宮津市議会2022(令和4)年9月定例会の最終日

前期の2021(令和3)年度決算認定と物価高騰に直面している低所得世帯への緊急支援給付金の支給やオミクロン株対応等の新型コロナウイルスワクチン接種などを主とした補正予算234百万円(本日追加)、条例改正など全議案が可決されました。
物価高騰に直面している低所得世帯への緊急支援給付金の支給やオミクロン株対応等の新型コロナウイルスワクチン接種などを主とした補正予算234百万円(本日追加)の概要

2021(令和3)年度の一般会計に関する決算認定で私は無所属クラブを代表して賛成討論をしました。

【令和3年度決算認定(一般会計)の賛成討論】
ただいま議題となっている議題49号 令和3年度決算認定の一般会計について、無所属クラブを代表して賛成の立場から討論を行います。

先ず市政運営を総括すると、本会期中に理事者の皆さんからご説明があった通り以下3点が挙げられます。
①2021(令和3)年度から10年間に於ける行財政運営の基本的な指針として「市税等のあり方委員会」からの提言を取り入れて策定した「宮津市第2期行財政運営指針」に基づき、中長期的に安定した行財政基盤の構築に向け、財政健全化の取組みを強化できたこと。
②「第7次宮津市総合計画」の初年度として、「若者が住みたいまちづくり」及び「宮津の宝を育むチャレンジ」の2つの重点プロジェクトと5つのテーマ別戦略を中心に各施策・事業を実施したこと。
③長期化する新型コロナウイルス感染症対策を確実に実施したことです。

そして、一般会計は、自主財源が前年度比215百万円減少している中で、実質収支が前年度比+353百万円の482百万円の黒字となり、16年連続で黒字決算となりました。
また、2013(平成25)年度に1,970百万円あった基金残高も2016(平成28)年から大幅に減少しましたが、前年度比+261百万円改善し、710百万円となりました。
懸案の財政状況は、全国に現在1,718ある市町村の中で、4年前は2007(平成19)年に財政破綻した夕張市に次ぐ全国ワースト2で、昨年は全国ワースト4でしたが、国が定める財政の健全化判断比率4項目全ての基準値をクリアし、徐々に改善傾向にあります。

しかし、決算委員会の総括質疑でもクローズアップしましたが、一般会計の黒字決算を鳥瞰して分析すると、以下3点による影響が最も大きいと思料します。
①新型コロナに係る国の経済対策により普通交付金が約5億円増えたこと。
②新型コロナの影響で予算執行を止む無く停止した為、不用額が約95百万円発生し、歳出の削減に繋がったこと。
③令和2年度に第2期行財政運営指針に基づく建設地方債発行の総枠キャップを設定し、堅持したこと。
以上3点の影響は特殊要因であり、残念ながらまだまだ予断を許さない財政状態が続いています。

更に、この後に議題となる特別会計では全13事業の中でつつじが丘団地の土地建物造成事業会計のみ赤字で、その赤字額が▲138百万円に上り、全特別会計の実質収支は前年度比▲20百万円の▲9百万円の赤字になりました。
また、公営企業会計を採用する下水道会計の当期損失は▲13百万円で、前年度繰越欠損金▲993百万円が加わり当年度未処理欠損金はなんと▲1,006百万円に上り、債務超過に陥っています。
2020(平成2)年10月に水道代を約33%値上げした効果で業績改善が進んだ水道事業会計に関しても、今後50年間にわたり毎年約650百万円の更新経費が必要となる将来の備えを如何にするかという課題を抱えています。
殊に下水道会計は、人口減少が顕著な全国の地方自治体の財政を圧迫し、宮津市以外の京都府内の市町でも2021(令和3)年度決算に於いて、赤字決算になるところが複数出てくるとの予想を総括質疑で伺い、上下水道事業の在り方自体を広い視野で考察する必要性と、公営企業会計に対応する複式簿記の知識が議員にも求められていると実感します。

上述の通り、2021(令和3)年度決算に於ける一般会計は黒字となりましたが、過去の負の遺産と今後の様々な課題を抱えた特別会計と上下水道会計を勘案すると、まだまだ大変な財政状況が続いています。
昨年同様、本会期中も市長から「財政健全化に向け不退転で取り組む」との発言がありました。
市民から付託された議員として、我々もしっかりとチェックする責務の重さを痛切に感じるとともに、自分達ができることを探り、理事者と協力して皆が一丸となって実行する姿勢と財政改善に向けた政策提言を心掛けたいと思います。
今回の令和3年度決算認定の一般会計に関し、議員各位の賛同をお願いして、賛成の立場からの討論とさせて頂きます
                              以上

本会議終了後は全員協議会が開催され、「宮津市プラスチック等資源循環促進条例(仮称)」について理事者から説明を受けました。