今月3度目の東京出張…
山陰近畿自動車道 整備推進の決起大会が開催されたホテルニューオータニは、江戸時代の彦根 井伊藩の麹町藩邸跡で、東端は江戸城の外堀跡と喰違見附跡です。
https://sfc-修行.com/彦根藩-井伊家-上屋敷-中屋敷-下屋敷/
江戸城外堀跡 喰違見附跡の説明
大坂城の惣構えには及びませんが、江戸城の大きさに驚きます。
見附門に入る外濠の渡り道をジグザグに作ったので「喰違(くいちがい)」の名称がついたそうです。
1874(明治7)年1月14日の右大臣 岩倉具視の襲撃事件の場所としても有名です。
https://ja.wikipedia.org/wiki/喰違の変
新宿のホテルまでの帰りに四ツ谷界隈を散策し、四谷怪談のお岩さんを祀る「田宮神社跡」と「陽運寺」、映画「君の名は。」のラスシーン須賀神社を訪れることができました。
ゆっくり歩いてみると、変わりゆく街並みが実感できます。
上智大学に通った16歳下の従弟も今は三井住友銀行で活躍しています。
四ツ谷駅前の「しんみち通り」と四ツ谷三丁目交差点近くの路地裏
商店街の店舗は随分変わりましたが…
昭和の風情が辛うじて残っています。
路地裏を歩くと「質屋」が3軒並んでいました。
四谷怪談のお岩さんを祀る田宮稲荷神社跡
四ツ谷といえば、やはり「四谷怪談」ですが…
元禄時代の事件を基に創作された有名な怪談はフィクションで、現在の豊島区雑司が谷が舞台だったようです。
実在のお岩さんは、夫の田宮家の家計を立て直し、伊右衛門と仲良く一生を過ごしたそうです。
本来、この神社は夫婦円満のご利益があるそうです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/四谷怪談
「田宮稲荷神社跡」の斜め前にある「陽運寺」
ともに四谷怪談のお岩さんを祀ります。
朱門で何かお詣りするのが怖くて、足がすくみますが…
陽運寺の説明板
https://ksei.exblog.jp/10505834/
マンガ「妖怪人間ベム」で、博物館にある棺の上に置いてあったお面を返しに行くシーンがあります。
「怖いと思うとどんどん怖くなる」という台詞がありますが、勇気を出して真実を突き止めると安心します。
映画「君の名は。」のエンディングの舞台となった東京都新宿区の「須賀神社の階段」
四谷怪談のお岩さんを祀る「田宮稲荷神社跡」と「陽運寺」のすぐ近くにあります。
いつもは閑静な階段も「酉の市」で提灯が並んでいます。
四ツ谷に暮らす男子高校生 立花瀧(たき)と、飛騨の山奥 糸守町に住む女子高生 宮水三葉(みつは)は…
月日が流れたある春の日、たまたま並走する別々の電車の車窓からお互いを見つけた2人は、それぞれ次の駅で降り、お互いの下車駅に向かって走り出します。
ようやく住宅地の神社の階段で再会した三葉と瀧は、涙を流しながら互いの名前を尋ねます。
──君の名前は、と。
今日も中国人カップルが矢継ぎ早にやって来ます。
http://www.kiminona.com/
映画でキーワードになる「黄昏時」の語源は万葉集の「誰そ彼(たそかれ)と われをな問ひそ 九月(ながつき)の 露に濡れつつ君待つ我そ」※という和歌です。
※誰、あれは?と私に尋ねないでください。
あれは九月の露に濡れながら君を待つ私なのですから。
「黄昏時(誰そ彼)」というのは、「逢魔が時」ともいい、妖怪や魔と遭遇する夕暮れ時を指します。
これは民俗学的にも研究の進んでいる分野で、境界論と呼ばれています。
例えば、五条大橋の武蔵坊弁慶や渡辺綱が一条戻橋で遭遇して斬った嫉妬の鬼も境界地点の橋で遭遇します。
現代でも橋やトンネルなどコミュニティ間の継ぎ目である境界に異変が訪れる話が多く、人との繋がりが途切れる地点に人間の不安の種があることを表しています。
これは、相手の姿が見えにくくなる「誰そ彼」(お前は誰だ)という夕暮れ時…空間に限らず時間にも通じます。
古来から夕暮れは、現世(うつしよ)と常世(幽世・隠世)の転換ポイントとされてきました。
人類は太陽を信仰し天体を観察し、太陽が沈むと、夜は不吉なものと考えられてきました。
エジプトでは羊の血を玄関先に塗り、夜に魂が抜かれないようにしました。
ユカタン半島の古代文明では「太陽が2度死んだ」という記述があるように日食という天体現象を人の生死と類似させました。
映画「君の名は。」では、三葉と瀧の「生と死」「現と夢」を繋ぐ糸の役割が黄昏時です。
瀧は、彗星が墜落して死んだはずの三葉と森の拠り代のある広大な盆地で会い、いよいよ夢を現実のものとして認識します。
瀧は、夕陽が沈む前に三葉へ想いを伝えようとしますが、夜になって、三葉が常世の世界へ戻ってしまいます。
この映画は「すれ違い」をテーマにしているようです。
上記は以下から抜粋しました。
https://ch.nicovideo.jp/ponapona1044/blomaga/ar1094917
東京都新宿区の指定有形文化財「須賀神社の三十六歌仙絵」のレプリカ
http://www.kanko-shinjuku.jp/spot/-/article_405.html