーランドのネルソン市、米国のデルレイビーチ市、中国の秦皇島市、この活用について何か新たな取り組みがあれば、ご教示願います。
【松崎正樹 観光まちづくり推進室長】
姉妹都市につきましては、これまで国際交流を目的に取り組んできたということでございます。
今後、インバウンド等での活用について十分検討していきたいというふうに思っております。
【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
3点目です。
例えば、「海の京都」による海外での物産展の開催など積極的な海外展開について、今後の宮津市の方針があれば、ご教示願います。
【松崎正樹 観光まちづくり推進室長】
この海外への出展につきましては、ターゲットを定めて海外での認知度を高めるため必要なことだというふうに考えております。
こうした中で本市における海外の出展実績としましては、天橋立観光協会になりますけども、本年4月には台湾のほうで「第1回タッチ・ザ・ジャパン」への出展、また9月には「オール関西 第2回台湾商談会」に出展され、訪日旅行を取り扱う台湾の旅行会社との商談会を実施されたところであります。
この出展では、天橋立でのフォトウエディング・ハネムーン商品などを提案され、一つの成果としまして、台湾の旅行雑誌にこの10月に、天橋立でのフォトウエディング・ハネムーンの特集が掲載されたというところでございます。
今後の海外での出展につきましては、必要なものにつきましては今後も宮津単独でも取り組んでいくことが必要と考えておりますが、できればこの出展の際には多くの商品を持っていくことが望ましいと考えることや、大きく宣伝をしていくことも必要と考えており、議員お触れのとおり、できる限りこの海の京都観光圏で取り組んでいくことが必要と考えております。
こうしたことから、先ほども少し触れましたけども、海の京都観光圏において今後インバウンドに力を入れてくこととされており、海外に出展も事業としてしっかり組み込まれるよう調整をしていきたいというふうに考えております。
【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
しっかり頑張って海外でもうけてくるんだということをお願いしたいなというふうに思います。
最後の質問を致します。
宮津市では、天橋立から約40分圏内に、雪が降る大江山スキー場と世屋高原家族旅行村があります。
岐阜県高山市のように雪を前面に出し、海外業務部によるプロモーションについて、宮津市でも今後検討できるか否か、あるいはその他にでも、今後の海外展開というか、インバウンド戦略、戦術で夢が語れるようなことがあれば、ご教示ください。
【松崎正樹 観光まちづくり推進室長】
市としましては、まず海外の情報発信やネットワークの構築に向けての世界で最も美しい湾クラブへ加盟をし、天橋立を含む宮津湾の魅力を全面に出し、誘客を図っていきたいというふうにまず考えております。
こうした中で、議員お触れの雪の活用につきましては、雪の降らない国の方々にとっては魅力的な資源の一つというふうに考えますが、プロモーションをしていくには必ずその商品がある、この場合、雪ということになると思いますけども、そういった条件が整っていることが必要と考えており、降雪量が減少している中で、本市では限られたエリアになってくるというように考えますけども、この冬、世屋高原家族旅行村において、スノーモービルなどの雪遊びを体験メニューとして取り組むことをされており、この取り組みが魅力的な旅行商品や体験メニューにつながっていくよう、市としてもサポートをしていきたいというふうに考えております。
また、海外へのプロモーションにつきましては、国内旅行者が、国内の旅行が減少傾向の中で、平日の入り込み拡大も期待できる、この増加傾向にある外国人旅行者を積極的に誘致していくことが必要と考えており、本年10月に策定しました宮津市まち・ひと・しごと創生総合戦略において、海外へのプロモーションの充実等インバウンドの推進を図っていくこととしているところでございます。
今後の策定において、この総合戦略のアクションプログラム等において、議員御指摘の海外へのプロモーション等の戦略・戦術についても、体制も含めてしっかり検討していきたいというふうに考えておりますので、今の時点ではこれからというところでございます。
【安東直紀 理事】
議員からは大変たくさんのインバウンド方針に関する御質問をいただきました。
松崎観光まちづくり推進室長のほうから中心にお答えをさせていただいたところですけども、議員からの御質問内容のその心は一体なんだったかなということを私なりに考えてみますと、宮津市は職員も限られておる、予算的にも制約があると、こういう中でどういうところにターゲットを絞っていくのかと、そういうことをしっかり考えなさいよということを言っていただいたんではないかなというふうに考えております。
先ほど、松崎室長のほうからもありましたけども、前回9月の議会でも申し上げました、私たちは現在の中国、香港、台湾、こちらを中心とした観光客の皆さんがたくさん来られているわけですけども、その次の一手としてどこを狙っていくんだということで、世界で最も美しい湾クラブというものをきっかけに、欧米諸国にアプローチしようというふうに考えておりますということを申し上げたと思っております。
今日、議員のほうからは具体的な名前を幾つか上げて、その考えていく先のアドバイスを頂いたというふうに思っております。
例えば、京丹後はタイを狙っていますよということですけども、これは確かに非常に大きなマーケットでございます。
タイは現在、これ2014年、昨年のデータではございますけども、訪日客数では6番目にたくさんの方が来ておられます。
そして、その訪日された方と旅行の間に消費された金額ということで見ましても、外国から来られた方の消費額の中で5%を超える金額を占めるということですので、これは大変いいなと、私たちも考えていかなければいけないなということでございますが、一方で、じゃあ香港はそのタイに対してどれだけ使っておられるのかというと、7%以上の額を日本で使っていただいております。
ご存じの通り1番は中国でございまして、こちらは外国人全体の日本国内における消費の3割を占めるという状況でございます。
やはりこういうところをおいてほかに手を出すというのは、資源が限られた者のするべきことではないだろうということは認識しております。
では、一方で欧州あるいは欧米ですね、アメリカ、北米とヨーロッパ及びオセアニアですね、こちらでどうかというと、これで18.5%を超える消費がなされております。
いうことですので、我々が2番目に、次に目指すターゲットとしては、こちらで間違いないだろうというふうに思っておるところでございます。
先ほどのご質問の中で、イスラム圏が有望ではないかと御指摘もありましたので、こちらについても私見てまいりましたけども、訪日客数で見ますと8番目と14番目にそれぞれマレーシア、インドネシアという国が入っておりますが、こちらの国々につきましては、訪日された方々がじゃあどれだけ消費されましたかというデータを見てみますと2.6%ということで、これまだまだ上振れしてくるところを待つかなというところでございます。
インドネシア、人口は多いんですけども、国民の平均所得という点で見ますと、マレーシアの10分の1なんですね。
ということは人口とその国民所得を掛けたポテンシャルという点で見ますと、日本に来られたお客さんの中で見ると、マレーシアとインドネシア合わせましても1.6%という層でありまして、優先順位としては少し下がるのかなと。
訪日された方、人数で見ましても、来日された方の人数のポテンシャルという点で見ましても、これは韓国が1番ということになっております。
そういうようなデータ等を見ながら、これからも観光戦略、どういうところにアプローチをして宮津にお客さん来ていただいて、そしてここで消費をしていただくか、その際には宮津にある何が我々の強みなのかということを十分に考えた上で、効果的なPRをして、たくさんのお客さん来ていただいて、たくさん消費をしていただいて、市内の消費、産業につなげていきたいというふうに考えております。
【星野和彦 議員】
ありがとうございます。
ハラールについては、先ほど安東理事がおっしゃられましたけど、インドネシアっていうのは非常に急成長で伸びてます。
もうすぐ先進国に入ります。
ローソンも1万店展開しようというふうに言っております。
そこに伸び代があるんですね。
この数値の見方っていうのは、マーケティングっていうのは、現状の数値の捉え方と、過去と、未来に対する予想図っていうのを描いていく上で、このハラール対応があればと。
ハラール対応しているところには逆に観光客は流れます。
ですから今後の、これ国策でもあると思いますが、ハラール対応っていうのは進むはずです。
これは国のほうも言ってます。
ですからこの辺もキャッチアップしていただきたいというふうに思います。
最後にちょっと所見というかですね、この間東南アジアに行きまして、非常に感じたこと等3つだけ言わせてください。
航空運賃は非常に安いです。
インドネシアのジャカルタと関空の往復で46千円でした。
東京に行くことを思えば、実は距離はありますけども東南アジアっていうのは非常に近いです。
ですから遠い国だと思わずに、時間はそれ、航空時間8時間とか乗りますけども、お金の面でいくと非常に身軽に行けるところです。
2つ目が、いろんな困ったことを打開するときの閉塞感の打開っていうことで、米国のGEのジャック・ウエルチは、「選択と集中」というふうに言います。
今のこの閉塞感を突破するっていう意味では、この選択と集中と、目標を定めて突破することっていうのは可能な筈です。
是非、この観光業について選択と集中を進めて頂きたいというふうに思います。
最後に、米国のユニオン・パシフィック鉄道の鉄道員をお父さんに持たれてましたけども、後に苦学をして、その末ディズニーランドを造ったウォルト・デイズニー。
彼はミニチュアの鉄道に乗って遊ぶことが趣味でした。
彼の言葉というのが、こんな言葉を残しております。
‘If you can dream it, you can do it.’
「夢見ることができれば、それは実現できる」と。
ですから、今の閉塞感を打開する意味で、総力を挙げて、我々も含めて宮津全体で何とかこの観光業で立て直していくんだということを明確にして頂きたいというふうに思います。
非常に早口で長い時間にわたって、しかも最後で非常に申し訳ございませんでしたが、ありがとうございました。